ジム | ナノ


4 b


宣言通り、ゆさゆさ、ゆっくり抜き差しする…。体は昴の胸に伏せたまま、ふうふうと呼吸を乱して懸命に腰を動かした。

「んっ、ん……ぅ、昴さん、どう、ですか」
「はぁ、良い…だからもっと…」
「っふ…ぁ、ぁん……っくぅ…」

にちゅ、くちゅ、ぱちっ、
控えめな音が大きくなってくる。動いてもらうのとはまた違った快感に体を浸して、寧々は夢中になっている。
昴は愛しそうに頭を撫でた。

「顔が赤くて目も潤んで…もしかして酔ってる?俺のキスで」
「ん……はぁう…わからないです、でもぼーっとして、あ、熱いです…」
「そう…。はぁ…やたら可愛いな、あなたは」
「えぇ…っ?…あっ…はん、…はぁ」

寧々はまるで昴を押し倒しているような姿勢だ。ブラウスに隠された胸が彼の体についたり離れたりした。
一瞬自分が無理やりされているように感じて、昴はゾクゾクする。目を閉じれば勝手に動く寧々の律動がより不規則に感じられて声が出そうだ。
動かすのが億劫なほど酒の回った体を好き勝手されるのは癖になりそう…。

「はー、っはー……」
「ん…っん、ぁん…は…っ昴さん、気持ち良いですか?」
「え?あ…あぁ…いい、たまらない」
「…よかった。もっと、しますね」
「ーーうっ、ぁ…!?」

ぱちっぱちゅっぱち…ッ
さらに動きが激しくなって、すると寧々の良い部分当たるのかよりナカが狭まって…昴は歯を食いしばった。汗で張り付いた髪や服をもっと乱して、抑えきれない声を漏らす。

「は…っ!ぁ、……っ寧々さん、そんな、するな…いく…ッ」
「ど、どうぞっ…気持ち良くなって、ください…わ、私も、…んん…っはぅ、……良くて」
「く…、ナカ、きつ…」
「はうぅ…っん…ぁう、…は……ッいっちゃ……ぁう」

きゅんきゅん締め付けるナカに、あっという間に快感で染められた昴が体を強張らせた。
甘い吐息を漏らす寧々と揺れる胸を見つめて、ごくりと喉を鳴らす…。
患部は熱くて蕩けそうだ。どろり、先走りが漏れ出て、今にも欲を吐き出しそうになって昴はあることに気がついた。

「ぁっ…、寧々さん、待って、ゴム、してないから…止まってくれ、じゃないとナカで、ッ出そうだ…!」
「え…っ!?あ、わ、忘れてました…い、今、抜きます、」
「…!ちょ、待て、生って聞いて締めないでくれ…ーーそう動くと、だ、出してしまうぞ…っ」
「えっ?あ、あ…っ!?」

抜こうとした寧々の腰をがっちり掴む…が、一度タガが外れた快感は止められなくて。ナカがぎゅうぎゅう囁けば、別に動いてないのに…

「…っ!!あ……で、……でる…」
「え!…う、うそ……ッ」
「う…っ!あっーーあぁ、っは……ッ」

土壇場で根元を握って、射精を食い止める。
びくんびくんと出せないのに反応する性器を感じて寧々が体を震わせた。
がくがく腰を動かして何度も性器をビクつかせる。本当は出しながら奥を突きたいところをぐっとこらえて、寧々の顔を見た。

「危ない…」
「はぁ、びっくりしました…」
「すっかり忘れてたな、お互い」
「はい…(私まで忘れちゃうなんて…昴さんといるからといって舞い上がりすぎだよ…)」
「ゴム、つけよう。どいてくれるか」

しっかりゴムをつけたら手招きされて寧々が昴の膝に乗る。だっこの姿勢でキスしたら、彼女の手を取って自分のものに触らせた。

「ほら。ちゃんとついてるだろう」
「わざわざ触らなくてもわかります!」
「ん?そうか?」
「昴さん口が笑ってる…からかってますね?」
「ふ。…じゃあ続きをしよう」

