セクサロイド | ナノ









「明日、買い物に行こう。けど、その白髪碧眼じゃ直ぐロボットってバレちゃうね」

茶碗を洗うロイドに話しかけた。
ちゃんと会話をできるのはとても嬉しい。こんなにコミュニケーションとれるのなら一人暮らしも寂しくなさそうだ。

「左様でございますね。ただ、わが社のアンドロイド製品は個体によってかなり差異が生まれます。燕尾服ではなく普通のニンゲンの格好をさせていただければ幾分かは誤魔化せるかと」
「まー確かに今や人間も白髪とかピンク髪とか結構いるもんね。私が小さい頃はまだそんなにだったのに」
「瞳のカラーなども変更が可能になっていますね。…お嬢様は弄られないのですか?」
「うん。黒髪が私一番あってるし」
「確かに可愛らしゅうございますよ」
「(…)よし、明日はロイドの服も買ってあげるよ!まさか初期服が同じ型の燕尾服3つしかないとは思わなかったし」
「それはそれは!恐縮です。ありがとうございます、お嬢様」
「んふふー楽しみだな」

にまにま私が笑うと、つられてロイドも笑うようだ。
そんなところまで人間らしい。

「そうだ。ロイドは寝るときどうするの?」
「私は基本的には睡眠を必要としません。お嬢様が睡眠中はリビングをうろうろしたりぼーっとしたりしますね」
「ふーん。煩そう」
「あぁ、それと!抱き合って眠るお客様も多いですね」
「へぇ?冷たそう。だって機械なんでしょ?」
「確かに機械なのですが…」

−ぴと
ロイドが手袋を取って私のほほに手を触れた。
しっとりと瑞々しくも温かい、人間そっくりの肌だ。ロボットだとわかっていても本物だと錯覚してしまうほど。

「私のエネルギーがあるうちは寄り添って暖をとることも可能ですよ」
「ちゃんと汗、かいてる…?」
「厳密には汗では御座いませんが、できるだけニンゲンに近い感触を追求してあります」
「おぉー!ロボットか人間か分からないよ!」
「でしょう。お嬢様も眠れぬ夜は私めを呼んでください」
「うんうん」

どこまで行っても隙のないロイドの立ち振舞は、説明書に書いてあった謳い文句−完璧な王子様−というのを体現している。驚くことに目の前で会話すると、無機質なロボットではなくて血の通った人のように扱わずを得ない。
それくらい…佇まいは淑やかで育ちが良さそうな(!)誠実そうな人に見えた。

そう。『見えた』のだ。















違和感で目が覚めた。

起き上がろうとしても何かに押さえつけられて動けない。
ふと下を向けば男の手が私のシャツに手をかけている。そいつはゆっくりボタンを外して、中に掌を捩じ込んだ。

カーテンから差し込む月明かりを頼りに目を細める。やっと見えた顔は…ロボット、だった。

「え、な、なに…ロイド!!」
「いかがなさいましたか、お嬢様」
「お、お前!何してるんだー!」
「はしたない言葉をお使いになるのですね。あまりよろしくありませんよ」
「それどころじゃない!とりあえずどけ!」

胸に吸い付くロイドを退かそうとするも私の力では到底無理そうだ。
どれだけ抵抗してもあっさりとかわされてしまう。それどころかロイドは呆れた表情をわざわざ作って、私をどうしようもない女とでも言いたげな視線を投げかけた。

「お嬢様はもう少し女性らしさを学ぶべきですね。からだの方は申し分ないのですが…」
「ギャー!だ、誰か助けて!」
「あぁ、その表情はいい感じです。嗜虐心を誘いますね」

なんか怖いこと言ってる…!
昼間と何一つ変わらない笑顔のはずなのに、どうも興奮しているのかほんのり頬が赤い。
私の両手の上にロイドの手があって、それがびくともしない。それでも笑顔を絶やさないので、この状況に抵抗している私だけがおかしいのかと思わせた。

まずい!なんとかしてやめさせないと!

「ロイド、と、止まりなさい。これは命令!だ!」
「…?わかりました、コトがすんだら止まりましょう」
「なっ!…んぐ、…!!」

口に謎のボールみたいなものを入れられ固定された。
何でこんなの持ってるんだ!

