イングリッシュロップ | ナノ




「ねえ宗谷さん。もしかして童貞ですか」
「……、」こくん
「今まで彼女居なかったんですか」
「いた、けど…そういうことはしなかった」
「ええ?どうして?」
「あまり興味がなかったから、しなかった。そうしたら別れを申し込まれた」
「あー(えー?)」
「でも、最近は興味あるんです…」
「(ほう…?)」
「嗣村さん、…キス、して…ください」

触れるだけのキスから、舌を出してディープなものに変わっていく。
私がやった方法を学んでいっているのか、上手くなっている。
甘える宗谷さんをわざと拒んでみせると、本当に悲しそうな顔をするから、それが見たくて…つい意地悪してしまう。それも兼ねて…唇を離して言葉を続けた。

「行為にどうして興味が出たんですか?」
「ん…それは、今は内緒です」
「ええ?勿体つけないで教えてくださいよ!」
「今度した時に言います」
「へぇ、今度もこういうことしたいんですか」
「したい」
「(ド直球…!)」
「嗣村さんと、したい…」
「…そんなに私が、いいんですか」
「はい」

断言されることに慣れていないからか私の心が思いがけず揺さぶられる。
天然の言葉っていうのは、こんなに真っ直ぐ人に届くのか。

沈黙は自然に深いキスになった。
キスをするときも、宗谷さんは、本当に気持ちが良さそうにする。
上擦った声が今更ながら色っぽくて、可愛くて、きっと私をどうにかするつもりだ。

「宗谷さん、もう少し発展してみますか」
「なんでもいい、嗣村がするなら」
「へえ…本当ですね…?」

宗谷さんの投げ出されたネクタイで、彼の腕を拘束する。
私の私物から、アイマスクの上にスカーフを巻いて視界を奪う。
ベッドに仰向けにして、チェストから私の秘蔵のおもちゃコレクションを出した。

「宗谷さん。自分でやる時はオカズはどうしてるんですか?」
「オカズ?」
「どうやって興奮させているんですか?AVとかですか?」
「アダルトビデオは一度みたがどうも…。大体は、想像…」
「何を?」
「……っ」
「まぁ…なんにせよこれは初体験、ですよね!」
「…?」

私は宗谷さんの横に座って、ピンクのローターを首筋から徐々に胸へなぞらせた。

「これは、なんだ?」
「気持ちが良いやつですよ!」

淫靡なピンクのおもちゃは、胸やお腹を経由して…また反応し始めているそれまでたどり着いた。
たっぷりとローションを垂らして(冷たさに身悶える宗谷さんの反応を楽しんだ後)、そこにローターを幹に沿って動かしていく 。

「ぅ、あ、ああっ!?…な、なんだ、これ、は、」
「ローターです。振動する大人のおもちゃ…ですよ」

専用のゴムバンドでカリ辺りにローターを固定する。
それから私の指が妖しく宗谷さんの”後ろ”に触れた。

「……そ、こは、なんで、…!!」
「なんでも、良いんですよね?私のすることならば」
「ぅ、あ…ッ!?」

ローションでぐちゃぐちゃのそこに、細身で棒状のバイブを構える。男性の親指より少し太めのサイズだ。振動させながら最初のうちは入り口を触るだけに留める。

「いっ、あ、あっ…は、と、とってください、ぃ、」
「似合ってますよ!」
「そうじゃなくて、はぁ、は、ああ、」
「ちょっと痛いかもですが直ぐに慣れますよ、…きっと」
「――ひ、ぁ、あ、ああっ!?」
「あぁ・・・わりとすんなり入りましたね」

−−ぐちゅ、ぎちっ、ぱちゅッ
ローションのおかげで雰囲気のある水の音がする 。
ゆっくりと抜き差しをすると、宗谷さんの嬌声が私の耳を嬲った。

「宗谷さん、こういうの向いてますよ、びっくりするくらいに!開発してたんじゃないですか?」
「えっ、?あ、ああっ、ぬ、ぬくな、あ、変な感じに、なる…!」
「じゃあ入れますね!」
「ひっや、やだ、いっ、い、、きつ、い、」
「じゃあどうしろと…」
「はぁ、っあっ、あっ、―…く、…ッも、ぅ、」

奥まで入ったものをぐりぐりと動かしてみると、どうやら彼のよいところにぶつかったらしい。
前立腺という名前の部位をうまく見つけてこう刺激してやれば、”落ちる”のは直ぐだった。

