ジム | ナノ


3 b

昴の手が自分のものを擦る。
慣れた手つきで先端を親指と人差し指で刺激したら、掠れた吐息が抑えられないようだ。

「ん、…悪い、一度出していいか、…我慢できない…ッ」
「え!えっと、はい…!」
「はぁっ…、――っく、……」

熱を持ったそれが震えている。
濡れた先端が寧々の体に擦られた。
下着の上から秘部をぐいぐいと刺激されて、寧々も鼓動が早まる。先走りや熱い先端が下着ごしに寧々に伝わる。
その為か、とろりと漏れ出る愛液も混ざってくちゅくちゅと鳴った。

しばらくそうしたら、そのまま下着の上に、

「っは、….あ、ぁっ、…う、〜〜ッ!」
「わっ…!」

―びゅく。びゅくっ…っ!
勢いよくドロドロの液体が飛ばされる。
布越しでも熱さが伝わってきて、寧々は身じろぎした。下着がそれを吸って、寧々の肌にぴったりとくっついている。
昴は息を乱して、寧々の肩に吸い付いた。

「…っはー…、はぁっ…んん…ッ、すまない、俺…っ」
「ええと…っ何か凄く胸がざわざわします!」
「そうか…?く…っはぁ、…汚れたな、ここ…」
「ぁ…っ、」

自分が汚した下着を、指でなぞる。じわりと液体を吸い込んだそれを指で弾くと、ぴたぴたと音が鳴った。そのものの形をしっかりなぞらえた張り付き方を見て、昴の胸も熱くなる。

「凄い眺めだ…っ俺ので、…」
「昴さん、遊ばないで、くださいっ…!」
「…、ふ…気持ち悪いだろう。脱がすぞ」

取り払った下着を運転席のシートに置く。そうして露わになったその部分に、昴の指が突き立てられた。

「あっ、あう、いきなり、指…ぃ…」
「しっかり濡らしてる。興奮したのか」
「…っ」

寧々が顔を赤くして頷く。
その姿は、普段息を潜めている昴の加虐心を誘ってしまう。ぎゅうぎゅうの隙間を縫って指が奥までたどり着いた。
擦られると身体中に電気が走ったみたいになる…と寧々が言う場所を見つけ出して、指の腹を動かした。

「きゃぁぅ!…っひゃ、ぁ、あうぅ、」
「指だけで…あなたは乱れすぎだ」
「だ、だって、昴さんが、すぐ、こんな…っ」
「そんなに良いならもう一本指を増やそうか」
「んぁ、…っあぁっ……!」

ドロドロの入り口は昴の指をすんなり受け入れる。
指でさえナカ圧迫を感じるのに、自分のを入れたらどうなるだろうと昴は思いを馳せた。
狭い車の中では寧々は逃げられない。昴のなすがまま受け入れることを強いられている。

「寧々さん、辛くないか」
「んん…大丈夫です、ぁう…っは」
「キツくなったらすぐに言ってくれ。出来るだけ対処する」
「できるだけ…?」
「…確約はできない。たとえば激しいって言われてもやめられないかもしれない」

昴の言葉に、寧々は体がゾワゾワした。
これから激しくされるのかと思うだけで、

「…。ナカが締まった。…激しくされたいのか」
「え!えっと…!」
「ふ、わかりやすいな。あなたは」
「(私ってば恥ずかしい…!)」

引き抜かれた二本の指がてらてらと光っている。
それを目の前で昴が舐めるから、羞恥心を刺激される。

「昴さんっ!」
「どうした、そんな顔して」
「だ、だって…〜〜!」
「?…、なんでもいいが、そろそろ…、」

ずっと勃ち上がったままの昴のものを、彼の手が掴んだ。
どこからともなく取り出したゴムをつける。

「あれっ、もってきてたんですか」
「たまたまだ」
「(嘘だ…わざとだ…!)」
「…っ、…はぁ……、入れていいか」

覆いかぶさって耳元で囁く昴の声が、体にじーんと響き渡る。
控えめに頷くと、さっそく先端が押し入ってきた。

「ぐ……っ、はぁ…、あ……」
「んんぅ〜…ぁう…、暑い、昴さん、」
「…、冷房強くしようか……」
「う…、がまん、できます。…奥、来てください」
「…っは、はぁ、…っわかった」

