空は晴天。
いつもなら気持ちが良い天気であるものの、今の自分には鬱陶しいものでしかない。

天気にさえ嫌悪感が表れる自分が滑稽で笑える。

しかし、同時に何故か涙もでてくるのだ。
楽しい時には笑い、悲しい時には泣く。
矛盾した状態に、精神的に弱っていると再確認した。

勿論、再確認の意味が無いことぐらい分かっている。
考える意味の無いことなのだから、考える必要などない。

分かっている。
分かっているが、何かを考えていないといけないことも事実だった。



痛い。
身体の至る所が痛い。

痛い。痛い。痛い。
痛いと叫んでしまえば楽になるだろうか。


そう考えて一瞬で答えを出す。
答えはNO。

叫べば多少感覚は誤魔化せるだろうが、それはただの錯覚でしか無い。
なにより自分のキャラじゃない。
却下だ。

そこまで考えて、少し吃驚した。
まだ、自分のキャラを気にできる余裕があったのかと。

知る中で最弱の部類に入る自分だ。
なのに、この地獄の中、まだ余裕があるとは。
少し自分を過小評価していたみたいだ。
主に精神的な面で。




まだ、頑張れる。


その事実に安堵した。
まだ自分は大丈夫だと分かって、心底安心した。

数週間前から学校生活が可笑しなことになった。
その状況に陥った瞬間感じたのは戸惑いと焦り。


それは焦った。
自分の心配よりそっちに意識がいった。
そのせいで判断が遅れ、逃げられなくなってしまい暴行を受けたのは、まだ記憶に新しい。

あれは忘れてしまいたい嫌な思い出だ。


だが、しかたがない。
関係者以外誰も知らない事実であるが、自分にはとんでもなく過保護な連中がいる。
そいつらがこの状況を知ったとき、どれだけ大騒ぎをするかなど想像に難しくない。

駄目だ。絶対駄目だ。





そう、思っていたのに。






「……テツ君!?」


神様は自分が嫌いらしい。





ゆっくりと振り向いた先に、綺麗な長いピンクの髪が見えた。








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