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「…じゃあ今日から降谷くんも沢村くんもブルペン入るということで。」
「あぁ。宮内にはおれが後で伝えておく。」
「宮内先輩、ですか。」
今はクリス先輩と1年2人の投球練習についての取り決めをしている。
「何かあるのか?」
「イエ…。宮内先輩、最近丹波さんとよく2人でやってるみたいなので。」
「あぁ。そのことか。まあ丹波のことは捕手2人がわかっていればいい。監督が何を言おうとバッテリーを組むのは投手と捕手だからな。」
「はい。では後程」

合宿が始まって5日。とうとう、降谷くんと沢村くんがベンチに入る。きっとフラストレーションたまってるんだろうなぁ。まあ、なげてもいつもみたいに投げられなくてムズムズするんだろうけど。
あ、それより聞き忘れたけど試合のことはいつ2人に言うんだろう。ブルペン入ってからかな?



「もう一本!」
「っらっしゃぁぁ!」

ノックを受ける選手たちの声がよく響く。
5日目だっていうのに特に3年生はすごいなぁ。

「柏木。そろそろブルペンに。」
監督たちとノックの様子を見ながら話しているとクリス先輩がブルペンにいく時間をしらせてくれて。
「あ、はい!」




そして既にブルペンには宮内先輩と降谷くん、沢村くんの姿が。隣には御幸達も。
よっぽど投げられるのが嬉しいんだろうな。
そして2人には交互に投げるようクリス先輩からのお達しが。けどやっぱり。2人とも思うように投げられないようで。
「2人とも疲労たまってるんでしょうね」
「あぁ、だがこれくらいでへばってもらうようじゃ困るからな。あと。
今日とアシタハブルペンとシートバッティングで調整だ。土曜のしあい、2人で1試合投げ抜いてもらうからな。」
クリス先輩の言葉を聞いた2人は目を見開いてそのあとすぐに沢村くんは叫ぶ。降谷君に関してはどっちが先発かどうかの質問。
「ふたりともまだまだ元気じゃん!もっと走る?」
「「イエ…」」

そしてそのあとも交互に投げ続け、今日のところは終わろうとグラウンドに向かう。

カーン カーン

「?」
「まだ、ノック続いてるんですかね?」
ノックの音を聞きクリス先輩も首をかしげる。

そして戻った先のグラウンドでは監督のノックが行われていた。なるほどね。まだ終わっていない理由が分かった。ブルペンに向かう頃には響いていた声も今は殆ど聞こえない。

「どうしたぁ!!もう声がでないかあぁ」

けれどそんな選手たちに監督はすかさずげきをとばす。

「先輩達もすごいけどこの時間を1人で相手してる監督も監督だな…」



(じゃあ今日から)





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