ジム | ナノ


AFTER4 酒に溺れて。 a




「俺は酒は飲みません」


仕事終わり、二十時半。

無理やり連れてこられた居酒屋で昴は不機嫌を隠さない。
隣では五杯目のジョッキを持った彼の上司が浮かれ気分で肴をつまむ。

『こら昴、せっかくのビールだ、飲まないと勿体無いだろ』
「リーダー、あなたは飲みすぎです」
『そうか?でもぜんっぜん足りない。酒を追加だ、お前のために冷えたエビスも頼んでやるからな!早く古いのは飲んじゃえよ』
「だから嫌なんです…飲み会」

ため息とともに愚痴を吐いても、出来上がった仕事仲間達には聞こえていないらしい。
仕方なく視線を隣に流す、すると文字通り彼女がお造りをとにかく箸でつついていた。

「あれもこれも美味しいです!」
『だろう、寧々ちゃんが好きだと思ったんだ。この薬味はなかなか珍しいからな』
「さすがリーダーです!……あ、昴さん!これ美味しいですよ!」

はしゃいでいる寧々の姿が眩しい。こんなつまらない会のどこに楽しさを見出しているのか昴には理解できなかったが、ジムから直帰するはずの自分をトレーニング終わりの寧々が付き添ってくれたことは申し訳なく思った。

「寧々さんは付いてこなくてよかったのに。この人の相手をするのは俺で充分…、って、リーダー!」
『ところでお嬢さん、俺と抜け出さない?こんなやつほっといてさ』
「わわっ!こないでください!」
『どうしてかな?俺たちは仲良しじゃないか』
「ありゃ…リーダーってば酔っ払ってますね」
『酔ってても俺は真面目だよ』
「だから!人の彼女にちょっかい出さないでくださいよ。本気で怒りますよ」

昴が睨む…がリーダーは飄々とかわして、そんな間に受けるなよと言ったらお手洗いに消えてしまった。
また昴はため息をつく。そこに寧々が寄り添った。

「守ってくれてありがとうございます、昴さん」
「もっと俺にくっついていろ。それからリーダーには気をつけてくれ。目も合わせないほうがいい」
「はーい…あ、そうだ。昴さんも飲んで良いんですよ。私、今日は運転手のつもりで来たんですから」
「しかし…」
「遠慮しないでください!お酌しますね」
「…」

目の前に差し出された日本酒。
そこまで言うなら…とおちょこに手を伸ばした。




▽chocolate Life after4
酒に溺れて。(生とゴム出し)





酒を飲むのが嫌いな訳じゃない。
彼女とリーダーが同席なのが嫌なだけで。昴の予想通り下品な言葉で絡まれては困ってしまう寧々がいた。それを見るたび酒が進んで…真夜中。

――バタン!!

昴の家、リビングのドアが勢いよく開く。
酔って加減がわからなくなった昴が体重をかけたからだ。荷物を床に置いてふらつくところをあわてて寧々が支えた。

「昴さん、大丈夫ですか?」
「ん…はぁ……っ暑い、今日はもう横になっていいか」
「もちろんです。お水、持ってきますね」

体を引きずってやっと寝室に入る。
深く吸っては吐いて、それでも呼吸は乱れたままだ。アルコールが全身に染み渡ってすぐには抜けそうにない。
昴は自分が飲んだ酒の量をまるで覚えていなかった。それでもビールにウイスキーと日本酒にカクテルをちゃんぽんしたにしては、自我を保っている方だろう。

情けなく彼女に介抱されているような予感はする…がそれ以上にも以下にも考えが及ばない。ベッドに四肢を投げ出して、こんなに飲んだのは久しぶりだと、昴は働かない頭で考えていた。

「お持ちしました。飲めますか?」
「ありがとう。でも起き上がれそうにない…飲ませてくれないか」
「じゃあ体を起こすの、手伝い…」
「そうじゃない」

ーー口移しで…飲ませてくれってことだ。
昴の申し出に目を白黒させた寧々だったが、酒に溺れた男は確かに起き上がるのもしんどそうだ。

「もう、昴さんってば。今日だけですよ?」
「あぁ。頼む」

昴の声がちょっと甘くなる。寧々は水を自分の口に含んだら、こぼさないように気をつけて彼の唇まで運んだ。

「(これでいいのかな!?)」
「寧々さん、早く…おいで」
「(は、はい)」

返事代わりに頷いて、おずおずと寧々が唇を寄せる。
キスするとやっぱり端から水が漏れて、ベットシーツにいくらか吸い込まれてしまった。水で冷やされながらも、肌や舌が触れ合う部分は熱くて変な感覚だ。

