『い゛だい゛〜!!!!!!』
スクアーロの自室のソファーで手足をバタバタさせた。しかしそれでもこいつの痛みは引かない。くっそー、と呟く。
「うるせぇぞぉ!!報告書書き上がるもんも書き上がんねぇだろうがぁぁ!!!!」
『スクアーロの方うるさいわ!』
私は親知らずのあまりの痛みに自室から飛び出し、スクアーロの自室に来たのだ。最初は医務室にでも行けぇ、と言われたが私的にあそこは痛いものを更に痛くする場所と言う認識しかないので、行くことを頑なに拒んだ。スクアーロもそれを聞けば、説得することを諦めて自室にいさせてくれることになったのだが。
『スクアーロどうにかして…歯が痛い…死ぬ…』
「死んだら感覚なくなるぞぉ」
『…ばーか』
そこは!死なれたら困る!とか!言うとこでしょうが!このカス鮫がぁ!!!
と思ってることは見事に伝わったみたいで。私に背を向けて報告書とにらめっこしていたスクアーロがこっちに来た。
「んなに痛ぇのか」
『い゛だい゛』
「そうか…」
スクアーロが私の頬に触れる。そしてそのままキスされた。ムードも何もなくされて、正直言って予想外過ぎて驚いていたら、今度は唇の間を舌がつつく。何考えてんだこのバカはと思ってる間に、スクアーロの舌が唇の間を割って入ってくる。
『…ば、スク…ッ…』
頭の後ろを手で抑え込んで、こちらはされるがままである。そして長い。ひたすら長い。いや嬉しいんだけど気持ちいいと言えばそうなんだけどただ、窒息死してしまう。
スクアーロの胸を叩いてもやめてくれない。ので、本気で抵抗し始めたらあっさりと離された。唾液で濡れてるスクアーロの唇の色気と言えばもうどうしようもない。
『…バカ何すんの』
「キスしてる間は痛ぇこと忘れてたろぉ?」
あ、たしかに。
でもそういう問題ではない。
『ばーかばーかばーかばーか』
「痛いなら痛いで少しは静かにできねぇのかぁ!?」
結局最初の状況と変わらない二人であった。
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