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 彼女はよく笑う人だった。

 成功も失敗も希望も絶望も喜びも悲しみもまとめて全部、笑ってくれる人だった。
 彼女が笑えば、すべてを理解されているような気持ちになれた。すべてを肯定して、受け入れてもらえたような、そんな気持ちに。

 だから──だから、必然的に、私は罪を犯した。
 ルールを破った私の翼は折れて、光を失った。見えているはずのものから目をそらし、見えないものばかりに目を向けた私に、ふさわしい罰だと思った。

 そんな私を、彼女は見つけた。
 私を唯一貶めた彼女に、私は見つかってしまった。

 世界に光があふれた。

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