ジム | ナノ


3a

 

土曜日



「散らかっているが、まぁ楽にしてくれ」
「はい!」
「そんなにはしゃぐな。凝ったもてなしなんかできないんだから」
「普通でいいですよ!」
「そう言ってくれると助かるが。ほら、緑茶だ」
「おいしい!」
「…今日は随分テンションが高いな。だが俺も似たようなものか」


昴さんが私の横に腰を下ろす。
あれから金曜日を挟んだ今日、私は昴さんの家にお呼ばれしていた。
本当はドライブか何かを楽しもうといった話だったけれど、急な雨で近かった昴さんの家に来たのだ。


「寧々さん、顔上げて…そう……、んん…っ」
「…ふ、ぁ…っ」


くちゅ、ちゅう−−−
唾液の弾む音が静かな部屋を汚していく。
状況にそわそわしてたのが、このキスで一発で落ち着かされた。
唇が離れて、目と目が合うと、昴さんはにやりと悪い笑みを浮かべてもう一度キスに至った。


「はぁ…っ…こんな直ぐに部屋呼んで、…俺がっついてるようにみえるか?だとしたらちょっと恥ずかしいな」
「(そんなこと言われるとこっちも恥ずかしいですよ!)」
「でも、もう一回…」
「んぅ、……ふ…」
「っ…は…っはー……寧々さん」
「はぃ…」
「部屋に入ってすぐで悪いが、ベッドに…行こう」
「わっ!」


抱きかかえられて、寝室に連れて行かれる。

「ひゃー高い!」
「怖いか?直ぐ降ろしてやるから…」


ぎしっ…−−
昴さんの膝がベッドに乗って、そのせいで軋む音がした。
優しくベッドの真ん中に仰向けで降ろされた私に、昴さんが覆いかぶさる。
彼の生唾を飲む音が妙にこの場をリアルにした。


「昴さん、あの、しゃわー…!」
「ん…このままでいい…」ちゅ
「でも、…!」
「じゃあ終わったら一緒に入ろうか…」ちぅ
「ぁ、…っんん…!」
「反応、可愛いな……首筋をこう…舐めてやれば、あなたがどんな反応をするかずっと考えてた」
「ひゃう!なっ…ぁ、…」
「普段はあんなに気の抜けた感じだが、キスしたり…ここ吸ったりしたら、随分いやらしい声を出すんだな」
「(言葉責めか!?)」
「俺に掴まって、背中を浮かせて…下着外すから」


言われるがまま、昴さんの首に腕を絡める。
ぱちりと音がしてぶかぶかになった下着が煩わしいが、昴さんはいとも容易く服も下着を剥ぎとって、サイドチェアに投げた。


「ぎゃぅ、…っ昴さん」
「やっぱり綺麗だ。真っ白で、俺とは全然色が違う。俺の手がそこに触れてるだけで、汚してるみたいだ」
「何、言って」
「…そう思うと…興奮する…」ぺろ
「っ!ぁぅ、ん…んぅ」
「ふ、…っもっと声、聞かせてくれ」


私の胸に昴さんの赤い舌が這いずりまわって、たまに跡をつけた。
ぴりっとした痛みに思わず彼の顔を見ると、いたずらっこが誤魔化してるみたいな笑みを浮かべられた。
ゆっくりと昴さんの右手が私の左胸に沈む。それから形に沿って手のひらでなぞった。


「…っ…は…ぁ…ここ…こんなに固くして」さす
「わ、ぁ…っ!」びくんっ
「ちょっと触っただけで、そんなにか?」きゅっ
「ひぁ…!昴さん、の、指が、」
「俺の指がどうしたんだ?言ってみろ」
「え、えっちだから、」
「心外だな…俺は触れただけだ。それなのに感じてるあなたのほうが、よっぽどだろう」
「っあう!…ひゃ、ぁ」
「指でこうされるの好きなのか?じゃあ舐めるのは、どうかな」ちろ
「!…〜〜〜ぁ、、んぅ!」
「っは、声になってない…」ちゅう
「ぁ、あ、…っあ…ぅ、」ぴくんっ
「…感じやすい体…誰がこんなにしたんだろうな」


