ぼくたちは恋しあう
4話
「何か、不思議だよな……」
ぽつりとした呟きに、雨竜は男を見返した。
視線を合わせれば、どこか照れを含んで嬉しそうに、その男臭い口元がゆっくりと綻んだ。
色を深くした琥珀の瞳。
ぎゅっと繋いだ手に力が籠もる。
「こんな風にお前と過ごす仲になるなんてよ」
「僕だって、一年前には考えもしなかったさ」
「だよなァ……俺もだ」
「ふふ、だろうね」
「………これからは、ずっと一緒にいてぇな」
「……えっ……」
ストレートすぎる告白に困惑する雨竜の唇を、男の熱い吐息が掠めた。
触れるか触れないか、といった程度の口づけ。
不意討ちのようなそれに反射的に眉を寄せれば、それすらも愛しげに一護は笑う。
優しく撓んだ琥珀色の艶やかさに、ドキリとしたのを悟られたくなくて、雨竜は慌ててそっぽを向いた。
思わず顔が赤くなりそうになり、焦ったように瞬きを繰り返す。
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