イングリッシュロップ | ナノ





男を顔から足先までじろりと眺めた。
ちょっと恥ずかしそうに目を伏せられて、その所作はまるで−−恋しているようだ。

「宗谷さん、もしかして…」
「ん…、なんだ」
「私のこと好きですか?」
「好きだ」

酔うとなんでも話してしまうのだろうか。
あの高圧的で人をバカにする男が今はまるで子供みたいに素直だ。

「キスしてほしいですか」
「してほしい」

その簡潔な答えに私は笑みを隠しきれない。
彼の首の後ろに腕を伸ばして、ゆっくりと優しくキスをした。
さっきの大雑把なものじゃなくて、できるだけ丁寧に、それでいて厭らしく。

「ぁ…ぅ…は…ッあ…嗣村さん…っ」

−−ちゅ、ぷ

宗谷さんは口の端から流れていく唾液も気にしない様子だ。
変に潔癖な普段の彼ならば、取り乱してしまうだろう。

「ふふ…さっきと違いますか?」
「全然違う…。さっきより…気持ちがいい」
「もっとしたい?」
「したい」

今度はちょっと乱暴に、宗谷さんを犯していく。
ちょっとたじろぐ宗谷さんだったが、直ぐに私に体を預けるから、これ以上ないくらい愉快だ。

「んぅ、う…ふ…ぁ、あっ……」
「宗谷さん、顔、真っ赤…」
「ん…見ないで、ください」

キスしている最中も、宗谷さんのモノは欲を発散したいと反応しているようだ。
自分で高級なものだと自慢していたスーツのスラックスに、誰が見てもわかる染みが出来ている。

「もしかして乱暴な方が好きなんですか?」
「…?わからない…」
「ここ、また大きくなっていますよ」
「ぁっ……」

徐ろにズボンの上から擦ると、いちいち体をビクつかせる。

「可愛い…」
「かわいい?」
「はい、とても…、可愛いですよ」
「…ッ」

照れたように視線を外される。その仕草さえ、可愛いの範疇だ。
ここからはもう普段の宗谷さんは思い出せない。

「服、脱ぎますか?汚したくないですよね」
「わかった」
「自分で脱げますか?」
「脱げる、ばかに、するな」

とは言った宗谷さんだったが、シャツのボタンに手をかけても、なかなか外せない。

「…ッあれ、なんか、外せない。どきどきして、手がぶれる」
「あら…頑張って、宗谷さん」
「う、……はい」

ちょっと見捨てて、私はスラックスに手をかけた。
ジッパーを下ろしてボクサーパンツもずり下げる。
布の中に隠れていた宗谷さんのが勢い良く外気に触れた。

「…あ、ぁ…ッ、嗣村、さん、」
「先走りでドロドロ…ですね」

宗谷さんはシャツを脱ぐのも忘れて、私をただ見下ろしている。
先端を指で軽く触れるだけで、腰が浮くぐらい気持ちがいいらしいのだ。
刺激を与えるたびに宗谷さんからは声が漏れて…徐々に恥じらいを忘れてしまっている。

「声我慢しないでください」
「わ、わかった、あっ……そ、それ、は…!」

返事がかえってくると同時に先の方に歯をたてる。
先走りがどぷりと増えて、宗谷さんの体がまた気持ち良さそうに震えた。

「やっぱり痛い方がいいんですね」
「そ、そう、…か…も……ぁあ、はぁ、…っ!」
「たとえば、」ぎゅう
「いっ…!は、…ぁあッ…ぅ…あ…!」

キツく握って、そのまま上下に動かす。
ぐちゅぐちゅ粘液の音が厭らしく私達の耳を汚す。

「先走りが凄い…見てください、宗谷さん」
「はぁ…ッ…わざわざ、見せないで、くれ…っ」
「そうですか?…こんなにえっちに、先から出ているのに…」
「あ、あぅ、…ッ−−ん、ん…!」
「あぁ、こんなにドロドロにして。この辺にしておいてあげます」
「…ぅあ…、おわり、なのか?」
「ふふふ、まだですよ…」

