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イセリアを出て数日、クラトスさんを先頭に魔物を倒しながら私達は第一の封印の情報収集をする為トリエットで一泊していくことになった。
「じゃあ私とエルは食料の買い足しに、クラトスとコレットは情報収集をお願いするわね」
「・・・承知した」
リフィルの言葉で私達は二手に別れた、町は行商人や旅人が沢山いるので楽に買出しができそうだ。
「はぐれないように気をつけてね・・足はすっかり良くなったみたいね」
人混みを見てリフィルさんが私を気遣ってか足を止めてくれた。
「(えぇ、リフィルさんのお陰です)」
「あら、ありがとう」
こうして相手の手のひらに言葉を伝えるのも大分慣れた。
「・・・あとは少し本屋に寄りたいわね、構わない?」
「(はいっ)」
頷いてリフィルさんと逸れないように人混みの間を進む・・・そのときだった。
「!?」
誰かが私の腕を掴んで口元を布で覆った。
「ご同行願います、エル様」
「・・・・!!・・・!」
もがくけれど筋肉質な男性の腕に羽交い絞めにされてどんどん後ろに連れ去られていく。
なにを嗅がされたかわからないけどピンチなのに違いは無いはず・・
「・・・・っ(リフィル、さん・・)」
「・・・?・・あら、何処へ行ったの?・・エル?」
必死で手を伸ばす。
人混みの中、遠くでリフィルさんの焦った声が聞こえた気がした。
「・・・・」
あぁ・・目の前が暗く・・・・・・。
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