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6月も2週目に入り、とうとう合宿が始まった。
そして、私は他のマネージャーとは違う仕事を任されているため、合宿中は寮に泊まることになった。

今は一軍メンバーを2つに分けて、守備とバッティング練習。

それにしても小湊くん凄いなぁ…。全然ヒケをとってない…
「ヒャハハ
亮介さんも嫌だろーな
兄弟でしかも同じポジションなんて…」
「ねー…。って倉持!なにサボってんの!さっさと戻りなさい!」
「いって!今終わって戻ってきてんだよ!それより丹波さんとノリ、ブルペンいったぞ。お前今回ピッチャー見んだろ?」
「バーカ、見んのは沢村くんと降谷くん!
ベースカバーとか。丹波さんもノリくんもこの時期に2人に構ってらんないでしょ。だから私。」
「なるほどな!じゃあバッティングいってくるわ」
「さっさと行け!」

でもまあ、小湊くんも頑張ってるけど亮さんとの差が出てくるのはこっからなんだろうなぁ…
さて、私は自分の仕事しにいこう!
そして沢村くん達が外野ノックを受けるということでノックをしようとバットを持って歩いているとブルペンにいっているはずだった御幸がの姿が。
「なにしてんの?ブルペンは?」
「 奏架か。最近丹波さん俺に球受けさせてくんなくてさ。」
「なにそれ。また何かしたの?」
「してねぇよ!今から外野ノックか?」
私が持っていたバットに視線を移す。
「うん!沢村くん達のね…」
「おー、マネージャーもご苦労様だな」
「うむ、御幸も精進せよ。じゃ!」


そして、ノックを始めたも、いきなり沢村くんのバンザイをお目にかかることになって…
思わずクリス先輩とため息。
「なにやってんだコラァ!お前試合でもそれやるつもりか!!」
そしてすかさずゾノの一喝。
先がおもいやられるな…。





「なんか合宿って聞いてたけど俺寮だしいつもとあんま変わんないっスね!」
「まあ…いつも通いのみんなが寮に泊まるだけだからな。」
「けど、二面あるグラウンドを一軍メンバーだけで使うんだよ。練習量はいつもの2倍だよ?」
「俺達をサポートしてくれる他の皆に感謝しろよテメェ!」
「はい!!」
今は丁度夜練習前の腹ごしらえの時間で。
いったん休憩。私以外のマネージャーでおにぎりを作ってくれた。
「あ、春乃。先輩たちにおにぎりもってってくれる?きっとあと少しなら食べると思うから」
「え、まだたくさんありますよ?」
そういってつくったおにぎりを見る。
「あー…。んー。でもまだ夜練長いし。食べ過ぎたらしんどいからね。そんなに沢山はたべないかな?まあ残っても後でたべてくれるから!ってどうしたの?」
なぜだか変な顔をする春乃はあせったように
「わ、私沢村くんに沢山渡しちゃいました!倉持先輩がもっと食べろーって言うから…」
「倉持…。あいつ去年純さんにさんざん食べさせられたからって…」
「え?」
「あ、なにもないよ!明日から気をつけてあげてね。」
「はい!」


「くーらーもーちくん。ちょっと来な?」
「そ、そーや!お前の妹ちょー怒ってんだけど!助けて!」
そしてわたしはさっそく倉持の元へ。
「奏哉こなくていいからね!」
「いく気ない。」
「残念でした。
で、あんたねー。なんで沢村くんにそんな沢山食べさしたの。吐くでしょーが!」
「ヒャハ
そこが、狙いっつーか」
「バカ…。吐いたら後処理やらすからね…」




(くーらーもーちくん。)
てへぺろ?
なに?監督呼んでって?
イッテマセン





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