ジム | ナノ


2 b

寧々さんの体を引き寄せると、彼女の腰が俺の腹に密着する。肩を強く吸う、それから膝立ちにすると胸まで俺の唇を囁かせる。その柔らかな肌に吸い付くたびに赤い痕が残った。

「ぁっ…、んぅ、ぁん…!」
「はぁ…っいい色になってる…、ん…」
「きゃぁ、う!」
「あなたは本当にここが弱いな」
「うーん。昴さんが上手なのかな?」
「嬉しいことを言ってくれる…」

舌先で弄ぶ、ゆっくりと奥に乳首を押し込む。それだけで寧々さんは堪らないらしい。どうせもう濡れてるのだろう。

身体が熱く触れ合うたびに俺の激情は増していく。ズボンの中に押し込められている俺のものが訴えかけている。ずくりと質量を増している俺のは情けないほど興奮していて、じんじんと痛むから俺の理性は吹き飛びそうだ。

ああこんなに愛しているのに。

今すぐめちゃくちゃに犯したいなんて。

そんな意思を持った手が寧々さんの秘部へと忍びよった。

「はぅ…っ、ぁ、そ、そこは」
「なにか触られると問題があるのか」
「ぅあ、ぅ…っその…」
「ふ、下着が湿っている。いやらしい」
「(あわー!)」

俺はソファから降りて、寧々さんの濡れたこの場所に顔を近づけた。太ももに伝った愛液を舐める。それから、その上も…。

「ぁ、あぅ、昴さん、恥ずかしいです!」
「そうか…、でもここがひくついてる。これはどう説明するんだ?」
「ん…ッ――それは…」
「舐めても舐めても、奥から溢れてきている…」
「あぅ、ゃ、言わないでください」
「指もほら」
「――――っぁ…!」
「こんな簡単に入った…、三本も」
「ぃ…っんぁ、あ…っ」

指を入れたままちょっと上の…例の場所に口付けた。すると寧々さんは高い声が抑えられない。はぁ、はぁと呼吸を荒くしてその涙目を俺に向けた。

「ナカ、すごく締まっている…気持ちがいいのか?」
「言わ、なくても、わかってますよ、ね…っ」
「まぁな。でも聞きたいだろ」
「んゃあ!ぁう…!はぁ…っ良い…、です、気持ちが…いい…」
「ふ、よく出来たな」
「――っ!んんん!ぅ…っ」
「ご褒美にイかせてやろう」

―ちゅうう…ッ
淫靡な音をたてて強く吸う…するともうドロドロの中を痙攣させて寧々さんがびくんっと身体をはねさせた。

「ぅあ……っ!はぁっ…!あ!」
「盛大にイったな」
「はっ、はぅ、はぁ、ぁ…」
「…。大丈夫か?」
「はぁっ、はひ、はい…っ」
「あまりそうは見えないが…。でも、悪い…」

こんな姿を見せられて、理性的でいられるわけがない。浅ましくも欲望に膨れた俺のものをいったばかりのこの場所に擦った。

「…寧々さん…」
「ん…、あぅ、待って、はぁ、はぅ」
「待てない…、」
「ぁ、ぁ!昴さん…ッ!」
「…く…、っは、……」

くちゅ、とゆっくり音を立てて俺の切っ先が徐々に奥へ入った。いったばかりで快感に目を潤ませている寧々さんが、また余裕をなくす。

「て、いうか、…ゴム……!」
「……は、バレたか」
「またですか!?駄目、ですよ!…昴さんっ!」
「大丈夫、ナカで出さないから…」
「ちょ、っと…、ひゃ!ぁっ!」

―ズン…ッ!
奥まで一気に押しこんだ。すると寧々さんは顔を歪めて俺の服を引っ張った。抵抗を見せるがナカはこれ以上ないくらい蕩けていて、締まっていて、感じている。一度生でしてからというものの、ずっとこうしたくなって、俺はこんな機会を待っていた。

「ん!んんっ!昴さん…っ!」
「ぎゅうぎゅうだ。それなのに何故駄目なんだ。いつもよりイイように見える」
「だって!そりゃ、…!」
「出来るのが嫌か」
「え、…っと、」
「俺は一向に構わない…」

あなたを愛してるから。
そう言葉を続けると寧々さんは眉を下げた。
でも何が困ることがあるだろう。
俺を好きなら。いつもあなたが言うように、本当に俺を好きなのであれば。
…嫌なことなど何もないのに。

