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―――――・・・



次に目を開いた時には全く知らない場所のソファに寝かされていた。





「・・・・!?」



ここどこ!?・・私は・・・っ


薬品を嗅がされたのだろうか、思い切り立ち上がると足元がふら付いた。



「っと、ようやくお目覚めか・・・エル」


「っ!」


突然背中を支えられて上から声がふってきた。


・・・・振り返ると見覚えの無い青い長髪の男性。





「!?」

危機感を覚えて身を翻して彼から距離をとった。

彼はそんな私を見て目を細める。


「そう睨むな、いきなり連れ去った事は謝る。しかし奴にバレる訳にはいかんのでな」


「(奴・・・?)」


「本当に何も覚えていないのか・・・?」

警戒し続ける私を見て男性は少しショックを受けたような顔だった。

少し自分が悪いことをしたような気持ちになるけど行き成り攫われている以上怪しむなと言う方が無理だ。





『――――・・無理して思い出すんじゃねぇぞ』




・・・いつだったかのロイドのセリフを思い出す。

そうだ、そんな事よりも此処から出なきゃ。



今の所彼に敵意を感じない、信用できなくてもなにかわかるかもしれない。


「エル、さっきから黙りこくってどうした・・・・ん?」

「・・・・。」


あ、な、た、は、だ、れ?

徐に彼の手をとり指で字を書いていく、




「あぁ、私はユアンだ。・・・なぜわざわざ指で書く?そんなに私と話すのが嫌か」


彼・・ユアンは不思議そうにこちらを見た、昔の私は声が出たらしい。

応える為また手を借りて言葉を綴った。



「・・・(声が出せません)」

「なんだとっ!?」

「!?」

驚いて思わずなのかユアンに手を握られる。


「・・・」

私も驚いて彼を見上げると気が付いたみたいで手を離してくれた。


「っ・・・す、すまない動揺した」

「・・・。」


少し気まずいけれど嫌な感じはしない。

悪い人じゃないのかな・・・?





  
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