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次の日はコレットから聞いた通り昼ごろに村に向かった。
けど話の通り村はもぬけの殻でコレットが自分達に教えた出発時間は嘘だったことがわかる。
「・・・姉さんの置手紙と一緒に枕元に、」
そんな落ち込むジーニアスがコレットの手紙を俺に渡す。
けど内容は知ってる内容・・ゲームのままだった。
「こんなの・・遺書じゃないか・・・」
きっとそのつもりで書いたんだろう。
「ロイド、追いかけようよ・・!!」
「・・少し考えさせてくれ」
ジーニアスの気持ちはわかる。
・・・けどまだこの村からは出られない。
夕方、家に帰ると親父はいつも通り鍛冶仕事をしていた。
外は雨が降りだしている。
「・・・なあ親父。俺やっぱり・・・」
――――ガチャッ!!
ドアが乱暴に開いた、その先にはずぶ濡れのジーニアス。
「どうしたんだ、こんなに濡れて・・・」
「ロイド!・・村が!村が大変なんだよ!!」
「・・・」
ダイクもただ事では無いのを悟ったらしい、疲れきったジーニアスをノイシュに運んでもらい山を走って降りた。
「・・・・ひどいな・・」
いつもより速いスピードで村に着くと雨の中燃えた家が辺りを明るくさせている異様な光景があった。
いたるところに武装したディザイアンの姿が見える。
「ロイド!」
「あぁわかってる!!」
ジーニアスの言葉を皮切りに俺も駆け出す。
「宝石の力は使うんじゃねぇぞ!!」
「そんな事言ってる場合かよっ」
「鍛冶師の勘だ!」
「な、なんだ!!」
「だぁぁあっ!」
「ぐあああ!!」
ディザイアンを1人、また1人と三人で力を合わせて倒していく。
クラトスの助言通り脇を気にしたら幾分か攻撃が早くなった気がする・・・。
「っくそ!何人いるんだ!!」
「ここは任せろ、お前等は村の連中を!!」
「わかった!!」
「きっと皆中央広場だよ!行こうロイド!!」
どこまで行ってもディザイアンばかりが現れる。
いよいよ汗が雨なのかわからなくなった頃、やっとの思いで村の中央広場に辿り着いた。
村人はどうやら無事らしい・・・奥にいるのがフォシテス・・?
「ディザイアン!よくも村を・・!!」
「吠えるな劣悪種・・我が名はフォシテス。優良種たるハーフエルフにして貴様等人間牧場の主。飼い主である」
ちょっと待ってまじでこいつ舐めてる。むかつく
「戦うのはお前1人だ。こいつ等は・・人質にしてやる」
「なんだとっ!?」
えええ1人でフォシテス戦って知らないんですが!!ゲームだと結構終盤ですよね!!
ちょっと思ってたけどこれOVAの展開ですかね!?
「ジ、ジーニ・・「がんばって!ロイド!!」・・・」
うわぁスパルタにも程があるってばよ!!!
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