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3回表。クリス先輩はさておき 奏架いわく、沢村にとってはラストイニングになる。今はノーアウト1塁。打者が沢村に分かりやすい揺さぶりをかけ始めた。
「バンドばっかりなんて面倒くさいね。」
奏架も同じことを思ってたみたいでふと口に出す。
「投手としては僕も嫌ですけど、沢村は特に球速ないですもんね。」
「降谷がまともなこと言ってる…」
あ、思ってることそのまま口に出してしまった。
「あはは!奏哉ひどい!降谷くん可哀想!」
「そこで否定してくれない 奏架先輩にも僕は傷つきましたよ。」
「え!ウソ!ごめんね?」
謝ってるけど多分内心まだ笑ってるんだろうな
「っと、それにしてもバンドするのかと思ったらしなかったり面倒くさいなぁ。」
「あのバカ思いっきり振り回されてやがる」
「うん、そうだねぇ。って倉持か。ふつうに話しちゃったじゃん」
突然横にしれっと立たれたもんだから全く気付かなかった。
「倉持、来てくれたとこ悪いけど今いいとこだから話しかけないでね」
「え!奏哉ひどくね!?やっぱ俺に冷たいよな!?」
「うん、私も見たいから倉持、しー。」
奏架は口に人差し指を当てて倉持に言う。
うん。今のは面白かった。
「倉持先輩。僕も見たいんで静かにお願いします。」
「え!なに!?お前ら3人でグルか。」
「ちょ、倉持ほんと煩い。」
そしてその間に相手打者はスリーバンド失敗。
全く相手の意図が読めない。
そして次の打者、1塁走者は盗塁。
沢村の球が遅いから心配だけど、クリス先輩もきっと2塁に投げる。ギリギリ間に合うか合わないか…

ドッ

「!?」

「クリス先輩が悪送球?」

奏架の言葉に続いて見に来ていた人のざわついた声も聞こえる。
やっぱり肩が…。
ここが沢村の正念場だな…。







(倉持、しー。)
ふはっ、しー。ってお前幼稚園児っ、
うっせーぞ御幸!お前最近出てきてねぇからってひがんでんじゃねーぞ!


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