ブラックお屋敷 | ナノ




8

 


「大丈夫ですか?サトル様」
「あぁ…解毒せねば…」フラッ
「(え…毒なの?)」

―バタン!
――ビシャア!

「あ」
「あー!」

解毒薬だというオレンジの瓶を冷蔵庫から取り出す…拍子に体制を崩したサトルはその容器を床にぶちまけてしまった。

「大丈夫ですか!」
「あぁ、…参ったな」
「解毒薬はもうないんですか!?」
「ない。作ればあるが、材料がない」
「えー!」
「…」
「どうしましょう?お体の調子はかわりありませんか?」
「…」フラ…
「サトル様?」

チカがサトルを見ると、どこか体がふらついている。
訝しむチカは彼の顔をのぞき込んだ。すると、

「立ってられない……」バタリ
「サトル様ー!」アワワ
「なんか、変、…」ヒリヒリ
「変…ですか?」
「痛い、どうすればいい」ビンビン
「わぁ!…わぁ!」

下半身のある一点を守るように肩を丸めて床に膝をつくサトルの患部は…スラックスが窮屈そうなのが見てとれる。
チカはその部分に釘付けになってしまった。

「どうしましょう!?」
「あわてるな、おさめ方は分かる」
「え?」
「シュインの事だ、しかし、…やり方はどうしたらいい」ハァハァ
「…え、」
「やってくれ」
「ええっ!?あ、あの、その、」
「?」

自分の顔を覗き込むサトルの顔は切なげに歪んでいる。
すがるようにメイド服を引っ張られ、対応する術の知らないチカは助けを求めて南郷の体を揺すった。

「南郷さんー!南郷さーん!』ユサユサユサ
『うぅん…ムニャ』
「起きて下さい!」パパパパーン
『ひぐっ………ムニャ…』
「(ツカエネェ…)どうすれば…」

頬を思い切り叩いても無反応だ。改めてサトルの薬の強力さを思い知らされる。
焦るチカなんて関係ないというふうに、サトルは彼女を背中から抱きしめた。
そして耳元で掠れた声を出す。

「おい、…辛いんだ、頼む、助けろ」
「アワワワ、私もそのような知識を持ち合わせていなくて…その…」
「嘘をつくな、ミノルから聞いたぞ。お前はますたーべーしょんが趣味で、親い男のシュインを想像して毎夜ベッドを濡らすとか」
「違います!しかも話が盛られています!」
「まぁお前のことはなんでもいい」ガシ
「わっ!?」
「どうにかしてくれ…」ハァハァ
「そういわれましても…ぁ!そうだ!」ゴソッ
「ん…?なんだそれは」
「南郷さんから貰ったメイドの心得です!」

チカは胸元から小さなノートを取り出した。
どうやらメイドのマニュアル本らしい。
そこにはいかなる不足の事態にもテンプレがあるらしかった。
それを見ながらチカは、ベッドに大の字で横たわる南郷の腹の上に足元に向かって座る。徐に南郷のズボンに手をかけた。

「私の手は実際は南郷さんの手だとお思いください。私はこれを見ながらシュインを実践します、サトル様はそれを倣って下さい!」
「なんだかややこしいな…しかし」

サトルは、南郷が寝転んでもまだ足下が余るほど大きなベッドの、開いたスペースにちょこんとスタンバイした。

「まぁいい。頼む」

「では!

まずは服の上からそこを優しくゆっくり触ります」サワ
「ふむ」サワ
「…いかがでしょう?」サワサワサワ
「んん……なんとも言えない」サワ
「それから、出して、触るだけだそうですよ!」ペロン
「ほう」
「(南郷さんめ、さっきの恨みだ、イカしてやるんだから!)」サワサワサワ

チカの本気の手つきに南郷はすぐに息を荒くした。
面白いくらい反応する男のからだをチカは興味深そうに眺める。
薬の力は凄いもので、その時はすぐに訪れた。

『ぅ…ぁ…はぁ……ッ!』びくんっ

「わぁっ!」

――ビュクッ!
南郷の体が痙攣したかと思うと、スラックスのなかで性器が脈打っている。
跳ねるそれを思わず握ると、どくんどくんと動いているのがわかった。
ドキドキと心臓をハネさせたのはチカだけじゃなくて、サトルもそれを感心したように見た。

「…なるほど…?」
「これで、きっといい、と思い、ます、はい(早漏でしたね!)」
「やってみる。見てろ」
「はい…(南郷さんまだ固いんですけど…ドン引きなんですけど…)」

見よう見まねで、サトルは自分の性器を握った。
そこからは自分の気持ちのいいところを擦るだけだ。

「――は…んん…っ…は……っぁ」ピクピク
「(ドキドキします!)」
「ぁ、あ、…こう、か…」
「は、はい…多分…(えっちだ…)」
「な、んか…っん………ぞわぞわ…あ、」
「お体が、震えてますよ!大丈夫ですか?」
「はぁ、ぁ、あぅ… 
       …ぅん……っ!!!」ビクッ

