レモン味(御幸)


「あれ?何かレモンの匂いしねぇ?」

前の席の御幸が言った。

『え?ああ私今日からリップレモンの匂いのにしたんだよね』

ホラ、とリップを見せるとなるほどな、と御幸が返した。

「俺前使ってたイチゴの匂い結構好きだったけどレモンも悪くねぇな」

『でしょ?』

リップをポケットに滑り込ませて私は次の授業の準備をする。

「なぁ、ファーストキスってレモンの味って本当だった?」

御幸がそう聞いてきたので、私は急に何なの?と思い、少し動揺する。

『何言ってんの!?』

「俺はいたって真面目に聞いてんだけど」

『バカじゃないの?』

私がそう言って再び鞄に手を伸ばそうとすると、その手を捉えられる。

「動くなよ?」

そう言って唇に顔を近づける。

は!?一体何!?そうは思ったがなんだか真面目な顔をしてるので、何も言えなかった。

「んー確かに初めてなまえにチューしたときこんな感じじゃなかったかも」

『何言ってんのバ…

最後の一文字のカは御幸の口に吸い込まれてしまったようだ。 柔らかい感触が唇にした。初めてじゃないけど全然レモンの味なんてしなかった。二人の唇が離れて、御幸はんー…と唸った。

「やっぱ匂いだけだよなー」

『嫌ならしないでよね!!!』

「嫌じゃないてかむしろしたいんだけどいい『少し黙ってろバカ!!』

こっちは怒ってるのにはっはっは、といつものように笑う御幸に結局何もできない私は何だかんだって御幸のそんなところを許してしまってるのかもしれない。

「お前らここ教室なんだけど」

倉持の言葉にふと我に帰れば、やっぱり前言撤回と思わずにはいられなかった。




◎御幸のペースに見事に巻き込まれていっちゃう。ああいうタイプいるけど実際はあんま好きじゃない(笑)御幸くんは好きだけど(笑)



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