ヤンデレ黄瀬くん
※連載設定の幼馴染黄瀬くんがヤンデレに走りました。
***
「玲が一緒じゃないなら、高校には行かないッス」
そう言って綺麗な笑みを浮かべた涼太を見たのはもう5日も前のことになる。飲食もせず部屋に篭り頑なに心を閉ざした幼馴染。何がいけなかったの、何が彼を変えてしまったの?自分自身に自問しても帰ってくる言葉はなく、扉の前でただひたすら呼びかけることしか出来ない自分が歯痒かった。
出てくるように懇願しても、あの時の言葉を彼は返してくるだけ。その声が日に日に弱って行くことに私自身もじわじわと疲弊して行くのが分かる。
小母さんも戸惑いを隠せないのか体調を崩し始めていて、少しずつだけど周りの雰囲気が歪になっていく感じがした。
「涼太、お願い……出て来て」
声まで聞こえなくなったことに不安と恐怖で気が狂いそうだ。こんなことで涼太からバスケを奪いたくない。好きだった黄瀬家の雰囲気、関係を崩したくない。
扉前に座り込み隙間からある書類を部屋に送れば小さな物音が聞こえて来た。僅かな反応だったが、ああ良かった生きている。と安心したせいか力が抜けて思わず涙が零れそうになった。
「私の進路用紙、涼太に渡す。……私の3年間を涼太にあげる。だから出て来て、お願いだから……っ」
嗚咽混じりの声で呟いた言葉は涼太の耳にも届いたみたいだった。力が入らないのだろう、扉が開いた瞬間抱きしめてきた幼馴染の体はふらふらと覚束なく遠慮無しに体重を掛けてくる。
やつれた顔にはあの時と同じ綺麗な笑みが浮かばれていた。
ーーー
玲さんが黄瀬くんとではなく、違うキセキと同じ高校に行くと言い出して遂に爆発した感じ。
黄瀬くんはヤンデレでも相手を傷付けるのではなくて、自分自身を傷付けて相手を縛るタイプだと良いよね!ってことを書きたかったんだけど、よく分からなくなってしまった…。
でも最近ヤンデレ黄瀬くんネタしか思いつかない。しかも凄く楽しい(笑)
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3rd.Nov.2013
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