握らされた性器はゴムをびっちり広げている。熱くて硬くてドキドキした寧々が俯いた。
腰を浮かせ、入り口を何度か先端で擦って誘惑したら腰を掴んだ昴が一気に、

「ひぅ…っ!!…あっ!あっ…」
「く…はぁっ、根元まで入った…」
「んんぅ……っひぅ…」
「はー…寸止めしたから、すぐいきそうだ…」

奥までぎっちりかき混ぜられて過呼吸な寧々だ。そこにキスされて酸素不足になる。だけどもっとしていたいから、自分からもねだるのだった。

「んっ、んっ…昴さん、ぎゅってして」
「はいはい…これで良いか?」
「はい…はぅ…ん…はぁ…」
「っ…どうした?甘えて…」
「…ん…ッすぐ動いてほしくないんで、ぎゅってしてます」
「動ける。こうしてても、ほら」
「ぁ…っ!?はぅ…!ゃっ…っ!」
「嫌か?…どうして」
「うぅ…ッはぁ、す、すぐ、いきそうなんです…だから、待って…」
「…あなたは。仕方ないな…」

抜き差しはせずぐりぐり奥をえぐる。すると取り乱した寧々がすがるようにこちらを見るのでやっぱり動きたくなった。

「動いていいか」
「んんぅ、ど、どうぞ…(もう動いてるよ…!)」
「じゃあ…」
「…ッ!ん、ぁ……っは…ひゃう」
「……ふ……っ」

ーぱちゅ、ぱちゅ…ッ
最初はゆっくり、出し入れが始まる。ナカから抜けて、押し込まれて、そうされるたびに全身びりびり快感が巡るから寧々は固く目を閉じた。

「はぁっ…はー…ッあ、あぅ、はぁっ」
「く…ッ気持ちいいのか、ナカ、すごいぞ」
「んー…っんー……っふ、ぁ、」

こくこく首を振って頷く。声にならないらしい。ちょっと動かしているだけですぐ出したくなるから昴はバツが悪そうに彼女を抱き寄せた。

「はぁっ…はあ…腰が止まらない…っ」
「ひぅ、はぅっ、はぁっ、昴さん、ゃ、…ッいく…です……っ」
「あぁ、いけばいい。遠慮してると俺のが先に出してしまうぞ」
「で、でも……っあ、……っん…」

ガクガクうごめく寧々の下半身が達することを教えてくれる。
昴は奥まで差し込んでぐりぐりと虐めてアシストした。するとすぐ寧々は限界を迎えて、

「…んっ…!!っぁ…!ぁう、…ぃく…ーーッ!!」
「く…」
「あぁ、っはぁ!ゃっ…!ん……!!あぅう…はぁ、はっ」
「ナカ、ぎゅうぎゅうだ…俺もいきそう…」
「あっ!きゃぁあ…動かないでください、昴さん…っだめ……」
「無理…止まれるわけないだろ…」

ぱちっぱちゅんっ!
故意に動かさなくても欲望に任せるだけで腰が動く!昴はがっちりと彼女の腰を体を掴んだら、奥まで差し込んで引き抜いて貫いた。
まだきゅんきゅんと囁くナカがびっくりしてより締め付ける。

「あ…っは…寧々さん、イっていいか、出したい…!」
「きゃう…っう、…ひぅ…は、はい…ッ」
「ありがとう、う…ぁ、あ…っは」
「はうう…〜〜っう、ぅ、へんになるよぉ……」
「は…っ寧々さんの声、ヤバイ、はぁ…で…る。でる…ッ…く…う…!ーーッ!は…ーーっ!!」

ーどぷっどぷ、どぷっ…ッ!
びくんびくんと反応するそれから、ゴムの中に白い液体がびゅくびゅく吐き出された!
長く何度も欲望は漏れ出て、嗚咽のような喘ぎ声が途切れ途切れに聞こえる。
寧々はいった後も質の違う快感に襲われて痺れそうだった。