とがった先端を吸われて、体を反らせてしまう。
好色な人間に思われていないだろうかと心配になるが、昴さんがひとたび舐めるとそれどころじゃなくなるくらい頭が回らなくなる。


「んん、っ…ぉかし、ぃです、こんな、」
「何が?」
「きもちいの、は、…ぁっ」
「ふ…っ誘い方も、上手い」
「っは…ぁ、っ!はぅ…ぅ!昴さん、っひぁ」
「ん?イくのか…?」
「ぅん、…っなんか、ゃ…我慢、できなぃ…!」
「あぁ、好きなだけイけばいい…」ちゅぅ
「−−っあぁ!…は…っ!あ…っぁ、ぅ…!」ぴくんっ
「んん、イッた…みたいだな」


体の痙攣が我慢できない。
気持ちよさが一気に来て、どうしようもないって時に、昴さんが深いキスをくれる。
ちゅうう、と舌を吸われながらも、腰がぴくんぴくん動いて、恥ずかしくなった。


「ぁ…っ!は…っ」
「…ふ、…胸だけでイクなんて、いやらしい女」
「そんな、昴さんが、舐めるから、!」
「あ、いや、褒めてるんだ」
「(とてもそうは思えない!よ!)」
「大丈夫か、落ち着いたか?」
「はい……たぶん」
「そうか。無理はさせたくないから、辛かったら直ぐに言ってくれ」


ちぅちぅ音を立てて、昴さんの舌が腹を腰を優しくなぞっていく。
じんわり広がる快感にまた、体がぞわぞわと疼いて仕方なくなった。


「っふふ…足をすりあわせて、どうしたんだ?」
「!ぁ、いや…ぁの」
「はぁ…っ下も、脱がしたい…」する
「わ、ぁ…っちょっ…と…!」
「…!凄い、な…ならす必要もないんじゃないか」
「(ヤー!)」
「中指…入れるな」ツプ
「!」
「どうだ?痛くないか?」
「ダイジョブ…っ」
「じゃあもう一本…いや二本…」くちゅ
「ぁ、ふ…っぅう」
「……はぁ……まだ、ナカ痙攣してるぞ…」
「んんっ!ゃあ…昴さん、あんまり、見ないで、欲しいです」
「それはできないな…だってもう釘付けになってる」
「ひゃー!」
「こんな反応されたら、すぐにでも俺のを入れたくて、たまらなくなる、だろ」
「っあ…!」
「…、舐めたい…」
「きゃ!ぁ!」


べろりと昴さんの舌が濡れた下半身を上からなぶる。
指は三本、ナカに入れられて、壁をこつこつとノックしてる。
私は何度か彼の名前を呼んで、(恥ずかしさから)やめてほしいと言うが、あんまり聞いてないみたいだ。

太ももを滑っていって、膝の側面や足にキスをされる。


「ん…やっぱ体作り…するか?」
「ふぇ…バーベル?とか…つかうやつ?」
「そう、…まぁそれだけじゃないが、腹筋とか…」
「できるかなぁ…学生時代弁論部の私に…っあ、…は…」
「できる。俺がいればな」ちゅ
「…!」ドキドキ
「けど今のままでもどこかしこも柔らかくて、気持ちが良い」
「きゃ、あ、ぁはは!くすぐったい!」
「でも体見てると…どうやって筋肉つけようかなって考えてしまう」
「っはー…っゃめて、昴さん!ぁは、」
「ふ、すまん。ちょっと意地悪かったか」ぺろ


足の指まで舐められて、私はイケないことをしている気分になる…。

またひとつ大きく息を吐いて、昴さんがシャツを脱いだ。
ぴたりと張り付いた肌着が、軽く汗を吸ってる。


「はぁ…暑…」
「わー、改めて見るとすごい…筋肉だ」
「別に凄くない。普通だ」
「(胸筋がやばい。並みの女の子よりある)」ぺたぺた
「…っ。体鍛えてる奴は、こうやって女が自分の筋肉を触ってくるのを快感に思ってる節がある」
「皆が皆そうって言うと怒られますよ!」
「じゃあ俺の周りはってことにしておく。俺も含めて、な」


ベッドに座らせた私の耳に唇を付けてちゅうちゅう吸われて、甘えられる。
求められると、普段の昴さんが想像できなくなって、違う人みたいだ。


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