ぼくたちは恋しあう
3話
いつしか空は、すっかり暮れて。


潮が引くように、暗くなるにつれ静けさだけが満ちていく。


ちょうど目の前には、街灯に照らされた銀杏の木々。


黄金色の葉が、夕闇に滲む薄ぼんやりとした光を反射して、暖かみのある橙色に輝いているように見える。


それはまるで、彼の髪色を思わせる暖かさで。


好きな人と同じ色彩に、包み込まれるような…………そんな錯覚を抱かせる。


ぼんやりと見ているだけで、いくらでも時間が過ごせてしまうなと、ふと苦笑を漏らした。


そんな、くっついた服越しに雨竜が笑った気配を感じてか、一護がそっと腕を伸ばし彼の肩を己の方へと抱き寄せた。


空いたもう片方の手も膝の上を移動してきて、白い指先を呆気なく捕える。


止める間もなく身体が酷く密着して、心臓が一つ鼓動を鳴らした。


絡め取られた指先が、握りあった掌が、妙に熱い。

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