昴は汗ばんだ服を煩わしそうに引っ張るが、酔っている体ではもつれてままならない。

「ん…はぁっ…はぁ…服、脱がして」
「今日の昴さんなんか…すごくアレです、見ててドキドキします」
「なんだ、いつもはしてないのか?残念だな」
「うぐ…そうだった。してます…」
「ふ。素直でよろしい、だな。…早く、してくれ、暑くて仕方ない」
「むむむ…甘えっこさんめ…」
「なんとでも言え。脱がされたい気分なんだ」
「…じゃあ、」

寧々が戸惑いながらも柄の入ったシャツのボタンを外す。脱がせたら肌着のTシャツが露出した。それからどうしようか手を遊ばせていると、

「ベルトも取ってくれ、できるか?」
「えっ?は、はい…」

取り払って、さらに指示通りデニムボトムの前を開けたら昴が手招きした。彼の側まで近寄ると、見つめ合いながらゆっくり…キスされた。

「んんっ…はぁ、昴さん、熱い…ですよ?ぎゅってされると」
「どうだっていいだろ…それより、あなたからも舌…絡めて…」
「ふ……ぁふ…はわ…お酒の匂いで私、クラクラします」
「じゃあもっと、しようか」
「ん…んぅ…はぅ…」

ちゅ、ちゅ……ッ
舌と舌がぶつかって引っ付く。
酒が回った昴はどこかぼんやりしていて顔が赤く目が座っている。体に熱がこもっていて、抱き寄せられたら寧々まで汗ばんだ。

キスしながら昴の手は彼女の体をまさぐる。
いやらしい手つきだ。太ももの間に捻じ込まれたら、体のラインをなぞって上に移動する。それから彼女の手を取って、自分の下腹部に持っていった。
露出させてる下着を寧々にまさぐらせるから、彼女の心臓はどきんと脈打った。
性的な予感にごくりと生唾を飲み込んで昴の顔を見たら、彼の表情はヤる気たっぷりで。
寧々の胸がカッと熱くなった。

「あ、あの、昴さんってば…酔ってるんですよね?お、大きいです、けど」
「ん?ん…あなたとキスしたから、その気になってきた。…なぁ、舐めてくれないか、その可愛い口で」
「…う。うー。特別ですよ…?」

ゆっくり親指で唇をなぞられて…寧々は簡単にほだされてしまった。
胸を高鳴らせながら体を起こしたら、昴のズボンを軽く下げてずらす。
下着をちょっと持ち上げている性器を手で弄る。するとみるみる大きくなって、布の隙間から窮屈そうなのが覗けてしまう。

「焦らしているのか?…早く」
「…どきどきです…」

取り出した性器を握って舌を這わす。
竿にキスして吸ってみたら、昴の腰がビクンと動いた。

「んん、…はぁ、上手だな、」
「はぅ……んちゅ…んん…」
「なぁ、俺を見て、して…」
「んっ、は…昴さん、気持ちいですか?」
「ああ…ッくぅ…っん、ぁ…うあ、」

酒が回っているせいか、いつもよりなりふり構わず声が出ている。上目遣いで彼を見つつ、奥まで咥えこんで動かすともっとだ。そのまま舌で全体を触って、べったりつけて、なぞって、先端をいじめて。

「くっ…そんな風にされたら、…たまらない」
「よかった、です…ん…っふぅ」
「は…っぁ、先端舐めながら、後は手で扱いてくれ…」
「こうかな…えい…っ」
「うっ…あ、…そう、…はぁ…」
「(ビクビクしてる…!)」
「で、出る……、口開けて、」
「え、ぁ、はい…んん……ッ?」

昴のものから口を離して彼を見る。
ズクリと質量を増して動いている彼のものは、目の前で二、三回擦られて、先端からびゅくびゅく粘ついた欲望が飛び出した。

「ーーっう、ぁ、は…っ!く…っ!…!!」
「わ!ひゃ、…ん、…はぅ、ぁ、」

寧々はまず舌で受けて、それからすぐ口内に入れられて、舌の上で緩やかに痙攣しながら精を吐き出される。ゆるゆると腰を動かされては苦しくて仕方ない。

「んん〜…っ!けほ、けほっ」
「っは、…はぁっ、ぅぁ…あッ」

寧々の小さな口では収まりきらない白濁液は口から溢れ出る。
そしてびくんびくんと暴れている昴のが出ていったと思ったら頬から耳にかけて擦り付けられた。
ベタベタになった顔、…寧々はびっくりして彼を見た。

