せーとかい | ナノ




*新人生徒会役員のススメ1




「会長様!僕を男にしてください!」


「誰だ君は。童貞か?」


「へ…どうてい…?

…ぁ! 

えっと、その、は、

恥ずかしい…っ!!!」カァァ



少年は顔を真赤にして、それを隠すように手で覆うと、生徒会室を飛び出た。
残された会長と、駆け出し生徒会役員兼柔道部主将浅井は顔を見合わせる。


「何だったのだ、あいつは」
「あー…。あれは1年の奏って奴だ。
この間柔道部にも来て俺に同じ事言ってきたんだよ。
ま、あんなひ弱なやつ、柔道部には入れられんがな」
「なるほど…うーむ、ショタか。可愛いな」
「あ?」ギョッ





*新人生徒会役員のススメ
 いじめられっ子編





「奏くん。男になりたいとはどういうことだ?」
「僕、イジメにあっているんです…」
「なんと」

奏を校内放送で呼び出して連れ戻し話を聞くと、彼は言葉を選びながら思いの丈を話した。
同じクラスの男女数人に誂われたり、物を隠されたり、悪口…そんなありきたりなものから、ある意味ありきたりなものまで。


「はぁ?性的イジメだぁ?」
「…ぅ…」
「エロ漫画じゃねーか。どんなことをされるんだよ」
「浅井くん、凄むな。…君、ゆっくりで良い。話してくれないか」
「さ、最初は、女子トイレに入れって命令されて、個室に閉じ込められて、上から水を掛けられました。暫くはそんな感じだったんですけど、だんだんエスカレートしてきて…」
「酷いな…。こんな可愛い子をそんな目に合わせる鬼畜がいるとは」
「(どの口が言ってんだ?)」
「会長…可愛いだなんて…」かぁ…
「…ふむ」


会長は奏の顔をまじまじと見る。
なるほど苛めたくなる顔をしている、と思った。
目にかかるくらい長い前髪の下には、大きな瞳が見え隠れしている。
唇なんか控えめなピンク色で、小さな顔と相まって少女のようだ。
身長は160くらいの小柄で、声変わりだってまだらしい。
成長途中とは言え、中学生くらいに見える。


「それで?エスカレートって、具体的にどんなことをされたんだよ」
「…これ、見てください」


するすると奏が自分のカーディガン、シャツを脱ぐ。
露出した白い肌に驚くのも束の間、体に出来た無数の痣と、落書きに二人は息を呑んだ。


「うわ…エグ…」
「全部その男女グループにされたのか?」
「ほとんどは、そうです。
けど、これは3年の先輩で、こっちは駅で会った知らないおじさん…こっちは」
「待て待て待て。知らないおじさんだと?学校外からもそんな事されてんのかよ」
「僕、毎日駅でおじさんとかお姉さんにその…」
「痴漢か。毎日とは、多分ターゲットにされているんだろう。痴漢仲間のネットワークにカモだと広まっているんだな」
「…僕、男になりたいんです。
会長様みたいに強ければ痴漢だって返り討ちにできるでしょう?
浅井先輩みたいに強ければイジメなんてなくなるって思うんです!」


爛々と目を輝かせる後輩に浅井は気の毒になる。
会長が奏を見つめて、安心しろ、と微笑んだ。


「私にもっと早く相談するべきだったな。明日からイジメはなくなるだろう」
「え…?」
「それと痴漢の方もな。よかったじゃねーか、奏」
「そんな事出来るんですか!?」
「当たり前だ。生徒会長が何のために存在すると思う。君みたいな生徒を守るためだよ。」
「あ、ありがとうございます!」
「ふふ、そんなに喜ぶな。…奏くん、体の落書きを落としてやろう」
「あぁ。ほれ、濡れタオルだ。お前も自分でも落とせ」
「え、そんな、悪いです!僕一人で…」
「人を頼るのも大事だぞ。ちょっと冷たいが我慢しなさい」


奏を大きいソファの真ん中にちょこんと座らせて、両サイドから体の落書きを落とす。


「油性じゃねぇか。全然取れねぇ…」グシグシ
「ゃっ!痛い、です…っ!」
「…あ、すまん」ぐし…
「淫乱、公衆トイレ、テイクフリー…酷い言葉だ。
 …おっと、乳首の周りまで落書きが…拭くぞ」サス
「ひゃっ!…ぁ、」
「む?」さすさすさす
「あぅぅ…、駄目です、そこ、さわるの…」
「おい会長さん、わざとだろ、やめてやれ」
「ふふ、バレたか。すまないな、奏くん」
「ぁう…っはぁ、大丈夫です」


会長の指が、奏のピンクの突起に触れるだけで、彼の体がびくんっと反応する。
顔をかーっと真赤にさせて、涙を浮かべて、奏は会長を見た。
加害者は会長なのに、その目線は助けてほしいというような懇願する瞳で。
会長は彼をここまで追いやった人間の気持ちが分かる気がした。


