ジム | ナノ


AFTER 機嫌の悪い日 a

 



雑然としたリビングに投げ出された、海外ドラマのDVDボックス。
昨日帰ったらすぐ寧々さんを攫って寝室に押し込めたから、彼女が忘れて帰るのも無理なかった。

拾い上げて、中を少し整理して、テーブルの上に置いた。
といっても、これは寧々さんの物じゃない。
俺の仕事場の上司とやけに仲良くなって、こうやってDVDの貸し借りなんてしてる。
男からのプレゼントなんて、良くて下心があるか悪くて盗聴器が入ってるまたは…まぁとにかくろくでもないもの決まってるんだ。
そういうことを寧々さんはまるでわかってない。



こんなもの必要ないんだから捨ててしまいたい。




▽CHOCOLATE LIFE AFTER 
機嫌の悪い日(乱暴?えっち/嫉妬系)




『だろ!だろだろ!あの俳優の演技がさぁ』
「すっ…ごく!カッコ良かったです!!!」
『わかってるね寧々ちゃん、実はあれね、脚本にはないアドリブなんだよ』
「え!」

二人が話し込んでかなり時間が経ってる。
トレーニング室は俺と寧々さんとリーダーの三人だけだ。
リーダーは彼女が俺の女だと知って、こうやってちょっかいをかけてくる。
男女の友情は成り立つと二人は豪語するが…気持ちのいいものじゃない。

暇なので、残っていた雑務をこなす。
こうやって盛り上がってしまうと俺が何を言った所であの二人は聞いていない。
ため息が出そうだ。


『おっと、もうここを閉めなきゃな。二人は帰れ』
「ばいばいリーダー」
「お疲れ様です」


車を出して、夜の道を走る。
助手席では寧々さんが、うとうとしている。
このままどこかに連れ去ってしまおうか…なんて、俺がわりと本気で考えているのも気が付かないで。
彼女はそうそう危ないことなんてないと言うが、一番近い俺がこんなやましい事を考えているんだ。
そんなの信じられない。


「昴さん、怒ってますか?」
「え?」
「なんかむっつりしてますよ、いつもより」
「そうか…?気のせいだと思うが」
「そっかぁ」

何もそっかぁな事は無いんだが…。





俺のマンションに着いて、部屋の電気をつける。
途中で寄ったスーパーで買った食材を寧々さんが冷蔵庫に閉まった。
俺は彼女の服をクローゼットに掛けて、リビングのソファに腰を下ろす。
キッチンから戻ってきた寧々さんも、その横に座った。

俺はどうも苛立ちを我慢できなくて、その小さな肩に手をかけてこちらに引っ張った。


「わ、ぁ…っ昴さん!」
「んー?何だ?」ちゅう
「くすぐったいですよ!」
「…それだけか」
「えー…っと…」


ちゅうちゅう、わざと音を立てて首筋を舐めてやる。
このまま強引に抱いてしまえば…この女はどんな反応を見せるだろう。
そんな欲望に度々駆られるが今のところ自制できてる。
今日みたいな…ちょっと機嫌の悪い日は…そのタガが外れそうになるけれど。


「ちょ、っと、昴さんってば、」
「いいだろ、ヤりたいんだ」
「だって、その、…昨日も、やったから…」
「それの何が問題なんだ。俺は毎日だって…したい」
「まじですか!私にできるかなぁ…」
「ふふ、何だ、頼んだらしてくれるのか」
「いや…です!大変!」
「それは残念」


直ぐにでも俺のを入れたくて、つい服を脱がす手が乱暴になる。
全部脱がすのも面倒なので下着も一緒にまくり上げた。
形の良い胸が蛍光灯にさらされる。
寧々さんはちょっと眉間にしわを寄せて、俺に伺いを立てる。


「なんか今日、昴さん怖いよ…!」
「そんなつもりは無いんだが」
「目とか、座ってる!」
「はぁ……いいから黙ってくれ」


煩わしくなって唇を奪った。
ちょっと抵抗を見せるが、すぐに俺の腕をぎゅうっと握ってくる。
どうしてこの女はこんなにも俺を煽ってくるのだろうか。

「ひゃ…っぁ…!」

俺の舌が寧々さんの胸の先端に触れる。
舌先でちろちろと嬲ってやれば、彼女はすぐに甘い声を出した。
暫くは寧々さんが何かを求めてこっちを見るまでこのままで居ようか…。

「ぁの…っ」
「何だ?」
「…あのぉ…」
「ちゃんと言わないと駄目だ」
「…性格悪い…!ですよ!」
「なんとでも言え」
「あわ…………もっと、して」
「何を?」
「もー!」ヤダー!


もっと乳首を舐めて、吸って、ください…−
その言葉の通り実行してやるため齧り付いた。
寧々さんは背中を反らして、甘い叫びにも似た声を上げる。


「ふ…妄りがわしい女…」
「昴さんが言えって、言っ…たんじゃ、ない、です、か」
「そうだったか?」
「そう…ぁ、…っひゃぅ!」
「もしかして、実はすごく淫奔な女だったりして、な」
「な、…!?」
「だってもう濡らしてるだろ」


スカートの中に手を忍び込ませた。
汗ばんだ太ももを抜けて、下着の上からそこを爪で引っ掻く。
じゅくじゅく、音が寧々さんにも聞こえただろう。
彼女は目を泳がせた。


「これはどう説明するんだ?」
「…ぁぅ…」
「かわいこぶってないで、答えろよ」
「……」
「何だ?その目は…反抗的だな」
「やっぱり今日おかしいよ、昴さんってば!」
「あなたがそうさせたのだろう。ほら…言って。誰に何されて、こうなったか…」
「ぐぬぬ…もういい…今日はもうやんないです!」
「あ、」


流石にちょっと怒ったらしい。
俺から体を離して、ふてくされてる。
きっと本人は本気だろうが、その小さな体ではとても可愛らしいとしか感じられない。

何で怒ってるの?と俺を睨みつけるから、せっかくなので正直に答えることにした。


「あなたがリーダーとばっかり話しているから悪いんだ」
「!友達だってば!です!」
「そんなの関係ない。男は皆邪な考えを持ってる」
「リーダーは違うよ(皆に秘密にしてるけどゲイだもん)」
「な…。そこまであの男を信用しているのか」
「そういう話かなぁ…」
「とにかく…あなたは無防備すぎる。だから教えてやっているんだ」
「へ?」
「男がどれだけ卑劣で、卑陋で、あなたを貶めようといつも企んでるってことを」
「ぎゃぅ!」


たちあがった俺は、寧々さんの腕を引っ張って体を持ち上げた。
彼女の体は簡単に浮いて、もがいてる。
俺はそれを見下げて、ぞわぞわ体の奥が疼くのを、感じた。


「わ、わぁ、何!?お酒でも飲んでるの!?」
「ほら、怖いだろ男は」
「ぎゃー!怖い、怖いよ昴さん!」


寧々さんの背中を壁につけて、キスをしてやる。
足は浮かせたままなのが怖いらしい。
俺にぎゅうとしがみついて来て、なんて健気だろう。

寧々さんの下着を剥ぎとって、両足を俺の肩に乗せる。
両手も俺の首に回させた。

「わかりました、から!気をつけます!から!」
「信用出来ない」
「ひぇ…!」
「このまま入れる…そしたらいくらあなたでも危険だって分かるだろ」
「昴、さん、…が、危険…!」
「大丈夫、…痛いことはしない」


ベルトを外して、熱く滾るモノを取り出す。
先端でにゅるにゅると濡れた彼女のそこをかき回す。
そしたら素直に俺に抱きついてくる…。



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