せーとかい | ナノ







「会長さま、できれば…もういちどキスをしてください」
「ん?わかった…口を開けろ」
「ぁ、ふ…っ…」
「んん…柔らかいな…」
「ぅう…っふぅ、…会長様」
「そんな目で見つめるな、どうにかなりそうだ…」
「もっと…」


ーくちゅ…
唾液の絡まる音がする。
奏の体の力が抜けて、柔く会長の服を引っ張るだけだ。

「会長様、僕…。はぁ…どきどきして…、駄目…」
「(うわ可愛い)」
「だから、顔、見ないで下さい、多分…真っ赤だから…」
「そんなこと気にする必要はない。頭をなでてやろう」
「んっ…、会長様、…」
「おっと…耳を吸うな、くすぐったい」
「あふ…、んぅ、ちゅ…っ」
「っは…奏くん…」

奏の小さな手がシャツの上から会長の胸を弄る。

「僕ばっかり、気持よくて…そんなの駄目、だから。
 会長様も気持ちよくなってください」
「なんと健気な…」
「服、脱がしていいですか」
「あぁ」

するするシャツがはだけて、会長の胸が露出する。
奏はそこに唇を付けて、ゆっくりと舌をはわした。

「ん…なかなか慣れてるじゃないか。君の闇は深そうだ…」
「舐めるくらいしか、出来ない、ですけど、」
「一生懸命なのがまた、いいな」
「ん…ちゅ…どうですか…!」
「は…っあ…ん、いいぞ」
「んん、んむ・・・っ」
「…、…」
「会長様、肩で呼吸してる。気持ちが良いんですか?」
「あぁ…、…っ」
「かわいい、です、もっと…したい」
「ん、…!」

会長が目を閉じる。
ちうちうと自身の胸を愛撫する奏の舌は熱くて、みだらなスイッチが入る…。

それを見ていた、向かいに座る浅井が野次る。

「会長さん、何感じてんだよ」
「ぁ…っ…はぁ、は…っ浅井くん、」
「けっど…そんなんじゃもの足りねーだろ?」
「!会長様、…そうなんですか?」
「はぁ…っん、…いやそんなことはないが…」
「やっぱ俺じゃねーと、駄目だろ」

おもむろにたちあがった浅井が会長と奏をソファの端へ詰めさせる。
会長を後ろから抱きかかえるように自分に背中を預けさせた。

「こら…、君はお仕置き中だぞ」
「もう充分ってくらい、イライラさせられたって…」
「んっ!ぁ、浅井くん!」
「おい奏、よーく見とけ…、この女は俺じゃねーと感じねぇから」
「っあ!ぅ、ちょっと、待て、浅井くん!っあぅ…!」
「わ…っ、会長、さま、凄い声…」


浅井の舌が首筋をなぞって、キスマークを付ける。
びくりと体を反応させる会長はどことなくさっきより感じているみたいだ。

「っは、浅井くん、そんな、するな、…」
「とか言って、全然本気で嫌がって無いだろ?その証拠に、ほら」
「う!…あ、浅井、くん、胸をつねるな…!」
「痛い?じゃあ舐めてやるよ…」
「んぁ、あ…っふ、…っ」


ぎゅう、と目を瞑って、浅井にされるがままになる会長。
抗議する手も浅井に取られて、指を舐められればぞくりとした感覚が体を支配した。


「な?いいだろ会長。混ぜろよ」
「ん、ん…仕方のない男だな」
「そうこなくちゃ…。こっち向け、キスするぞ」
「ん・・ッ、は…」
「会長様…。僕、だって…!」
「ぁ…!」

奏の舌が会長の腹を滑って、太ももを舐める。
ちうちう吸われては会長ももどかしくて、期待を込めた視線を投げかけてしまう。
控えめに奏は会長の下着をずらして、そこに唇を付けた。

「っは、…奏くん…っ」
「会長様、その…濡れてる…。もっと、感じて下さい」
「ん、…〜っ、!…っ!」
「お、おい、会長。こいつの舌そんないいのかよ?」
「会長様、痛くないですか?…、ん、むぅ…(ガンバリマス!)」
「あ、は…っ大丈夫。だいじょ…っあぁ、ぅ…!」
「吸って、いいですか?こうやって…」
「っきゃ、ぁ、ぅ…!」
「ぁ、腰、びくんって…。気持ちが良いんですね、もっと、強く…っします」
「うぁ、あっ!ま、待て…!」
「奏このやろ…。おい会長。こうやって胸、されっと…」
「っ!!!あ、っ…んん、っおい、やめ、ろ、…っ」