―ぐち…っ!
くぷ、くぷ、音を立てて寧々のナカに熱いものが侵入する。
昴はゆっくりと腰を進めて、ナカの感触を確かめるように抉った。この程度の冷房では二人の熱は冷ませなくて、重なる肌が汗ばむ。

「っ…夏に、車でするのは厳しいな…」

昴が辛そうに言葉を吐き捨てる。汗で浴衣が背中に張り付いて、煩わしいようだ。

「(わ、私、車でなんて初めてだ…!)」
「…はぁ、全部、入った…」
「んっ!あ、…あぁっ…、っ、」

ぐりぐり奥に押し込まれて、寧々の声がくぐもる。
蕩けきった瞳が潤んでいる。胸の先も勃ち上がっていやらしくその存在を主張している。昴が腰を打ち付けるたびに、きゃんきゃん声を漏らした。

「く…う、ぁ、はぁ、あなたは本当にここが好きだな…っ」
「ひゃっ!あっ、ああっ、昴さん…!」
「擦る度にナカが締まる…〜〜っう、…一回出して正解だった…」
「ふぁ、…あ……っまって、もっとゆっくり、して…っ」
「…っなるべく、そうする…」

ガツガツ腰を打ち付けられて、車も寧々の体も揺さぶられる。
少しは落ち着きたくて体を起こした昴が、結合部に触れた。

「一つの隙間もない。ぎちぎちだ」
「んんっ!はぁっ、わ、わわっ、指が!」

そこをベトベトにしている愛液を拭っては塗りつけた。
それから指はどんどん下におりて…、

「…!ぁ、あの、昴さん…!」
「こんなところまで垂れてる…」
「ひゃっ!わぁ、そんなところ、触らないでください!」
「そのわりに俺のものをぎゅうぎゅうに締め付けて…っ、喜んでいるみたいだが」
「ええっ!ちが、」
「指、入れてみてもいいか」

寧々が止める前にもう指が中に入っていく。
ほんの第一関節までだったが、それでも酷く圧迫感があって寧々は息が止まった。

「ひえぇ、やだ、怖いよ、昴さんっ」
「大丈夫。俺がしてるんだ、痛いことはない」
「で、でも…――っ!ゃぁ、あ、」

愛液に濡れて滑りが良くなったそこだから、中に入れるのは簡単だった。
体をこわばらせた寧々が昴の浴衣の裾を引っ張る。取り乱した寧々の体はよっぽど良い反応をみせたらしい、昴が言葉を振り絞った。

「ぐ、…ぅあ、…っはぁ、これ、凄く締まって…――う、イきそうだ…!」
「きゃ、ぁあっ、動かさないで、指っ…」
「まだ全然入り口で指を曲げただけだ、なのに…ッ」
「っあ!あぁっ!はぅ、はぁ、ゃうぅっ」

指が後ろで動く度に、思わず締め付てしまう。
そうすると昴のをより具体的に感じてしまって、――気持ちがいい。寧々は背徳感と情欲から胸を高ぶらせる。
いやだ、いやだと口からは飛び出たが実のところ、