「っは…!…あ…ッ!は……」
「んんっ昴さんの、まだ、びくびくしてます…」
「え…っあ、はぁ、…まだちょっと、出てる…」
「ん…これ、気持ちい…っはぁ…はぁう…」
「ふー…ふぅ……じゃあもう一回するか?」
「えっ!」
「はぁ…俺はあと3回くらいならできるが」
「(ええー!?ばけものだ…!)」
「…なんだ、その目は。あなたが誘ったんだ」

頬にキスして、首筋にも。吸われて擦り寄られてぴったりと体がくっつく。
寧々はまだアルコールの匂いが残った目の前の男の背中に手を回して時計を見た。
午前2時半。いい時間だ。
今日は朝から納品を済ませて、昼は買い出しで、夜はジムと飲み会で疲れた…。
ぐったり体を預けたら、いつのまにか眠りに落ちてしまった。




-



「はっ!……あれっ!朝…?」

寧々が目を覚ます。
辺りを見渡せば、寝室にさんさんと日が入っていた。
隣には誰もいなくて、とぼとぼ寝室を出たら台所で昴が食事を作っているのが見えた。

「おはようございます昴さん」
「あぁおはよう。今適当に昼飯作っているからあなたはくつろいでてくれ」
「やった!嬉しいな、昴さんのご飯だ!ってもうお昼ですか…私どれくらい寝ちゃったんだろ」
「まだ11時だ。健康的な睡眠時間だろう」
「ですか?まぁでも、今日は土曜日ですもんね!」

たまに台所に立つ昴の料理は味より栄養といった内訳で、なかなか簡素な味付けだったが、寧々はあまり嫌いじゃなかった。
昴のそばには近所のスーパーの袋が置いてある。朝一で買い物に行ったらしい。そこには缶ビールとチューハイが何本も入っていた。

「あぁそれは。たまには宅飲みも良いかと思ってな。寧々さんが下戸じゃないといいんだが」
「飲めます、あまり強くないですが!いいですねいいですね、早く夜にならないかなぁ」

好都合だと昴は思った。
実のところ昨夜みたいにリードされたくて買ったのだ。彼女をアルコールで潰す計画を練る自分をどうかと思ったが…考えないことにした。
昴の思惑も知らず洗面所に向かう寧々は鼻歌を歌っている。


「ねぇ昴さん今日は何をしましょうか!」
「あぁ、どうしようか」


二人の一日は始まったばかり。


end





『寧々ちゃんって料理は得意なの?』
「普通です!どうしてですか?」
『んー?リサーチ。昴と別れた後のための』
「まぁたリーダーは適当ばっか言って。…あ、リーダーも料理するんですか?」
『俺?俺はプロテインしか作れないよ』
「へぇー。トレーナーの方全員が健康食作りをされるわけじゃないんですね」
『ん?昴は健康食なんて作ってるのか?あいつらしいなぁ。どうよ、美味い?』
「ん?んふふ…」
『あー…ふふふ、なるほど。じゃあ質問を変えよう、あいつの料理、好き?』
「あまり嫌いじゃありません、です!」
『ほー。それは
好き、結構すき、どちらかというと好き、普通、あまり嫌いじゃない、そこそこ嫌い、嫌い
の中の下から三番目且つ平均以下という認識でいいのかなぁ?』
「ん?んふふ…」

と、昴を迎えにジムに来ていた寧々とリーダーが話しているのを目ざとく見つけた人間がいた。

「(今好きとか嫌いの話ししてなかったか?あいつらまた俺の知らない話をして…!)」

ぎろりと睨む昴。扉が空いたレッスン室から見える受付の前で二人が話しているのがちょうど見えた。

『やっべ、こっち見てるぞ。じゃ、寧々ちゃん俺行くからね。昴が嫉妬に狂って乱暴に抱いてきたら俺に言うんだよ』
「リーダー!ばか!ばかばか!」
『あっはっは』

「(楽しげだ…!はぁ、急にリーダー左遷されないだろうか、国外とかに。できれば東南アジアのスラム街がいい…ヨーロッパやアメリカではなく…)」


おわり

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