奥まで俺のでいっぱいにしたら暫くは動かないでやる。俺的にはきついが、そのほうが寧々さんは気持ちがいいようだ。今回は返事を待つがごとく、彼女を見下ろした。

「あなたは俺を好きなのだろう。なら何も問題がない。それに教えてくれるんだろう、どれくらい俺を好きか…」
「…昴さん、」
「それとも嘘をついていたのか。あなたの好きはその程度か」
「うぅ、それとこれとは…違うよ…!」
「何も違わない。何も…」

早く続きの言葉が欲しい。
出来れば肯定の言葉がいい。
不安でどうにかなりそうなんだ。
こうやって愛し合ったって、体だけじゃとてもじゃないがわかりあえない。

「…、何が言ってくれ。あんまり持たない」
「昴さん、何か…落ち込んでる?」
「…え?…いや。だとしたら、あなたが返事をくれないからだ」
「ひゃあ!」

ゆっくり動く。
奥をぐいぐい刺激する。
それだけで寧々さんの体は淫らにも快感に震える。暫くいい場所を抉ってやれば頭が回らなくなっていくだろう。それに乗じて、このまましてしまおう。

「ぁ!…っあ、んぅ、ひゃう…!」
「だらしのない声だ。そんなにイイのか」
「あうぅ…!昴、さぁん…!」
「やめて欲しいか」
「ん、んん!」コクコク
「気持ちがいいから…?」

本気でいつもより締まっている気がする。そう思い当たると自然に腰の動きが早まってしまう。
寧々さんが抵抗を見せながらも俺の攻めに耐えている。俺はいけないことをしている…それがまた興奮させるから始末に負えない。ガチガチに硬くなった俺のから漏れる先走りで、もう既に……あぁ、そう思うだけで、俺は…。

「く…っ、は、はぁっ…、寧々さん、」
「きゃ…、ゃぁ、あ!」
「すまん、本気で…っ、止まらない」
「昴さん、…っ、ぎゅっ、て、して、」
「…!あ、あぁ…」

覆い被さるようにして、寧々さんの上半身を抱き寄せる。体が密着すると暑さがより際立って、脳まで焼けそうだ。

「ふ、なんだ、許してくれたのか」
「はぁ、…っぁ、違いますっ、でも、こうしないと、」
「…」
「昴さんに顔、見られながらすると、すぐ、イっちゃう…から」
「…、なんだそれは」

俺は呆れた声を作るが、その言葉で俺のがさらに大きくなる…。こうしてうまい具合に俺を煽った結果が今の状況だって寧々さんはわかってないみたいだ。俺こそそんな寧々さんの言葉ひとつで、

「く、……っは、ぁ、あ」
「!ぁ、あん!ゃぁ!激し…っ、」
「…そのほうが、好きだろ…」
「ひぇ、え、だめ、駄目です、」
「駄目って言われると、もっとしたくなるぞ…」
「え!あ!…っ――!ゃ、…っ!」
「んん…、はぁ……、出そうだ…」

全身に広がる快楽にのまれる。
今すぐにでも俺のは欲を吐き出しそうだ。
寧々さんの体がびくんと動く。こんなことになっても寧々さんはよがって俺を求めてくるっていう確信…いや盲信、思い込みがあった。事実その通り俺の体に腕を回して抱きついてくる女の姿があった。愛を確かめるなんてこれだけで充分のはずなのに、まだまだ足りないのはどうしてだろう。
そして俺はそんな彼女の好意につけこんで、こんなことをしている。

「ぅ、あ、…っは、…寧々さん、もう、出る…」
「!ゃ、んん!どうしよ、気持ちよくって、私も、…っ!」
「だから、腕を離してくれ、じゃないと、」
「ぁう、でも、むり、力抜けない、です、…―っん!」
「…っ!く、…――っ!はぁ、おい、今、イってる、だろう、……そんなされるとナカで出る…」
「ひうぅ…―!だって…―!」

寧々さんの体はいやらしく。それに俺がゆっくりと開発してやったから、どこもかしこも気持ちいいらしい。俺の服をぎゅっと引っ張って、快感を逃してる。それがまるで求められているようだ。

