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首にくっついてしまったソーサラーリングは意外と機能的で、私に近付いてくる敵や仕掛けを自動的に解いていった。
「エル!ここも頼む!」
「(こくこく)」
ロイドに呼ばれて中央の扉の前に立つとまた扉が自動で開いた。
「なんだかこの封印まるでエルを待ってたみたいだね」
ジーニアスがそんな事を言い出した、確かにそう見えなくも無い。
「でもコレットの試練なんだよなぁ、ヘンなの!」
「ふしぎだね・・」
「転送装置が起動した、行くぞ」
ロイドとコレットとジーニアスをクラトスさんが急かす。
どうやらここから先が最上階のようだ。
転送装置を使い最上階に到着するとコレットが祭壇に向かって胸の前で手を組んで祈りを捧げ始めた。
しばらくすると空から羽の生えた男の人が静かに降りてきた。
「世界の中心で眠るマーテル様を目覚めさせるときが来た」
これが、旅のはじまり・・・?
空から現れた天使レミエルはコレットにクルシスの輝石が贈り、世界に救いの塔が生む。
粛々と誓い伝え、レミエルがそれに応える。
儀式はさほど時間が掛からなかった。
翼を羽ばたかせ役目を終えたレミエルが天へと帰っていく中コレットが気になっていたのかレミエルを呼び止めた。
「お待ちくださいレミエル様!あの、エルの首のソーサラーリングの事なんですが・・」
「・・・・・・それは我等からの選別だ、旅の役に立つ。」
「それは、どういう・・・・・・」
「おのずとわかってくる。・・・火の封印でまた会おう、わが娘よ」
「・・・・・・・・・・・」
レミエルが去った後、みんな静かにその方向を眺めていた。
「私のお父様がレミエル様だったなんて・・」
コレットがポツリとそんな事を呟いた。
真剣なコレットに対してロイドはマイペースで自分の考えを口にする。
「服脱ぐとき大変そうだよなー」
「え、ロイド・・・そんな事考えてたの?」
「だって気になるじゃんか」
「・・信託は済んだようだな。では行くぞ、神子・・エルも来た方がいいだろう」
ジーニアスとロイドの話のタイミングを見計らってクラトスさんが言った。
「・・エルのソーサラーリング取れなくなっちゃったもんね。ロイド、あとで寄ってもらってもいい?」
「!あぁ、わかった」
・・ご迷惑おかけします。
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