「ちょっと静かにしていてくださいね」
「……むぐっ…!」
「大丈夫、優しくします。それに私は上手だと思いますよ」

ハツラツとロイドが答える。
いや、そういうことじゃないじゃん、と言いたくも声が出ない。

私が藻掻いていると、目の前のロボットが唾液(!)を飲み込む音が聞こえた。

ロイドの舌が私の胸を弄んでいく。
舌の感触も人間そのもののようで、舐められたそばからじーんと甘く痺れる。心なしかふわふわした感覚に体が支配されていっている気がする。

ロイドがうっとりと私を見つめて、喜ばしいといった風に言葉を発した。

「お嬢様、とっても素敵です。ここがもどかしくなってきたのでしょう?」
「っ、…ん、ぅ、!」
「そんな首を振っても…私にはわかります。お嬢様が感じる度、私も感じてしまいますから」
「!?(どゆことだ!)」
「それは…大好きな人の感じる姿で、興奮しない人間がいるでしょうか」
「(だってロボットじゃん!)」
「お嬢様、愛しいです…この肌、体、表情、全てが私をおかしくする…」
「…っぁ…」

ロイドの目が座っているので、私は驚いて声が漏れた。
すぐ、元のにこやかな笑顔に戻ると、私の唇の上に指を置いた。つーっとなぞって、ふふっと笑う。私は彼がセックスロボットだという意味を…知った気がする。それくらい人を誘う、甘美な表情だった。

舌がまた私の胸にべったり付いた。
執拗なまでに責付かれて、私は徐々に抵抗するのを忘れていく。ひとたび舐められれば背中を反らせてしまうほどにはじっくりと。

「っふ……っ」
「おやおや?こんなに濡らして」
「(な!?まさか!)」

驚く事にロイドが私の秘部に指を這わすと、ぐちゅぐちゅと愛液の混ざる音がした。
薄い布の上から爪で擦られて、掻き回されると独りでに私の腰が逃げる。いくらかそうした後で水分を吸い取りきったそれを脱がされた。

私はこんな状態に陥ったことがないから…パニックだが、それ以上にゾクゾク体を駆け巡るこの感覚に溺れてしまう。
私の抵抗が弱まると、ロイドはいい子いい子と頭を撫でてくる。それが嫌なのに、何故か嫌じゃないのが…悔しい。

「お嬢様はご存じないかもしれませんがセクサロイドの出す分泌液はニンゲンにとっての興奮剤が含まれているのですよ。…そうですね、お嬢様でしたら一週間ほどでキスだけでイってしまう体を作れるでしょうね」

またなんか怖いこと言ってる!
ロイドは話しながら私のナカへ指を侵入させた。
最初から二本でも難なく入るくらいには、解かれてる。水音がとても煩わしい…そんな私の心情とは裏腹に体はどんどん、高まって…。

「ん、っぅ…っ!(なに、これ、)」

−ぐちゅっ
ロイドがわざと奥までナカをかき回した指を私の目の前に持ってくる。

「これはなんでしょう、お嬢様」

いやに落ち着いた低音が私を責める。
私がテラテラ光る指に釘付けになっているのを見て、満足そうにその指を舐めた。

「ふぅ、お嬢様のえっちなこれは、こんな味なのですね」
「む、むー!?」
「ん…嫌いじゃないです」

−ぺろ…ぴちゅっ
厭らしく音を立てて、自分の指についた私の愛液を丁寧に綺麗にしていく。
赤い舌がべったりと舐めとっていくのが大変淫猥で、体の底がドクドク熱くなる。
心臓から体の末端まで、熱い欲望が送り出される。

私の戸惑いを見抜いたように、ロイドがこちらに笑いかけた。

「大丈夫、そのままもっと興奮して下さい。…そうしないと私のが入らないかもしれませんよ」

−あ、締まった…。私の言葉で感じたのでしょうか−
更に追加で簡単に挿入された指が、更にナカの奥の壁をこつこつ刺激した。
目をつむって足を閉じたのはわざとじゃなくて、そうしないとおかしくなりそうだったからだ。

体が熱くて、熱が出た時みたいにぼんやりしている。
目から涙がぽろぽろと溢れているのは、嫌なわけじゃなくて、気持ちが良いのがそうさせてる。

「んっ…〜〜っ!」
「今…腰がびくって跳ねましたね。気持ちが良いのですか?結構ですね」
「…っ!ふ…っ」
「女性が乱れる姿は可愛らしいです、とても。…だいぶ解れてきましたね。私のを入れても大丈夫でしょうか」

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