セクサロイド | ナノ


番外/看病 a

 


「お嬢様、あーんしてください」
「もー!自分で食べられるってば!」
「なりません。病人は病人らしく私に甘えなさい」

こういう時のロイドは強引で融通がきかない。



セクサロイド番外/看病



朝目覚めて、なんとなく体がだるくて、ロイドはそういうことに目ざとく気がつくからあっという間に心配されてしまった。
別にひどい風邪じゃない。この体調不良も、春とはいえまだまだ冷える昨夜、きっと寝ている途中で上布団を床に落としてしまったせいだろう。
だけどロイドはすっかり看病モードで、栄養ドリンクやらお薬やらタオルやら、とにかくいろいろ用意してしまった。
そしておかゆを今、ベッドから体を起こしている私に食べさせようとしている。

「あぅ。これ、すごく熱い…!」
「ですか?じゃあフーフーしてから食べさせて…。あ、いや、それよりも」

ロイドがおかゆを自分の口に入れた、と思ったら咀嚼して私にキスしてきた!舌と舌の合間、ドロドロのお米とロイドの唾液が流されて思わずごくりと飲み込んでしまった。

「んーー!?」
「ふふ、いかがですかお嬢様。こうして食べさせて差し上げましょう」
「すっごく嫌!」
「なぜでしょう。名案ですのに」

心底不思議そうな顔のロイドが、しかめっつらの私のおでこに手のひらをつけた。

「やはり微熱ですね。お嬢様、これを食べたらちゃんと眠るんですよ」
「大丈夫だよ、ロイドは心配しすぎなんだって。ちょっといつもより体温高いくらいで」
「いいですか、お嬢様。風邪はひき始めが肝心なのです。それにお嬢様が寝込んで熱に浮かされて真っ赤な顔と涙目で乱れながら私に助けを求める姿なんて…あぁ…見たくありませんからねっ!」
「どうしてちょっと楽しそうなの…こほっ…こほん!」
「大丈夫ですか、お嬢様」
「うん…なんかぼーっとするかも」
「少し失礼します」
「うんっ?」

持っていた食器をサイドテーブルに置いて、ロイドがおもむろにベッドに入ってきた!戸惑う私をひょいと持ち上げて、後ろから抱きしめる形でまた座らせた。

「ちょ、ちょっと!」
「こうして私が温めてあげます。おじょうさま…」
「大丈夫、間に合って…わぅ…!」

さらに腕の力が強まる。二人の間には一つの隙間もない。

「こら、ロイド…っ」
「あれれ。少し緊張していらっしゃいますね。リラックスなさってください」
「本当、大丈夫だから…暑いよ…」
「んー…お嬢様の胸、ドキドキしてるのが伝わってきます。おかしいですねー?」
「し、してないってば…」
「そうですか〜?」

やたら楽しそうなロイドがまた食器を手にとって、器用におかゆをスプーンで掬ったら口元まで持ってきた。仕方ないので食べ切ったら、ロイドは気分をよくしてもう一口、もう一口とおかゆを運ぶのだった。

「あー…お腹いっぱいだよ」
「よく全部食べましたね。お嬢様、偉いですよ!よしよししてあげましょう」
「ロイド、なんなの…」

まるで、あやされている気分だ。
ロイドは空になった食器をテーブルに置いたら、そのまま私の唇をなぞって拭う。どうせにっこり笑いながら反対の手は私の頭を撫で出した。頭にロイドの顔がひっついて熱い。

「それでは。そろそろ私と寝てくださいますか」
「(ヤラシイ意味に聞こえるんだけど!)」
「まどかお嬢様…?」
「も、もう寝る!」
「はい。おやすみしましょうね」

皿を取り払ったら、ロイドに抱えられたままベッドに体を沈めた。
首までぴったりかかった上布団だ。軽くて通気性の良い春布団。でも今日はロイドと一緒のせいか寝苦しいくらい熱がこもってる。

「ロイドも一緒に寝る気なの…?」
「もちろんです。私に風邪を移してくれても構いませんよ」
「どうやって…?」
「そうだ、良い事を閃きました!」

こいつ話聞いてないな?いつものことだけど…。
それにロイドの提案が良い事だった試しがないから、私はため息をついた。そこに、なぜか耳打ちで奴はこしょこしょ内訳を話す。

「私、お嬢様を腕枕したいです」
「えっ?なんで?やだよ…」
「どうしてです?腕枕すればもっとくっつけますのに」
「ち、近づかないでよ、…もう」
「じゃあお顔、あげてください?」
「うぅ。覗き込まないでってば」
「どうしてですか」

わかってるくせに!その証拠にさっきからずっと奴はにやにやしている!
基本的にロイドは諦めないから、やりきれない気持ちになりながらも頭を上げることにした。人間と区別がつかない感触の腕は暖かい。

「…寝るね」
「はいはい。ぜひぜひ。眠ってください」
「だからこっち見ないで」
「ですが寝顔を拝見したいと思いまして」
「あぁ〜もう!見ないでってば!」
「お嬢様、私のことは気にせずおやすみになってください」
「無理だよ…」

こんな近くで見つめられたら、ドキドキするのは仕方ないのだ。
それにこんな昼間じゃ眠れそうにない。閉じきったカーテンの隙間から漏れ出す太陽の光で部屋は薄明るい。

目が冴えてしまった私を多少困ったように見つめていたロイドだったが、やがて舐めるような視線に変わる。
ごくり、と喉を鳴らす音が聞こえたと思えば、急にこつんとロイドのおでこが私のおでこにくっついた。

「ロイド?」
「あのー、お嬢様…。微熱ですし、葛根湯も飲みましたし、きっと明日には良くなります。ですが…風邪を治す良い方法はもう一つございますよ」
「そうなの?なんだろう」
「端的に言えば汗をかくことです」
「あせ?」