「昴さ、ん、…気持ち、いぃ…っ!」
「…はぁ…っ後ろでも感じるのか、っ」
「んぁ、…あぁっ、ゃうぅ…――っ」
「く…、腰、動かすぞ」

―ぱちゅ、ぱちゅっ、ぱちゅっ!
出し入れがまた始まって、寧々は声にならない声が出る。
取り乱した寧々の体は酷く乱れて、昴は胸が揺れるのを思わず見つめた。

「あぅ…っぁ!ああっ、はぅ!」
「っ……、うぁ、はぁっ、く…、凄いな、」
「〜〜っ!!昴さ、ん…っ!も、もう…、むり、」
「ん…、指辛いのか。…っ抜こうか」
「やっ、やぁ、そうじゃなくって、…も、…もう」
「寧々さん…?」
「っあ、ゃぁ…ん――ッ!!」

―びくんっ!
体を反らせた寧々の、ナカがぎゅうぎゅう反応している。
びくんびくんと体の痙攣とリンクして、ナカも断続的にきゅんきゅんと蠢いた。

「う……!っぐ、ぅ、はぁ、…っ!?」
「ぁっ、ひゃ、昴さん、動くの、ゆっくり、して…」
「はぁっ、はぁ、…っぁ!あ、ぁ…っすまん、俺も…っ、」
「ひぅ…っ――ッ!」

体を前に傾けた昴が、手を寧々の顔の横に置いた。
その間にもいやらしい出し入れの音が、車の中を盛大に塗り替える。貫くような律動のあとで、

「で、出る……っ!」
「っあ、ああっ、…んんっ、きて、奥、に」
「わかってる…!寧々さん、の、ナカに……はぁ、…っは、…く――っ」

―ちゅ…っ
奪うようにキスをして、昴はそのまま一番奥で、

「きゃう…っぷは、…ん、む…ッ」
「く、ぅ…んんっ…ふ…――ぅ…う、ッ!!」

―どくっ、どくっ、どく…!!
また精を吐き出した。
絶頂の痙攣で腰を自然に打ち付けてしまう癖のある昴だ。
より深くまで入ろうとまだ奥をえぐっている。寧々はそうされる度に体中に快感が満たされて満足に動けなくなった。

「ぷぁ、は…ッ昴さん、凄い汗です」
「…ん、それはお互い様だ。…舌、出してくれ…」

―っちゅ、ちゅうぅ、…っ
精液を出し終わってもキスは終わらない。
舌が絡み合って暑いが、今となっては二人には関係のないことだった。







「お店とか見たかったです…」

しばらくの休憩の後で、昴が自分がぐちゃぐちゃにした寧々の服を着せてやっていた。寧々は残念そうに呟くので、昴の罪悪感がくすぐられる。

「まだ出ている店はあるかもしれない。今から行くか?」
「いいんです、私の本命の鮎の塩焼き屋台とジャガバター屋台はなんにせよ花火の時点でもう閉まってますから」
「そうなのか」
「あぁー…校了がもっと早く終わればなぁ…!」

その二つの屋台は、寧々の実家の近所に住むおじいちゃんが毎年出してる店だった。寧々は子ども時代から毎年そこで食べるのが通例だと言葉を続ける。

「なるほど…、来年は絶対に行こう。二人で」
「本当ですか!?嬉しい〜!凄く美味しいんですよ、ジャガイモは北海道から取り寄せてて…鮎は近くのダムでおじいちゃんが素手で…」
「と、その前に」

すっかり浴衣を着せられた寧々の肩を、完了といった意味合いで昴の腕がポンポンと叩いた。

「俺の地元の花火は八月だ」
「!」
「見に来るか?」

なにやら控えめに恭しく昴が言うので、寧々は首を傾げた。
だってそんなの…と、寧々は思う。

「行きたいに決まってます!!」
「そう、か」

無表情な昴が、ほっと胸をなでおろしたのも気がつかないくらいはしゃいだ寧々が抱きつく。
冷房は今となってはちょっと寒いくらいで、抱きついているくらいがちょうどよい温度だった。





end

―帰宅道中

「(寧々さん今下着を履いていないってことか…それで外を歩いてるのか…)」
「なんですか昴さん」
「いや…」



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