珍しくオフが数日続いたため、俺となまえは日本にいた。

『ごめん、付き合わせて』

「別に気にすんなぁ」

たまには実家に帰ることもしたかったようで、日本に帰ると言われたときは思わず肝を冷やした。俺何かしたかぁ!?と思ったのがすべて筒抜けだったようで、なまえに爆笑されたのはつい最近のことだった。

『親に会う?』

なまえにそういわれたのもその時だった。今度こそ大焦りである。

『私はスクアーロを親に紹介しておきたいと思ったんだけど』

これが意味することをわからないほど鈍くはない。俺は顔を少し赤らめたなまえに気分をよくして行くことを決意した。

なまえの親はすごくよくしてくれた。父親はやはり娘の恋人がきたことにあまり気分がよくなかったようだが、思ったよりは順調である。ましてやなまえが母親を手伝っているときになまえの母が俺になまえの小さいときのアルバムを渡してくれたのは、大きな収穫だった。

あの子恥ずかしがりやだからあまり言わないでしょ?自分のこと。

そう言って笑った母親はどことなくなまえに似ていて、親子だなぁ何て思った。
アルバムの中の泣いた顔も笑った顔もどれも可愛らしくて何枚か携帯で写真を撮った。どれも絶対ベルにもクソボスにもカマにも見せてやらねぇと決意して携帯を閉じた。

夕飯を食べ終えた頃。母親が提案してくれた。

「今日十五夜なのよ。スクアーロさんとおさんぽしてきたら?」

なまえは行こうか、と俺を誘ってくれたので、素直に外に出ることにした。

しばらく歩くと、なまえが口を開く。

『どう?うちの親。何もめんどくさいことされてない?』

「別に何もなかったぞぉ。むしろよくしてくれてんだろぉ」

そう言うと、なまえは照れ臭そうに笑った。

『良かった。あまり会う機会ないとしてもやっぱり仲良くしててもらいたいじゃん。親と将来の旦那さんは』

その笑顔がどうも母親に似ていて、俺は笑いそうなのを隠しながら頷いた。

「本当に月綺麗だなぁ」

『やだスクアーロってばロマンチスト』

そう言ってケタケタ笑うなまえの手をさらって指を絡ませた。

『でもスクアーロはそんな風に言わないで真っ直ぐに言うタイプだよね』

「…愛してる、ってかぁ?」
そう言うと、愛してるの安売りだ、となまえに批判される。
大してまんざらでもねぇくせに何言ってんだ。

「なら少し変化球でも投げてみるかぁ?」

『スクアーロ野球なんて知ってるの?』

そう言うなまえを抱き締める。

『スクアーロ、ここ公道』

「イタリア人だから積極的なんだぁ」

そう言ってなまえの頬に優しく触れた。

「…何もかも奪っていいかぁ」

月明かりがスクアーロの綺麗な銀髪をキラキラと照らしていた。

『スクアーロにしかあげないよ』

そう言って笑うなまえに俺はそのままキスして、やっぱりこの女には敵わねぇなぁなんて身をもって感じた。



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