――びゅっびゅくっ
サトルの性器からびゅうびゅうと断続的に液体が飛び出た。
サトルは未知の感覚に体を預ける。溺れてしまいそうなほど刺激的だと思った。

「っはー…っ…はぁっ…はぁっチカ…」
「お、お疲れさまでした…」
「あぁ…、……ふ…っ」びくんっ

サトルの乱れた呼吸がチカの心を煽る。
当のサトルは初めてのシュインに…かなりわかりにくいが恍惚の表情を浮かべているようだ。

「ど、どうでしたか、」
「ん、…悪くない。…だからチカ、」
「(う…!なにやらこちらに訴えかける眼差しを感じます…)
…わ、私!そろそろ失礼しますね!」ガタッ
「まて、」グイ
「ハイ…」
「どうせだ、もっと教えてくれ」
「ヒエ…私、一昨日までショジョでしたから」

眉を下げてチカがサトルを見上げる。
相変わらず無表情なサトルだが有無を言わさない威圧感があった。

「チカ、これは命令…だ」
「あぅ…」
「顔、こっちによこせ」
「んん……っ!」

―ちゅう…
慣れてないキスだ。それでもチカの胸は高鳴った。
サトルの手が彼女の体を弄る。本能的な手つきにチカは南郷達とした時感じたものとは違った”欲情”を感じた。

「…マニュアル本、見せろ。性交の仕方も…っ載っているんだろ」
「ぇ、は、…っ…どうぞ、…ふっ…ぁぅ」
「…」パラパラパラーポイッ
「!?」
「理解した」ムチュー
「ふ………っ!!」

さっきより深い口づけに体が強張る。
しかし、すぐその甘さに力が抜けてしまうのだった。
不思議なことにちょっと本を読んだだけで彼はまるで歴戦を経験したのかと思うほど上手になった。

「どうだ」ちゅぱ…
「い、いい、です…んぅっ」
「ふ…」
「ぁう…(笑った?)……っは…」
「…南郷、邪魔」

ベッドを占領していた南郷を床に落として、トン、とチカの肩を押すとそのまま覆い被さった

『ぎゃっ…………スヤ…』


「えっ、南郷さん、いいんですか!?」
「仕方ない」ちゅっ
「…ぅあ……っ…」

サトルの舌が体を這うので、ついつい彼のシャツを引っ張ってしまう。
スムーズにメイド服を軽く脱がすと、優しすぎる手付きで胸を触れた。

「んっ……はぁ、サトル様、」
「一昨日までショジョ、ってことは相手は南郷?」
「ふぁっ……ぁ、はい…っあ!?」

急に胸を強く刺激されるので声が大きくなる。

「あ…は、…サトル、さま…?」
「やっぱり乱暴な方が感じるのか」ギュム
「っや、…なんでっ……ぃたいですっ」
「そうか」サワサワ
「ん…ぁ…ぁあ……っ」
「南郷ならてっきりそういう趣味かと思った」
「ソーイウ?」
「乱暴、粗忽、横柄、みたいな」ペロリ
「ん……っあ…は…」

音をたててサトルが胸に舌で触れた。
赤くたちあがった先端を口に含んで、吸ったり舌先で愛撫する。
未経験とは思えない…、チカはそう考えながらも体を反らせた。

やがてサトルの性器が、その存在を主張するかの如くチカの太ももをグイグイと押し出した。

「っ……!サトル様」
「何だ」
「当たってますっ―」
「……ん…。入れる場所っていうのは、ここか」ぐに…
「うゃ……ぁっ…!」

サトルの赤く腫れた先端が、チカの秘部を下着越しに刺激する。
ぴたりとあてがわれてチカは唾を飲んだ。

サトルの腰は緩やかに動いて、そこから快感を得ているようだった。
左手はチカの体をゆっくりとまさぐるが、そのうち自分の下半身に気をとられていく。
快楽を得るのに没頭している…!

「はぁっ…はぁ……」ずちゅ
「(えっちな顔だ…!見てると、私まで…!)」

しっとりとしていた下着もどちらともない体液で汚れていく。
淫らな音が二人の耳に届いて、さらに雰囲気がおかしくなった。
サトルの抑揚のない声が、熱に浮かされてちょっと切羽詰まった色をしている。
自分の、形を変えた性器を物珍しそうに見ながら、呟くように言葉を吐いた。

「また、でる…っ」ぐり、
「ぇっ、あう、ぁ……っサトルさま、」
「――んっ……!!」

―びゅるっ
―びゅくん!

どぷどぷ、サトルの性器から欲が吐出される。
どぱどぱ、飛ぶと言うよりは溢れるような感じで、チカの下着から太もも、ベッドまでを汚した。

「はあっ…は……はぁ…!くっ…凄い、…!」
「あ、あの、その…ッサトル様ぁ……」ぎゅ

痺れを切らしたチカがサトルのシャツを引っ張った。
甘えるような彼女の顔に、サトルも”欲情”という言葉の意味が初めてわかったような気がした。

「…あぁ、すまない。いれてほしいのだろう。
大丈夫…まだまだイケる…、まだ、出る……!」
「ぁ、ん…っ」

彼女の下着を剥ぎとってその入り口にサトルはまた膨らんだ自分のものをぴたりと付けた。


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