「―ひ、…っ!?だ、め、そこ、は…!」
「ここ?」

ぎゅうう−−

「はぁっ!あ、ぅあ、ああっ!?何…!?」
「力、抜いて、宗谷さん」

ズ…ッ−−
ノってきた所で、入り口ギリギリまで抜いてしまう。
すると宗谷さんは縋るように声をあげた。

「あ!ッどうして、ぬくんです、か、ぁ」
「宗谷さん」
「は、はい、…っ」
「私のこと好きなんですよね」
「は、はぁ、は…い……」
「私と、どうなりたいですか?」
「嗣村さんに、僕を、好きになってもらいたい、です」
「こういうことはもっとしたい?」
「したい、もっと、して、くれ…!」
「そう、じゃあ、約束してください」
「な、にを」
「これからベッドの中では私の言うことをなんでも聞く事を」
「わ、かった、いい、ですよ、なんでもいい、ですから、はやく…!」

―パシャッパシャ

「宗谷さんのいやらしい姿、写真に残しておきましょうね!」
「あっ、や、やだ、ちょ、ちょっと…!」
「じゃ、お望み通り!入れますよ…」

−−ぐちゅ、んッ

「あっ、ああっ、はぁ、あっ、あ、嗣村、さん、―…!」
「何でしょう?」
「ぼ、僕、…ん、ふぁ…あっ!」
「?」

口に入れていた自分の指で、私の手をぎゅっと握った。
なにか言いたい宗谷さんだが喘いでばかりで言葉にならない。
目の前の上司の痴態を眺めて愉悦に浸る私に優しさは持ち合わせていなくて。
寂しそうにしている乳首に指を絡めた。

するともっと強く手を握られて−−−−。

「あ、ああっ、なんか、で、出る…!」
「ん…どうぞ!」
「っぅう、あ、あ…―――っく!!!!」

−−どぴゅ、どぷっ、びゅうう…!
二回目でも勢いは変わらずドロドロ溢れ出る宗谷さんのモノが快感に震える。

「わあ。凄く出ていますよ」
「あぁっ…は、あ…あっ、ぁ、あ」
「大丈夫ですか?」
「ん、ん…っふ…………っは…」
「(かわいい)」
「ぁ、…っはぁ……ふ…………」

宗谷さんの手が私に伸びて、それだけでキスを求められているのがわかった。
寄り縋る目の前の男性が求めるままに唇が重なった。
そうやって乱れた宗谷さんを落ち着けているうちに、彼は眠りに落ちていたのだった。










「嗣村さん、コピーまだですか?遅いんですよ、三秒でしなさい」
「今やってるんですけど…」
「口答えしない!終わったら会議室まで私を呼びに来ることです。全く煩わせないで欲しいものだ」
「はいはい」
「はいは一回でいいんですよ」
「はーい」
「伸ばさない!ブスなのですからせめて礼儀だけはちゃんとしなさい」
「はい…」

宗谷が出て行ったオフィスで、ふくれっ面の嗣村に滝川が声をかけた。

『相変わらずだな宗谷は。あいつもお前相手じゃめちゃくちゃ言うんだよな』
「いえ、私が悪いんです。それに慣れました。心配してくださってありがとうございます滝川さん」
『お?そうか?』
「じゃあ宗谷さん呼んできますね!」

やけに物分りの良い嗣村に滝川も居合わせていた部長も不思議な顔をする。

「部長、嗣村ちゃん達何かあったのかな?」
「うーん?さぁ…」




会議室では、宗谷が一人で資料を整理していた。
ひょっこり顔を出した嗣村に、彼の胸が燃え滾る。
それを悟られまいと努めているが彼女にはバレバレだ。


「思ったより早かったですね」
「そりゃもう、ご指導のお陰ですね!ところで誰がブスだって言いましたか…?」
「嗣村さんは冗談も通じないのか」
「はぁー!?じゃあ今日は何もしてあげませんからね!」
「う…っ、それはあんまりじゃないですか…」

宗谷の掌が嗣村の肩を抱き寄せて、そのまま唇が重なった。

―ちゅぱ…っ

唇が離れると、嗣村は呆れ顔で窘めた。

「やっぱりあまりに下手ですね」
「じゃああなたが教えてください」
「こういうのは盗むものなのですよ」
「なるほど…。私は物覚えがいいですからね」

もう一度キスをする。見つめ合った瞳から情熱が溢れて、二人の世界はさらに淫らに完成される。

「嗣村さん、今日は…」
「はい、どうしましょう?」

にこにこ宗谷の反応を楽しんでいる嗣村に、彼は参ったなと思う。
どう言うべきか言葉を選んで、…口に出す頃にはとてもじゃないが女の目を見れなかった。
顔を赤くして照れる姿に嗣村の苛虐は業を深める。
それを知ってか知らずか、宗谷は彼女を煽る言葉を吐いた。


「今日はいつもより、酷く…してください」




end

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