「ひぁ、う、…昴さん…――!」
「…ふ…、っは、ぁ、…俺も、…ヤバい…」
「あぁ…、はぅ、はぁっ、…ッ!」
「イく…」

ちょっと寧々さんの力が抜けたのを見計らって、やっと俺のを抜くと、びゅくびゅく飛ぶ白い液体が彼女やソファにかかった。それから荒い呼吸に合わせるようにどろりと溢れ、糸を引いて先端から根元まで流れる。

「はぅ、ぅ、昴さん…っ!」
「っ…なぁ…キスしてもいいか…」
「…?いつもは聞かないのに」

だったら返事を待たずにキスをしよう。それが甘く痺れる色をしているのはきっと、なんだかんだで俺が外で出したからだろう。先ほどの緊張とは打って変わってホッとした様子の寧々さんだ。

あぁ俺はそれも気に入らない。





ソファに飛んだ俺のをティッシュで拭う。
一度吐き出してしまえば自責の念で押し潰されそうになる。

寧々さんの声が体がその全てが、俺を駄目にしていく。
きっと彼女も驚いたに違いない。蓋を開けたらこんな男なのだから。

でも俺は、俺という人間はいつもこうで。

結局自分のことばかりだ。
今だって適当な理由をつけて彼女を困らせ、生でヤりたいというだけのことなのだ。


ソファに座ってくったりと力が抜けた彼女は目を閉じてる。忙しい仕事の終わりにすることじゃなかった。多分このまま眠ってしまうくらい疲れているだろう。
そんな寧々さんを見ながらも、俺は彼女の濡れた唇に心を騒つかせていた。

「昴さん」
「起きていたか。…眠ったほうがいい……俺はここを片したら出て行くから…」
「んん?あれ、今日は泊まっていくんじゃないんですか」
「…、あぁ、だが…」
「むむむ…、気にするならこんなことしないでください」
「悪い…」
「許しません!」

とか言いながら寧々さんが俺に両手を伸ばす。

「…なんだ?」
「運んでください!ベッドまで」
「怒ってないのか?」
「怒っています。だからこき使ってるんです」
「なるほど…?」

連れてきた時と同じように姫だっこで寝室まで運ぶ。多分これを気に入ってる寧々さんだ。ベッドの上に降ろすと、俺も入れと招かれた。

「ずっと頼んでみたかったんですけど、腕枕をしてください」
「…。そんなのしたことがないぞ」
「駄目ですか?」
「別に構わない」

指示通りに腕を伸ばすと、寧々さんが頭を預けてきた。彼女はわりと満足気だ。

「ふふふ…はぁ…」
「こういうのが好きなのか?意外…でもないか」
「あの、昴さん」
「…?」
「好き…です。とっても。こちらこそ昴さんが思ってる以上に、きっと」
「…そうだろうか」
「だってさっきのこと、怒りたいけど…」

寧々さんが言葉を詰まらせる。

「(昴さん、ずっと落ち込んでるみたいだし…。
 何かあったのかな…。いつも何も言ってくれないけど)」

俺の顔を見て彼女は困り顔のまま笑った。

「怒りたいけど!なんだかんだ許しちゃおうって思うんですから」
「な…寧々さん、あなたは……」
「むう…参ったなぁ」

参るのは俺のほうだ。
こうして許してもらうことでおれはあなたの愛情を確認しているんだ。だから、そんな優しくされたら、俺は味をしめてしまうから…参る。

やがてすやすや寝息を立てる寧々さんを眺めて、彼女がやはり疲れていたことを再認識した。痺れる腕も関係ない。目の前の人が愛しくてたまらない…。甘い彼女の言葉を反芻する。こうして俺は深みに嵌っていく。

俺は考える。

どうすれば寧々さんは一生俺のそばにいてくれるだろう。
どうすれば彼女は一生俺を愛してくれるだろう。
どうすれば…彼女をここに、閉じ込めておけるだろう…。


そうして眠りにつく頃には、俺はあのスポーツ新聞の記事なんて忘れているのだった。






END





『昴って重たそう。寧々ちゃんってそんなお前と付き合うなんて凄いなぁ…』
「あぁ…なら俺とリーダーは真反対ですね」
『あれ…今俺、巧妙に馬鹿にされた…?めちゃくちゃ軽い男だと…!』
「まさか。休憩終わりましょう。仕事です、リーダー」
『おう…?あれ?』


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