宗谷さんの口から安堵が篭った息が吐かれる。開いた瞳孔からは欲望しか感じ取れない。
こんなに無防備な姿を、過去に彼は誰かに見せたことがあるのだろうか?
そんなことを考えながら、脱ぎかけのシャツのボタンに手をかけた。

「自分でシャツも脱げないんですね」
「すみません…」
「ほら自分でも頑張ってください!」
「はい…」
「よし脱げましたね、これからは自分でやってくださいよ!」
「はい、…わかりました」

まるでいつもの反対だ。
それが非常に可笑しい。

「何故笑っているんだ」
「え?私、笑っていましたか」
「そんなに笑うのは、はじめて見た…」
「そうですか?…あ、下も脱ぎますよね。足を上げて…」
「はい」

私は服をちゃんと来ているが、宗谷さんは下着と靴下のみと言う状況になった。
宗谷さんはそんな自分を顧みないのか、私だけを真っ直ぐ見て次はどうするのかを伺っている。

今この時間だけは−−私が彼の全てになっている…!


「次は何がしたいですか?」
「だ、出したい」
「何を?」
「精液、を…」
「じゃあご自分で、どうぞ?」
「自分で…?」
「いつもやってるんでしょう?」
「やってない」
「え?どういうことです?」
「…、目が覚めたら、出ていたり、する…」

まじかよ…。
そんな人間存在するのだろうか。

「本とか見ても、よくわからない…けど、最近はたまに…出来るようになった」
「最近?じゃあ昔は夢精に頼りきりってわけですか…こういうのって噂によると中学生くらいの時に友達などに教えてもらってするようになるとか…ならないとかですが…」
「トモダチ?」
「もしや宗谷さん、友達がいないという噂は本当だったんですか!?」
「他の人間なんてどうでもいい。僕は嗣村がいればいい…。また、さっきみたいに気持よくして、欲しい…」
「(うわあ!なにそれ!かわいい!)」
「んっ…!」

宗谷さんの胸に指を乗せて、ゆっくりと肌を触る。
赤い乳首に到着したら、優しく叩いてみせた。

「わっ、くすぐったいです…やめてください、よ!」
「最初はそんなものですよ、でも…」

無い胸を舐める。触れるか触れないかの具合に乳首を擦ってやると、少しずつ硬く尖ってきた。
彼の目はずっと私を捉えて離さない。何かして欲しそうな眼差しだ。もっと強い刺激が、きっと欲しいのだろう。

その先端を甘く噛む。

「…ん!変な感じ、だ…」
「ふ…、感じてきましたか?」

優しく舐めて、それからきつく吸い上げると、軽く体を捩らせる。
タイミングを外して少し噛んでやると、切なそうな顔を見せる。
愛撫する度に増える先走りをまた男根に塗りたくって、ぐちゅぐちゅと泡を立てるように擦った。

「ぁ、ああっ…!ん、っんう…!」
「声、ちゃんと可愛く出して。…そう、いい子ですね」
「はぁ、…嗣村、さん、それ、良い…!」

しばらく続けたのち、先の精子が出る場所を爪の平らな部分で引っ掻いた。
すると宗谷さんは私の服をより強く引っ張って、震えて、声を漏らした。
それに駄目押しするように虐めてあげたら…、

「ゃ、あ…っ−−う、あ、ああっ…!!」
「…!」

―びゅうっ!!
びゅく、びゅく、白く濁った液体が私の指と先端の隙間から勢い良く発射される。
随分濃くて、粘り気のあるそれに、自慰が習慣じゃないことは嘘じゃないとわかった。

「あ!あぁ、はぁ、…ぁっ、は、ぁ」
「私の服が…!」
「あ、すみま、せん…はぁ、…く、……」

私の服まで汚している自分の精液を、不思議そうに眺めている。
息を整えるのも一苦労で、宗谷さんは少しも動けない。



[ 3/9 ]



しおりを挟む しおり一覧
back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -