せーとかい | ナノ








「しかし君は問題児だな。そんな感じやすい体じゃ、普通に学校生活をおくるのも大変だろう。そこで提案なのだが、生徒会に入らないか」

「ふぇ…!」
「はぁ?」

二人の男が驚きの声をあげる。会長はにやりと口角を上げた。

「生徒会なら浅井くんもいるし、精神的にも肉体的にも鍛え上がることまちがいなしだ。
 私も君みたいな可愛らしい部下なら是非来て欲しいな」
「い…いいんですか!僕なんかが」
「もちろんだ」
「僕、一生懸命会長様のお役に立てるように努めます!」
「そうか!私は大歓迎だぞ!」
「おいおい勝手に話を進めるなよ!
 奏、お前今この女に無理矢理いかされたんだぞ!?」
「それは、僕が…勃っちゃった、から、会長はむしろ、その…」
「見ろ、いかした相手に感謝されたぞ」
「見ろ、じゃねぇよ!じゃあお前、会長とやんのかよ?あぁ?」
「え!あの!そんな!恐れ多い…っでも、会長様が、望むなら…」かぁぁ
「ほう…」
「おい!会長さんよ!」ぐいっ
「む?」



浅井が会長を引っ張って部屋の隅に移動する。
乱暴に彼女を壁に追いやると、壁に手をついて逃げられなくした。



「本当にアイツを入れんのかよ」
「彼としても人手不足の生徒会としても良いことしかないように思えるが」
「…じゃああいつとやんのかよ」
「それは場合によるが…。なんだ?浅井くんらしくない。何がそんなに嫌なんだ?」
「別に嫌じゃない。ただ…、ただもっとよく考えたほうが良いと思っただけだ」
「もしかして、妬いているのか」
「あぁ!?」


浅井が怖い声を出す。
しかし会長はどこ吹く風で、浅井の睨みつける目を、たしなめた。


「君も可愛いところがあるな。さすが私が見込んだ男だ」
「お前は!俺が好きなんだろ?じゃあ言うこと聞けよ…」
「む?しかし生徒会の利益になる案件だぞ。
さすがに君の願いでもちゃんとした理由がなければ同意しかねる」
「本当頑固な女だな。俺がやめろって言ってるんだ、それだけで理由になるだろ。
 …それに、今日は俺の日…だろ…」
「なんと…我儘な構成員くんだ。
生徒会は私の私利私欲の為に存在しているのではない。学校の未来を担う重要な機関だ。
だから私は常に生徒会と共にある。私の感情ごとな。先代がそうだったように、これからもだ。それとも…わざと私を困らせて教育して欲しいのか?」
「…!」


教育、の言葉に浅井の体が熱くなる。
過去あった様々なことが思い出されて、一瞬で淫らなスイッチが入ったのだ。



そんな浅井を無視して、会長が部屋中央のソファに座る。


「…奏くん、生徒会は君を歓迎するよ。
 暫くは見習いとして雑用係を頼まれてくれないか。
 私も最初はそこからだったのだ。勉強になると思うぞ」
「あ…!ありがとうございます!」
「公務中はメイド服を着ることを義務付けるが、大丈夫か?」
「もちろんです!う、嬉しい…すこしでも会長様のお役に立てるように頑張ります!」
「えーと、あの引き出しに私が来ていたメイド服がある。浅井くん、取ってくれないか」
「はぁ…ほら、これだろ」
「そうだそうだ。浅井くん、一緒に着せるぞ。ついでに体に付いた精液も拭いてやろう。下着は汚れてしまったから脱いでおけ」キセキセ
「あ…恥ずかしい…」かぁぁ
「よく似あってるじゃないか!なぁ、浅井くん」
「あー」オンナミテーダ
「なんだ、まだ拗ねているのか」
「べつに…」


悪態をつきながら男が足を放り出してどっかりとソファに座る。
バツが悪そうな浅井を、実際の所会長は面白く思う。
出会いから考えると随分寛大になった彼の態度は、可愛らしいとさえ思わせた。


「さて、奏くん私の隣に座ってくれ」
「はい…!」ぴょこ
「あーかわいいかわいい」ナデナデナデ
「あうう、か、会長さ、ま!」
「本当、可愛い…君に乱暴にした者共は本当に最低だな」
「可愛いだなんて…」かぁ
「そうやって頬を染めるのも、初々しくて…そそるな」
「わっ」


会長が奏のおでこにキスをした。
それだけで、奏は顔を真赤にして恥じらう。

「奏くん。冒頭通り…私が君を男にしてやろう」

会長の声の気迫に、奏の体がぞわりと疼く。

「か、会長、さま…」
「ん?何だ?」
「駄目です、あんまり、からかわないでください。ドキドキ、する…」
「この可愛さ…見てみろ浅井くん!可愛くないか?」
「男に可愛いとかなくね?」
「君は怖いな、厳ついし。それに比べて君は!愛らしい!まさに愛されるために生まれてきたんだな!」
「ぼ、僕なんて!そんなわけないです!恐れ多い、です…」
「むぅ…どうしてそんなに卑屈になったんだろうな」
「本当、僕なんか…」
「人間は、誰しも愛されるため生まれてくるらしい。もちろん君もだ」
「…会長様、…僕…」
「君は今からめいいっぱい幸せになるんだよ。それこそ君を貶めた奴らへの復讐になると思わないか」
「…嬉しい、です。そこまで、僕のこと…考えてくれるなんて」

奏が会長に抱きついた。
顔を体に押し付けるので、おそらく涙ぐんでしまったのだろう。
それを会長はとても痛ましく思って、抱き寄せた。

「ぁ、う…。今、僕、幸せです」
「そうか…じゃあ暫くこうしていようか」
「会長さま…、キス、して下さい」
「ん?わかった…」

ちゅ…
触れるだけのキス、のつもりが、奏が蕩けた顔で会長に求めるので、2度、3度、回数が増え、どんどん深いキスになる。

会長がやっと唇を離すと、奏が潤んだ瞳を彼女に向けた。会長は、ぞわりと、胸が熱くなるのを感じた。思わずまた口付けをする。奏が会長の背中に伸ばした腕が、強くなる。

「ぁ、ぅ…っ会長さま、僕…離れたくない、です」
「そうか。まいったな…、私まで、どきどきしてきた…っ」
「お、おい、…お前ら…」
「なんだ浅井くん」
「お前会長から離れろよ、何どさくさに紛れて抱きついてんだ」
「え、だって…」ぎぅっ

「こらこら。奏くんが怖がっているだろう」
「お前も男だったら女に頼ってないで自力で何とかしろよ!」
「きゃっ」


奏の細い腕が浅井によってひねられる。


「あ、あ…!ごめんなさい!ごめんなさい」
「やめろ。いくら浅井くんとはいえ許さんぞ」
「…何でだよ、会長」
「君の我儘には耐えかねる。少し懲らしめないといけないな。君は今日は手を出すな。いいな?」
「…はぁ?そんな…わけわかんねぇけど?」
「あわわわわわ」プルプル
「大丈夫か?よしよし、私が慰めてあげよう」
「あ…っんぅ…!かいちょ…さま…」


会長が奏の首筋に吸い付く。
敏感に反応を見せる彼の体は震え、さらにぎゅっと会長の服を引っ張った。


「はぅ、…っは…はふ…」
「どこもかしこも敏感で、心配になるな」ちゅう
「んゃぁ…!」


奏が顔をそむける。
腕で真っ赤になった顔を隠したいらしく口元に当てた右腕を、会長がやんわりほどいた。


「恥ずかしがることはない、顔が見たいんだ」
「ぅ…!はい…」
「せっかく着せたが脱がせるぞ」
「んん…っ」


奏の背中のジッパーをゆっくり下ろす。
会長の吐息が耳にかかって、彼の体がぴくりと動く。
背中に直に触れた会長の手が存外冷たくて、声が出た。


「君は体温が高いな」
「そ、うですか?」
「うん…。おっと奏くん…ここ、」きゅう
「んゃっ、…ぁ、」
「反応してる」
「あ、…ぅ、…っは、ずかし…、っん!」


会長が奏の反応した部分を、メイド服の上から握りこむ。


「君は男の子なのに、こんな服を着て、しかも下着も履いてないなんて」
「んぅ、ぅ…っごめんな、さぃ、僕っ…」
「謝る必要はない、褒めているんだ。すごくヤラシイ…」
「っあ!…ん、んんっ…」
「どうしてこうなったのか言ってごらん」
「…っ会長様、と、一緒にいるから、その」
「私と…?」さすさす
「ゃぁぅ…、服の…っ上から、こすっちゃ、やぁ…!」
「む…そうか」ぱっ
「ぁうう…っ」


シミが出来たメイド服に、奏は申し訳なく思う。



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