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「痛みは無いのか・・というかその首のは何だ、いつから付けていた、そんなもの私は知らんぞ。それでお前は・・・」

「・・・」

そんなにいっぺんに質問されたら答えられませんってば!

返事をしない私をよそに彼は口を動かすのを止めない。


「・・・」

もう殆ど聞き流している。



そんな中、

「ふー、危なかった!!」


と、突然場の空気を壊すように聞き覚えのある声。



「・・何者だ!!」

気が付いたユアンが侵入者を睨む。

あの赤い服は間違いなく・・・


「!(ロイド!)」



「エル!!何でこんなところに・・・お前は誰だ!!」

「エル・・・知り合いか?」



「(えーっと、えーっと)」

場が混乱してしまった、とりあえずユアンには友達だと伝える。

この人なんかずっと聞いてきそうだし。



「友達か・・・お前、名はなんと言う」

「人に名前を尋ねる時はまず自分から名乗るモンだぜ」


私を捉えてると感じたロイドがユアンに敵意を向ける。
見た感じユアンのほうが大人だけど彼はロイドの言葉にカチンときたらしい。


「良い度胸だな!・・・しかし、貴様のような下賎な者に名乗る名前は生憎持ち合わせていない」


「奇遇だな、俺も生憎と自分がいかに卑しいって事を知らないような能無しに名乗る名前はないぜ」

「・・・貴様!」


目の前で口喧嘩が始まってしまった。

今にも武器を手に取り戦い始めてしまいそうな空気の中、ロイドの左手のエクスフィアにユアンが目聡く気付いた。


「そのエクスフィア・・まさか貴様がロイドか!」

「・・・だったら?」

「成る程、面影はあるな」


ユアンさんはロイドの事を知っているみたいだ。



――――!!――――!!!

「!!!」


そんな中けたたましい音で警報ブザーの音が室内に響く。



「リーダー!神子たちが侵入してきた模様ですぞ!」


違う部屋から見たことのある男性がやって来た。

・・・この人は

「お前は・・イセリアを襲ったディザイアン!」


ロイドも同じ事を思っていたようでそのまま私を守るように剣を構える。


しかし彼らはそんな事気に留めていないようで仲間内で話を始めた。

「ボータ、私は一旦退く。奴に私の事を知られては計画が水の泡だ。」

「神子の処理は如何いたしますか」

どうやらコレット達の事を話しているらしい、雲行きは余り良くない。


「お前に任せる」

「了解しましたぞ」

「ロイド・・・次こそは必ず貴様を我が物とする!覚悟しておくのだな!!」


ユアンはそんな言葉を残して部屋を去った。

若干捨て台詞に引いてしまったけどそんな事関係ない!


残ったのは私達とボータ達ディザイアン数名、ロイドが剣を握る手に力を込める。



「・・・くっ」



どうしよう、と思った矢先にドアが開いた。


「ロイド!生きてる?!」


「ジーニアス!!」


やってきたのは見知った仲間たち、少し肩の力が抜けた。



「皆!来てくれたのか!!」

「調度良い、ここで神子もろとも始末してくれようぞ」


ボータが武器を手に取ると皆も戦闘体制に入る。

私も手伝いたいけど力がない・・・邪魔になってはいけないから一番後ろに居たノイシュの影に隠れることにした。




―――!!―――!


激しい攻撃が繰り広げられる中、ロイド達が5人敵側が3人。

勝負は優勢に思われた。


まわりのディザイアンが倒れていく、残りはボータ1人。



最中、ボータが攻撃を止めた。


「・・やはり貴様に対して私1人では荷が勝ちすぎたか」

「・・・・。」


彼はそんな捨て台詞を残して早々にその場から立ち去った。
・・クラトスさんの事を言ったんだろうか?


「あんにゃろ、舐めやがって・・!!」

「・・やめろ。私達はお前達の救出に来ただけだ」


戦いを中断されて怒るロイドをクラトスが嗜める。


「クラトスの言う通りよ、皆。早くこの場を離れましょう」


リフィルの一言で私達はコレット達が来たと言うルートを辿ってその施設から脱出した。




逃げるように外に出ると一面砂漠地帯、
私が攫われる前にいたトリエットまで左程距離はなかったらしくトリエットの宿についてから詳しい話をする事になった。





  
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