「君はそんなではいつまでたってもターゲットのままだぞ」
「へ…」
「人を誘う目をしている。無意識かもしれないが、理性を剥ぎ取るほど強力だ」
「ぁの…ぼ、僕、どうすればターゲットにならずに済みますか」
「それだ」
「え?」
「もし私が悪いやつだったらどうするのだ。
えっちなことをすればいいよとか言われたらどうする気だ。やるのか?」
「あぅ、えっと、その、あの、」かぁ
「はぁ…照れ方もなんというか…。可愛いな!」がばっ
「ひゃ、会長さま、抱きつかないでくださいぃ…っ」


ぎゅう、と奏を抱きしめる会長に、奏はどきどきする。

「すげーなお前。そうやって加害者を増やしてきたんだな」
「ぁ、浅井先輩、会長様を、どうにかしてくださいっ」
「私を拒絶するのかー!」さわさわさわ
「きゃー!あはははは、くすぐらないでくださいぃ!」
「女が二人いるみてぇだ…はぁ。
 会長、そこら辺にしておけ。そのままこいつを襲う気か?」
「馬鹿め!私がそんな事するように見えるか!」
「俺に対してシタことを忘れたとは言わせねぇぞ…。ほら、こいつから離れろ!」ぐいっ
「わっ、浅井くん、引っ張るな!」ぎゅっ
「きゃー、かいちょーさま、そんな、抱きつかれると、あぁ、胸がっ」
「浅井くんが私を引っ張るから!」ぎゅうう
「だから、会長、こいつが困ってんだろうが!」ぎゅうう
「痛い、痛いぞ浅井くん!」
「ぁ、あ、ふたりとも、やめてください、僕、ぼく…っ」
「む?」
「あ?あ!」


ーどたんっ


ふー、ふーと息を荒げる奏に思わず会長の抱きつく手が緩まる。
引っ張ってた浅井の力はそのままで、二人は床に倒れ込んだ。


「奏くん?」
「な、なんでもない、です。あの、」
「どうしたのだ、それは…」
「ぅ…」


会長の視線の先には、奏のスラックスを持ち上げる何かの存在があった。
奏は俯いて、そこを隠すように自分の手がカーディガンを引っ張る。


「…か、かいちょうさまが、その、抱きつくから…」
「え、どうしたんだ?うわっ!どうしたんだそれ!
 すげぇ巨こ「可愛い!!!」」がばっ
「ひゃっ!か、かいちょうさまぁ、やめてください、また、抱きつかれると」
「可愛いな君は、可愛いな!」なでなでなで
「ぁっ、っはぁ、やだぁ…っあ!」
「頭撫でられても感じるのか?可愛い」なでなでなで
「ぁん、っは、耳元で話さないでくださいっ、…んっ」
「乳首もこんな、尖って…」かりっ
「っあ!あ、だめ、かいちょ、さま…っ」
「んー?何が駄目なんだ?気持ちいいからか?」
「ぁ、そんな、ちくび…触られると、いっちゃうぅ…っ」
「へぇ、ここですぐいくほど開発されているのか。厭らしい…」さわさわ
「ひぅ…っ、本当、だめですぅ…きもちぃ…っ」
「ん?そんなに息を乱して、体を熱くして、私の指がそんなにいいのか?」
「ぁん、っはぁ、っん、ぅ、〜〜っ!!」


奏が首を振る。
カーディガンを抑える指には力が入る。
歯を食いしばって快感に耐える姿に、会長はくらくらした。


「ゃ、…も、ぅ、だめぇ…っは…はぁ、はぁっ」
「イキそうか?ん?」ちゅう
「んんっ…耳、らめ、っあ、あ、ああっ!!!」


ーびくんっ


じわりと下着やスラックスを汚すモノに、奏は我に返る。
けれど、快感はもう全身に回っていて、その甘い感覚に身を預けるしかなかった。


「すっげ…」
「本当にいくとは…逸材だ…」
「はーっ…はー…、…っん、ふ…」
「すまないな奏くん。君があまりに可愛いから、つい…ついな…」
「あ、こっちこそ、…こんな所で、いって、すみません…っ」
「な!」どきーん
「きゃっ!」
「可愛いかわいい!」なでなで
「っは、ぁっ、あっ」
「無限ループじゃねぇか…おい、会長、離れろよ!」ぐいっ
「む・・・」
「はー…はー…っは、浅井先輩、ありがとうございます」
「こっちは謝られる事も感謝されるような事もしてねぇよ。
 お前はもう帰れ。こいつにやられたくねぇだろ」
「なんと、失礼な!私がそんな事するように見えるか!」
「(見える)」


ふぅふぅと息を吐いて会長を見つめる奏が、照れくさそうに彼女の制服の裾を握る。
その甘えた男の仕草に、会長は決心した。


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