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今日は合宿前の最後の試合。
しかも二軍の。と言うことはこの試合で誰が一軍に上がるかが決まると言うこと。
そして相手は黒士館。うちの二軍となら少し格上か同じくらいか。厳しい試合といえばそうなのかもしれない。
「てゆうかさ、なんで 奏架ここにいてんの?」
屋内の練習場に来ていた私に亮さんから疑問の視線が送られる。
「あ、なんか今日は監督も高島先生もベンチに入るから降谷君が投げないように見張るように言われて…。ほんとは試合見たかったんですけど…」
そういって降谷君の方をみるも彼はいつもどうり、
つーん。とした態度で。ほんと胆座ってるなぁ。
「ひゃはは!見張り役かよ!」
「そうだけどなにか?見に行けるなら見に行ってるよーだ」
「じゃあ降谷つれて見に行けば?試合観戦も大事だしね」
「降谷君いく?」
亮さんの言葉に期待をもって降谷君にきくも
「え。」
撃沈。
「も〜。沢村くん先発なんだよ?」
「おいっ!二軍の試合にクリスが出場してるぞ!」
私が説得しようと奮闘しているとき試合をみていた先輩が息をあげて帰ってきた。
「別にあいつがでてようがでてまいが「御幸!いくよ!降谷君も!」
行く気のない降谷君を引っ張ってAグラウンドまで走る。
「一也、クリス先輩…。」
「おう。」





そして丁度私と降谷君ががついた頃(一也には放っていかれた)小湊くんがセンター前ヒットを打ったところで。
「ほら、見に来てよかったでしょ?」
「まぁ…。で、ブルペンいかないんですか?」
「私は試合見たかっただけだから!行きたい?ブルペン」
ブルペンに行ったら投げたいんだろうなぁ。と思ったけどさっきの仕返しだと思って意地悪く聞く。
「自分が投げれないのに行く意味ないですから。ここで見てます。」
「そ?ならここにいてよっか。
あ、そういえばさ、沢村くんの球種には気づいた?」
試合を見ながらふと思い出したので同じ投手として意識しているのかと思い聞いてみる。
「まぁ…。先輩たちが話してるのは聞きましたけど…。」
「そっか。まあでも右の豪速球を持った投手と左のムービング。よくもまあおんなじ学年にこんないい投手入ったよね。まあ沢村くんがどこまで化けるかはわかんないけどねっ」
「どちらにせよ僕は負けませんけど…」
「あはは!強気だね。奏哉みたい。」
「そうですか?」
「奏哉も強気だからなー。なんてゆうか負けず嫌いだし。」
「そうは見えないですけどね。それこそなんでもしれっとこなしそうですけど」
「あははっ、奏哉ってそう見えてるんだ。まあ弱いところ見せないしね。他人に。
っと。それよりあの主審すごい相手の打者に判定甘くない?ボールばっかりじゃん」
うちの攻撃が終わって沢村くんがマウンドに上がるもさっきからボールの判定ばっかりで。
「でもムービングって動くんですよね?じゃあボールからストライクになるようにすれば…」
「うーん…、あいかわらず野球を分かってるんだか分かってないんだか…。確かにそうなんだけど、まだそこまで制球力がついてないと言うか…。とにかくここで沢村くんを崩さないようにクリス先輩がどうするか、だよね…。」






(分かってるんだか分かってないんだか)
てゆうかなんで先輩はそんなに詳しいんですか?
あー…。まあマネージャーだしね?


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