Another World
幼馴染と美容院

※白村さんが美容院に行くお話

***

 暫く放っておいたせいで伸びた髪がウザったくなってきた頃、私はポットポッパーのクーポン利用して近場にある美容院に行くことにした。……マネージャーとして入部してからろくに休みもない為二つに結ったりしてなんとかしていたが、前髪が邪魔で仕方なくなったので漸く重い腰を上げたという訳だ。癖のある髪質なのでこれ以上放置すると酷い目に遭うことは経験上重々承知しているので否が応にも行かなければならないところが我が髪ながら本当に憎たらしくて仕方がない。

 このやろー、と自分のパサついた髪先に悪態をつきながら目的地である美容院へと足を踏み込めば直ぐににこやかな笑みを浮かべたお洒落なお姉さんが迎えてくれた。席に案内され雑誌を受け取りながら今日はどんな風にしますかー、なんて緩い雰囲気の声で尋ねられる。

「カットは全体的に揃えるくらいで、パーマもふんわり緩めでお願いします」

 癖っ毛と生来のズボラな性格から中学生にしてパーマをかけている私を、生前の私……正確には“前の世界の私”だろうか。彼女が見たら生意気だと言って張った押しそうだなーなんて思う。でも朝楽だから仕方がないじゃないか。寧ろ外見に緩いこっちの世界に便乗しているだけだ。仕方がない、うん。

 

 なんてぼんやりと考えていたらお姉さんが私の髪を手で弄りながら鏡越しに声を掛けてきた。

「このクーポンだと同じ料金でカラーも出来ますけどどうしますか?」

「あ、そうなんですか。うーん、でもなあ……」

「お客様ですと目の色も明るい色ですし、合わせる形で金色とか会うと思いますよ。あ、白色とかも合うかも!」

 きゃぴきゃぴと1人で盛り上がるお姉さんにカラー表を見させられながら私もカラーねえ……、と思わずまじまじとそれを見つめ考えてしまう。お姉さん、というかこういう仕事をしている人って勧めたりするの本当上手いよなあと思いつつ気が付けば何だかんだ言って私もカラーリングに乗り気になってきていた。

―――

中途半端になりましたがここまで。

落ちとして黄瀬くんと黄色は被るなーとか考えて、よくよく考えらた周りにいるのカラフルな奴ばっかじゃねえか!ってことに気が付き以前の”常識”では考えられない髪色に耐性が付いてきている自分の感覚に自己嫌悪し悶絶する玲さんが書きたかったのですが、全く持ってキセキ面子が出てこないこととどうやってこれ連載の中で入れるんだよ、という結果になったのでこちら行きになりました。

実のところをいうと白村さんも十分普通の人ではない特徴(これを読んで気が付いている人はいる筈)があるのですが、本人は全く意識していません。慣れって怖い。

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3rd.Nov.2013


 
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