浅井が会長の顔を覗くと、頬を赤らめて息を切らす少女が目に入る。
思わずその唇に、べろりと舌を付けた。

「ん!…っ!!!」
「かいちょ…、駄目だぜ、我慢しちゃあ」
「ん…ふ…っ、は・・浅井くん、君、」
「くく…なんだよ?」
「わざとやっているな、そんな…責めるようなマネを」
「だって、最近ずっとやられっぱなしだったからな。仕返し」
「ぁ!」

浅井の手が会長の肌に乱暴に手垢を付ける。
その感覚に身を委ねながら、会長は好奇心に体が染められていくのがわかった。
下半身にうごめく舌の感触も相まって、逃げ場のない快楽に心を落としかける。

「は…っ…はぁ、…っ」
「会長。イくのか?体がこわばってる」
「あぅ、…そんな、されると、ィく…から、駄目、」
「イッて下さい。僕、会長様が気持ちがいいなら、嬉しい…」
「っ…、……っぅ、ぁ…」
「ほら、イケって…」ちゅ…
「ん、ぅ、ぁ、、ふ…っ………〜〜〜っ!」


ーびくんっ…!


「は…っ」
「イッたのか」
「会長様、かわいい…」
「…っう…」
奏の感想に珍しく照れた会長が顔をそむける。
そこがまた面白くなくて、浅井が会長を後ろから強く抱き寄せた。
イったばかりの体には抵抗も難しく、大きな浅井の体にすっぽりと収まってしまった。

奏が体を起こして、会長の顔に自分の顔を近づける。
ぬるりと下半身に当たるモノの感触は、会長にも覚えがあった。

「…はぁっ…会長様…僕…」
「奏、くん。どうした?」
「はぁ…あっ…ん…ぅ…」
「…!…擦らないで、くれ…声…出そうだ」
「ぁ、ふ…っごめんな、さい、…け、ど」

奏の大きくなった性器が、会長のいりぐちをぐりぐりと刺激する。
お互いの体からでた水分が混ざり合って、ぬぷぬぷ音が鳴った。
最初は愚鈍なスピードで擦られていたのが、徐々にスピードを増していく。
奏から漏れる嬌声は愛らしく、目の前の二人は生唾を飲んだ。

「ど、どうしよう…僕のここ…こんな…
会長様、見てるとっ…
大きくなっちゃいました…」

愛らしい唇からぽつりと漏れる言葉は、とても遠慮がちで羞恥に満ちていた。


「ね、会長さま、ぁ…っ
……ふ…ぃれて、いいですか?」


と、奏は頼むが、会長の顔をとてもじゃないが見れなかった。
最後の方は消え入りそうに小さな声で、このお願いが失敗に終わるだろうと覚悟しているようだ。
会長はそんな彼をまじまじと眺めた後、ひくひく反応している彼の性器に目を向ける。

あの痛ましい虐めを受けた彼が、今、自分にこのような行為を求めている。
ここで断ったら、いけない気がした。そしてそれ以上に、体がそれを欲してる。

「こっちに寄って…、キスして」
「は、はい…。んむ…ぅ」
「言っただろ、男にしてやるって…。そう、そのまま、入れて…いい…むしろ、私の方が…」

待てない…ーー
会長の切羽詰まった上擦った声に、奏は心の内が溶かされるがごとく熱くなる。

「はぁっ…は…っ嬉しい、ぼく、…僕…!」


ーーぐち…っ!


奏のモノがゆっくり、ナカに入っていく。
唾液を交換するだけじゃない深いキスの合間に、ふたりの吐息が漏れる。
つきぬける快感に、奏が耐えられなくなって、上半身を会長に預けた。
くたりと覆いかぶさって、会長の耳元にキスをして、それから首筋をちゅうちゅう吸う。
呼吸音がこんなに厭らしいとは…会長も今初めて知った。

「かいちょ、さま…
う、あ…っあぁ、…っん、ん…っ」
「く、やはり…大きいな、君のは…っ」
「ぁ、中…狭くて、動けない…ぁうぅ…!」
「はぁ…そのまま、でいて、くれ…」
「大丈夫、ですか?ごめんなさい、僕…」
「んふ…っ!…っは、ぅ!あぁ…」
「そんなにすげーのかよ。もっと深呼吸しろ、力抜け…。そうだ、その調子、俺の手を握れ」
「ぁ、ああ…浅井くん。ありがとう」
「っう、ぁ、…中、締め付けないで、下さい、会長様、」
「!奏くん、動くな…と…!」
「ゃ、あ…駄目です、…腰、とまんなくて、」

