ジコチューとパーティー [ 15/16 ]
マルフォイ邸のパーティーは嫌い、主催者のアブラクサス・マルフォイは闇の帝王に最も近い人と言われる死喰い人だからだ。
純血の私はほぼ毎月行われるパーティーに連れていかれる、連れて行くのは母親ではなく全くの他人、多分この人も死喰い人なのだろう。
いかにも高級そうなドレスに着替えさせれて、化粧をして無駄なアクセサリーをつける。
「今日もお綺麗ですトーノ様」
「どうも」
綺麗、ねぇ?子供相手に妬んでも意味ないと思うよ。開心術を使わなくてもわかるその視線はひどく濁っているから。
広いパーティー会場、私が初めてきたのは5才の時。それからは当分行かなかったが8才からはほぼ毎日来ている。
会場の端っこでグラスを両手で持ち、そこに居るだけの簡単な作業です。
「(…毎回思うけど来る意味あるわけ?)」
どうせならお酒が飲みたい、グラスを傾けながら思う。
「失礼、トーノ嬢」
「アブラクサス様」
何のようだよ主催者様がこんな少女にかまってていいんですか?言わないけども!
「私の子を紹介しようと思いましてね」
それがルシウス・マルフォイとの初めての出合い
[*prev] [next#]