頬にキスされて、びっくりしてロイドを見ると熱っぽい視線がじれったく私を見た。
ぎょっとして背筋を伸ばしたこの体をロイドの大きな手がゆっくり撫でる。

「あ、あぁっ、こら、ロイド!」
「いけません。そんな大きな声をだしちゃ…、お体に響きます」
「え!ええっ、手、どうにかしてよ」
「お嬢様。お黙りください」
「は!?ん…!?んんぅ…!?」

なんだ、お黙りくださいって!と怒りの言葉は飲み込まれてしまった。
ーチュ、ちゅうっ…くちゅ……と、淫らな音を立ててロイドが私の唇に深くキスしたのだ。舌は遠慮なく絡んで熱を持つ。口の端から涎が垂れて…それを奴がぺろりと舐めた。

「だってお嬢様が腕の中で弱々しく私を見つめるんですから。したくなります」
「(なにがだってだ!)んっ…!んぁ…はぁっロイド、待っ…」
「やだ。です。至らぬロボットで申し訳ございません」
「それ、絶対、思ってない…じゃん…!せめて笑うのやめて……、ん…ゃ……」

ロイドのべろは熱く湿って、人の体そのものだ。しかし青色の瞳を覗けばかすかに奥の方、無機質な機械の証が迷い込んでいる。人っぽくなりすぎない為のしるしだそうだ。アンドロイド社のロゴマークが黒目の中にうっすらと浮かんでいた。

「ぁう…」
「お嬢様、とてもいやらしい表情ですね。体もくたくたに力が抜けて、大変可愛らしゅうございます」
「んゃ…ぁっ、だめ、ロイド…、今日は、風邪だから、勘弁してよ」
「ですか?では今日はお嬢様はゆっくりなさってください。体の隅々までに気持ち良くしてあげますからね」
「へ…っ!?」

胸の上までめくられたパジャマが首元でシワになる。放り出された胸をロイドの舌がべろりと這って、熱く濡れたものがやらしく肌の上をうごめく感覚に背中を弓なりに反らせてしまう。

「ひゃあ……っやだぁ、ロイド…!」
「んん…舐めて、吸って、…してあげます」
「んゃ、…ぁっ!あ……は…」
「ふふ。随分可愛らしく声を出されるのですね。熱で頭がぼーっとなさっているのでしょうか」
「ひぅ…あん…っロイド…っ」

浅く、吐き出される呼吸がスピードを増していく。私は目をつむって胸の先端を舌先でなぶるロイドの愛撫を耐える。だけどツンととがった先をちゅぱちゅぱ吸われたら耐えるどころの話じゃなくて…。

「あれ。足、こすり合わせてどうなさったんですか」
「ぁ、…だって…」
「いけないお嬢様だ、お風邪をひかれても…私としたいなんて。ね?」
「きゃ、…う…!」

パジャマ越しに下を撫でくりまわされる。それだけでびくんと体を跳ねさせてとても気持ち良くなるから困る。
閉じた両足の隙間にねじ込まれるロイドの手…もうすでに下着の中に手を忍ばせて入り口を何度も指先でさする。

「凄い…。ナカに指を入れなくたって、ここ、とろとろなのがわかります」
「え、あ、うそ……」
「本当です。音、聞こえるでしょう?」
「ん…きこえる…けど」
「指入れちゃいましょうか…」
「んん…ッあ、…はぅ……」

ぐちゅぐちゅ、かき回されて卑猥な音が耳に届けられる。思わずきゅー…ってナカを締め付けたら、お返しとばかりに奥の好きなところを触られてしまった。

「あぁ!う…っん…ぁう…!ひぁ…」
「お嬢様。もしかしてイキそうですか」
「ん、んんっ…ぁ……ん…」

こくこく頷く私の頭を撫でたら、奥、三本の指を多少激しく動かして、耳元で囁いた。

「どうぞイッてください。許可してあげますね」
「ひぅ……んぁ、…ひゃあぅ…ッ」
「ん……ッ、ぁ、ナカ、締まって、びくびくしています。私のが入っていたらと思うと……」
「…んっ!…ふ……!はぁ…っ」

ぎゅうと抱きしめたロイドのシャツ。ノリの効いたそれはもはやくちゃくちゃに引っ張られてしまった。私はロイドの胸に顔をすり寄せて、快感の余韻に浸る。

「っあ、あぁっ…だめ……はぅぅ」
「はぁ…今日のお嬢様はやたらと可愛らしい。この調子だと私のやることなすことなんだって受け入れてくれそうで…たまりません…」

くたりと力が抜けた体は反抗する気力もなく、奴のどろどろの愛に溺れるようだ。
休みたくともままならない。おもむろに体を起こしたロイドがぺろりと自分の唇を舐めたら、べたべたに濡れたそこに口付けたのだ。

「やっ!?ゃあ、ロイド、汚いよっ」
「ん〜、いけませんね。舐めても舐めても、溢れて…」
「ひゃ…う、ゃ……っはぁ…やなのに…」

――ちゅぱ…っ
ロイドの舌が音を立てて私の入り口から溢れる液体を丁寧に舐めとってくれる。
垂れたそれを伝って後ろの穴まで綺麗に、だ。熱く濡れた舌は触れるところ全て快感で満たされるから、困る…!

「ふぅっ…綺麗になりました」
「あぁッ…もう…こんなのやだ…恥ずかしいよ…!」
「ふふ。私に抱きついてこられてもやめてあげません。それどころか…」

ぎゅうぎゅうと腰を寄せられて、張り詰めたアレを押し付けてきた。


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