「はぁ…いい眺めだ。それ、飲んでくれないか」
「んん!?んぅ……っ!はぅ、」

寧々の口の中に親指を入れ、自分の出したものを触ったら口を閉じさせる。
彼女は目に涙をいっぱい溜めて首を振るが、頑張り屋の彼女はやがてゆっくり飲み込んだ。

「…本当に飲んでる。すごく、アレだな…興奮する…」
「ぁぅ……(が、がんばらなきゃ…)」
「寧々さん、ありがとう」
「んん、ぷはぅ…はぅぅ……、けほっ、けほ…!」
「苦しいか?」
「だ、大丈夫です…でも、…んんぅ…はぅ…」
「はぁ…あなたも、良くしたい…」

昴の指が彼女の秘部をなぞった。
もうどろどろの入り口に指を二本、やがて三本入れたら奥まで差し込んでゆっくりと角度をつける。

「あぁ…凄いな…」
「ふぁう、…はぅ…ぁ…だめ…」
「俺の舐めて感じたのか…すっかりいやらしい女になったなぁ、寧々さんは」
「う…(でも、そうかも…)」
「ほら。キスしながら動かされるの好きだろう」
「ん…っむぅ……んんぅ…!はぅ」

ずちゅ、ずちゅ、ぐちゅ!
淫らな音が耳までなぶる。
執拗な昴の指先が抜き差しされて、快感に震えるのもつかの間、キスに溺れる寧々は彼に抱きついた。
甘えた色したその仕草に、うっかり早く入れたくなって…昴は指を激しく動かす。するとナカはぎちぎちに締まって、寧々の腰は動いてしまうのだった。

「あぅ…はぅ、…昴さん…すっごく、気持ちいいよぉ…」
「そんな声出すな、すぐ入れたくなるだろ…」
「も、もう、したい…」
「は…、おねだりか…」

Tシャツを鬱陶しそうに脱いだら、目の前の女性の背中に手を回した。こそこそブラウスをめくったら下着だけを脱がす。
寧々は引き寄せられるままに、ベッドに寝転ぶ昴の体の上に倒れこんだ。
男の胸に耳がつく。
ドクンドクンと高なってる心臓の音と、裸の肌は熱くて、彼女は瞳を伏せた。

「寧々さん、こっちむいて」
「はぅ、…ぁ……」

ーんちゅ……っ
何度もキスを求め合う。
下着をなくした胸は服越しに昴の体にべたりと密着した。頭を撫でられながら何度も口付けて、熱い息を吐く…。

「寧々さん、俺…今酔っ払っているから…上手く動ける気がしない。あなたがリードしてくれないか」
「えっ?リードってどんなでしょう」
「自分で入れて、動いて…ってことだ」
「ええっ…!?で、できるかな…」
「できる」

言い切られても…、と寧々は目を泳がせる。

「お願いだ。寧々さんに、…されたい」
「(ずるいぞ…そんな言い方されちゃあ…)」
「寧々さん…?」
「が、頑張ります」

つぷ…………ッくちゅ…!
昴の先端が、ベッドに腕を突っ張らせている寧々の秘部を分け入った。
彼女は口を掌で覆って、目を閉じて眉を顰めている。ぶるぶる体を震わせて、ゆっくりナカに昴のを迎えた。

「ふ、ぁぅ、ッは…大きぃ、です」
「く…っ寧々さん、…はぁっ…その調子…」
「んんっ〜…!…っあ、はっ」
「ぅあ、……ッは、…奥まで、入った…。はは、どろどろだ…」
「はぅ、はぁっ、ひぅ、はぁ、」
「ふ……熱い…どうにかなりそうだ…」

昴はぼんやり呟くと寧々の胸ごしに結合部を覗いた。奥までしっかり咥えこんでいるのを見たらさらに興奮してしまう。

「寧々さん、キスしたい…」
「私も…。ん、ちゅ、んんぅ…は…」
「はぁ…大丈夫か、痛くないか?」

頬にも口付けて、昴は甘えた声を出す。動いて欲しそうに腰を動かして彼女のお尻を撫でた。

「はい…ん……ッう、ごき、ます」
「…っ頼む…」



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