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あのクリス先輩の悪送球からその直後。
またしても悪送球。しかもフィルダースチョイス。ここでこれはイタいなぁ…。
しかもまだワンアウト。もし外野にフライでも上げられたらおしまいだ。
しかもここにきて打者は財前さん。
でも今まで出てなかったよね?代打なんだもん。
「ね、奏哉。財前さん、なんで代打がしってる?」
「さぁ。先輩たちあそこにいるじゃん。聞いてくれば?」
「ん〜、そこまで知りたい訳でもないけど…。知っておくのにこしたことないよね。降谷くんも行くよ!」
「え、また移動するんですか。」
「つべこべいわずにいいから行くよ〜」
またしても嫌がる降谷くんをつれて移動する。
「奏哉は?いかないの?」
「うん。俺はここで見てる」
「じゃあ僕も」
「降谷くんはあっち。」
なんだか奏哉、いつもと様子違った?
まあたまにはこうゆう日もあるか。

「純さん。」
「おう、お前らあっちでみてたんじゃねぇの?」
知ってたのか、あっちにいたこと。
「そうなんですけど、財前さんですよね?あれ。」
「おう。それがどうした?」
「や、なんで代打なのかな、と。」
「それなんだが俺らもよくわかんねぇんだ。
哲も知らねぇみたいだしな」
「そうなんですか…。」
「それより、お前。野球のことばっか考えてんのもいいけどよ、奏哉のことも気にかけてやれよ。やっぱり俺らよりお前の方がいいんだろうしな。」
「へ?」
ずいぶん間抜けな声を出したと思う。
「奏哉、ですか?」
「んだよ、お前気付いてなかったのか?あいつ最近あきらか様子ちげぇだろ。」
純さんがそんなこというもんだから試合なんてそっちのけで純さんの言葉に耳を傾けてしまう。
「や、なんか様子違うとは思ったけどそんな深刻に考えてなかったっていうか…。ていうか奏哉そんな他人に弱いとこ見せないし…。」
「まあ、俺がポジション的にもあいつと話すことも多いからな。でもこれは勘違いじゃねーぞ。あきらか様子がちげぇ。いくならさっさといってやれ。お前のがあいつもいいだろ。」
「あの、すいません!奏哉んとこいってきます!降谷くんはここにいてね!?」
純さんの言葉も全部聞かないうちに言葉を被せる。
「おー。行ってこい行ってこい。あとお前も今日は朝から頭のネジ緩いんだからしっかりしろよ〜」




(純さん)
純、お前ってほんといいやつだな。
はぁ!?おれはだな!先輩として当然のことを!





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