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 その後、何度か甚爾を水族園や動物園や色々と引っ張り回され、気がついた時にはジャ○プでは、ジ○ジョ第4部が始まった。そして黄金期が最盛期で幽○、ス○ダン、ドラ○ンボール、ぬー○ー、こち○などなど何から読んでいいのかわからない目次のラインナップになった。ありがとう神様。俺はこの瞬間に生きたことを忘れない。

 甚爾ももうすぐ高校生である。俺を反面教師に育ったせいか見た目の割に真面目な性格になったが、天与呪縛のせいで見た目はまだ細身なのに力が強いゴリラになった。将来、北○神拳使えるようになるのではと思い、体術を仕込んでみたが、才能ありまくり。絶対そのうち北○百○拳できると信じてる。
 呪具【メリケンサック改】を与えてみたらボコボコ殴り倒してくれる。俺の仕事が楽になって嬉しくて仕方がない。たまにそれで俺を殴りかかってくるのはやめてほしい。俺は呪霊ではないので、普通に痛い。


 今日は珍しくスーツを着込み、中学校にやってきた。俺がスーツを着たらただのヤクザ。隠しきれない刺青が首筋からチラチラ見えているから余計に。

 来た理由は簡単。三者面談である。基本的に学校行事は俺しかいかない。小学生の時から授業参観も三者面談、運動会、学芸会など全て。この時代で男がこういう学校行事にくるのは珍しい。大体は母親の役目。クソみてぇだな。
 いくら呪霊が倒せるようになっても呪力が微塵もないからと腫れ物扱い。俺だけじゃなくて、甚爾も慣れてしまったのが申し訳ない気もする。

 学校と俺はかなり不釣り合い。甚爾の担任は、去年と同じ人なのだが初めて会った時はビビられまくった。この子にしてこの親かみたいな顔をされた。俺はこんなデカい子どもがいるほど老けてない。

「禪院くんは真面目で素行もよく、優秀な生徒ですよ。志望校は決められているんですか??」
「高専に行くつもりです。……親もそこを出てるんで」

 そう甚爾がいうと気まづそうな先生と目が合う。うちの事情も少し理解はしてくれているよう。

「あー、甚爾なら心配ないっすよ。それにコイツが行くのは親がでたとこと別のほうなんで。…な」

 ぐしゃりと頭を撫でると目があった。目があった瞬間に逸らされたのは、照れくさいか。こいつも反抗期真っ盛りだもんな。
 先生もなら大丈夫かみたいな顔をしなくてもいいのに。

 三者面談もトントン拍子で終わり、特に問題もなかった。受験なんてもう終わってるようなもんだ。
 帰りにファミレスによって飯でも食って帰ろうかとネクタイを緩め、ぐっと体を伸ばす。

「甚爾、なんか食いたいもんあるか?」
「…別にお前が作ったのならなんでもいい」
「えぇ、俺が作んのかよ」
「……ダメなのかよ」
「へいへい、お坊ちゃまの言う通りに」

 茶化しながらそう言うとゴリラパワーで殴られた。力加減はしてくれているがやはり痛い。今日の夕飯はハンバーグかな。俺が食いたい。


 帰り道にスーパーによりひき肉を600gくらい買っておく。ほんとよく食べるので、600gで足りるのか。大丈夫だろう。少し不安になったので、お惣菜の唐揚げも入れておく。家に玉ねぎはあるし、明日の朝のパンがなかったっけ。食パンをカートに突っ込んだ。
 甚爾と一緒にスーパーにくると大体荷物持ちをしてくれるので、楽ができて嬉しい。料理も最近仕込みだした。

 男は料理できたらモテるんだよ。
 俺はモテたことないけどな。モテてるんなら、もう10年も子守してねぇ。

 家につき、スーツを脱ぎ捨て一服。ころんとその場に寝転び天井のシミを眺めた。ゆっくり吐いた煙は、
 甚爾が高専いくなら、そろそろ式神も調整しないとなぁ。俺の式神は自身で描いたものしか使役ができない。だけど、甚爾につけてるおきたくんは別。アレは護衛用に調整してあって、子どもの時は攫われた時とかに自動的に現れるようにしていた。
 今の甚爾は充分強い。天与呪縛で上から嫌がらせされなければ、十二分に一級になれる。
 だからこそあいつの足手纏いにならないよう調整しないといけない。おきたくんは最近出番はないけど、こっそり甚爾が可愛がっているのはしっているから大丈夫だろう。

「オッサン、飯」
「お兄さんだっつてんだろ、ちょっと待ってろよ」

 俺がタバコを吸ってると催促されたので、仕方がなくキッチンに向かった。甚爾にも手伝わせてやろう。俺は優しいからな。

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