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奏哉、やっぱり何かあったんだよね。でないとあんな風に言ったりしないし。
ふぅ、今なやんでも意味ないか。
今日のスコアブック見て寝よう。
ー 次の日
「あ、 奏架おはよう。
昨日はごめん。でもほんとに大丈夫だから。
今はそっとしておいて。」
「お、おはよう。」
自分の言いたいことだけ言ってさっさとグラウンド行くとかこっちの返事くらいまってよね。
でも大丈夫っていっておきながら、今はそっとしておいて。って大丈夫じゃないんだろうな。きっと。
「あ〜〜〜納得できねェ」
「あ…やっぱお前も?」
「当たり前だろ
亮介さんの弟はまだ分かるとしてもなんであの沢村が一軍なんだよ」
「あの試合だってクリス先輩がいなきゃボロボロだったしセットプレーもできてねーんだぞアイツ…」
授業が終わったのでトイレにでも行こうと思い廊下を歩いていたら野球部員の会話がきこえて。
多分、っていうか絶対内容からして昨日の一軍昇格選手発表の事だろうな。私もビデオみてないから最後の方はよくわかんないけど…。けど、ピッチング内容は3回四死球6個に被安打0の無失点。なんともいえないけど結局は点とられてないし。
「文句、いまさら言ってもしょうがないんじゃない?」
「そうや、アホかお前ら。」
「あ、ゾノ」
「ここは常に甲子園を目指すチームなんやぞ
らいねんいこうのチームを支える選手をベンチに、入れるなんてよくあることやろーが!」
ゾノの一喝がとぶ。
「ま、そうゆうことだと思うよ?私も。じゃ、私トイレいきたいんだった!また放課後ね!」
あやうくチャイムまでに帰れないところだった。
そしてギリギリ教室に戻ると昨日のスコアブックを見てる一也と倉持。さっきの休みジカンモ見てたのに。ほんと見るの好きだよなぁ。
でも取りあえず奏哉も大丈夫、ではなさそうだけど本人は大丈夫っていってるんだから当分そっとしておくのが一番だよね。
(昨日はごめん。)
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