ゆっくり腰が動いてく、快楽にのめり込む奏は会長の足を抱きしめる。
突く度にきゅんきゅんと中が囁くのが、より彼の頭を溶かした。

「奏、くん、っあ!ん、ぅ!」
「っ!はぁ、っ!ぅあ!…っ
…ごめん、ごめんなさい、会長様」
「謝らなくていい、私も、良ぃ…んだ!」
「だって、ぼく、…ぅ・あ、…!」
「!ぁ…っ!ゃ、あ…!
っあ、奥、まで、そんな、すると、」
「んぅ…っ!ぅう・・・くぅ…」
「おかしく、なる…っ!!」
「ぁ、…会長様、ここ…」ぐち
「ん!!…っあ…っあ…」
「つかれると、気持ちが良いんですか
じゃあここいっぱい、つきます、…っふ」
「いっ…!っあ!あ、…っ!」
「会長、俺….(ヤバイ…妬ける…)」ぺろ
「っゃ、あ、浅井くん!
だ、め…だ、触るな、耳…!」
「ひゃっ、なかぁ、熱いよぅ、でちゃ…でちゃうぅ…」


ぱちゅぱちゅというピストンの音が早くなる。
会長は目をつむって浅井の腕を引っかかないことには快感が逃げないようだ。

「〜…っ!」
「ぁ、ふ…会長様、かいちょう、さま」
「どうした…っ」
「ぃきそう…っです、僕…っ」
「ぁあ、ぃけ、…私も、ぃく…ぁっ!」
「ん、…ん…っんん…っあ、あ」ずちゅ
「っは…ぁ!?そんな、だめ、
だ…め………ぃ…ーーーーっ!!!」びくんっ
「ひぁ…、!かいちょうさま、そんな、うごいちゃ、…ぁ!!!」

びゅっ…!びぅ…っ!
奏から出たものがびゅうびゅうと飛んで、会長の腹や胸を汚す。
寸前で抜かれた彼の性器はぴくんぴくんと痙攣して、その度にしどしどと濃い液体を漏らした。腰ががくがく動くのを止められない、そのことを恥ずかしく思うような…そんな感情も奏はもう抱けないくらい行為に夢中になってしまっていた。

「かいちょ、さま、ぁ…!…!」
「っはー…は…ぁ…はぁ…っ意外にも、君…激しいな…」
「…ご、ごめんなさい、会長様、大丈夫、ですか…?」
「あぁ、……ん…?キスしたいのか?」
「ぁ・・」

思わず顔を近づけてしまって、奏が顔を赤くする。
そんなの今更だと思いながら、会長から舌を絡めた。

「会長、さま…」
「どうした…?」
「駄目です、そんなされると、また…たっちゃいます…」
「ふ…私が男にするまでもないな、君は」ちゅう
「で?俺は?」
「む。どうした、浅井くん。急に私を抱き寄せて」
「ん?俺怒ってるから」
「痛いぞ」
「我慢しろよ」
「浅井先輩、ずるい、です…!僕も、抱きしめたい…」ぐい
「おっ」
「おい、お前は離れろよ!さっきやっただろが!」
「なんだ…二人してまだやりたいのか元気だな!」
「俺はやってないんだよ!」




+

「なんだろう…、これがモテ期か」
「会長本気で言ってんのかよ」
「あぁそうか。君は違うもんな。実質二人だ」
「恋次は頭おかしいし。こいつは…病み上がりでたまたま近くに居た女が会長ってだけだろ」
「うん…そうだな。そうかもしれない」
「会長?おい…もしかしてまんざらでもないのかよ」
「ん?ふふふ…」
「そうやって、俺を煽るのか。たちが悪い」

コトがすんだ浅井と会長は奏を帰して残っていた生徒会の仕事にとりかかっていた。

「ま、でも生徒会長は皆のものだからな」
「カワイソーな女」
「何がだ?」
「生徒会長なんて学校の雑用やってるだけだろ。その割に忙しいし褒められないし敵は作るしうざがられるし。恋次みたいなのに目をつけられるし奏みたいなのに心の拠り所にされて面倒じゃねーか。そんな仕事やる意味わかんねーよ」

その雑用を手伝ってくれてる浅井がぶつくさ文句をいうので、彼も素直じゃないなと会長は思う。

「君が分かってくれればいいさ」
「は?」
「…そうだろ」
「まぁ…な」

浅井が顔を背ける。
会長はそれだけで全て…やっていけるような気がした。



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