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夕飯のシチューは相変わらず食べれないまま夜になった。(そのかわりロイドが大量に食べていた)
申し訳ない気持ちを胸にしまうしかないのが悲しい。

お風呂はぬれたタオルを用意してもらって自分で拭くことにした。
「・・・・・・・・・・・・。」

あいかわらずタオルで拭いてもつねっても感覚は無い。
むしろ普通に動く手も顔も余り感覚がない気がする。

「(なんか、おかしいよねこれ)」


昼間は怪我のせいで痺れてるだけだと思っていたけど流石に変だ。
明日あたりロイドたちに言ってみよう。

って言うか足動かせる気がする。

「・・・・・!」
だめ元で足首を回してみると、案外素直に痛みもなく動いた。


これ、いけるんじゃないか?

小さな希望を胸にベッドから体をずらして床に足をつけると案外ふつうに立つことができた。
「・・・・・・・・・っ!(やった!)」


感覚は相変わらずないものの、とてもスムーズにあるけるし傷はリフィルさんに治してもらったから見た目も健康そうだ。
・・・エルフって治癒能力が高いのかな。


そんなことは兎も角ダイクさんとロイドに伝えなければ。



階段を下りるとダイクさんは工房のような作業スペースで木を削っていた。
「・・・・・・。(ダイクさん、ダイクさん)」
トントン、と木の柱を叩くと彼はわたしを見るなり驚いた表情をした。

「エルっ!おまえ・・・まだ歩いたら痛いだろうが!無理して体動かすんじゃねェ!!」


「・・・・・・、」



怒られてしまった。
とりあえずロイドにもらった紙で書いたメモを見せた。


「・・・ホントに痛くないのか?嘘じゃねぇだろうな・・」
「(ホントホント!)」
何度も首をたてに振って元気なことをアピールするとダイクさんはしぶしぶながら折れてくれた。

「(ロイドは・・・?)」
「ん?ロイドか、風呂に入ってるぜ。そろそろあがって来るさ」




そう言った瞬間にお風呂場のドアが開いた。

「親父〜風呂あがったぜ・・・・ぇ?」


出てきたロイドと目が合った。




まさかわたしが降りてきてると思わなかった彼は男らしく全裸だ。


「〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」




「ロイド!早く服を着やがれ!」
「わっ!!悪い!!!」


ロイドは一喝されてお風呂場に逃げ込んでしまった。
「・・・・・・(見ちゃった)」


そのあと行儀が悪いとロイドが叱られてたり怪我の心配をされてたりで賑やかなひと時を過ごした。



「じゃあ、ゆっくり寝ろよ〜おやすみ!」

「(おやすみ〜)」

今日はいい天気だったから干しておいた布団でぐっすり眠れる。





・・・と思った。



「(ぜんぜん眠くならない・・・・・)」


ベッドに入ってからずっと何度何時間も目を閉じても一向に眠るという行為が出来ない。
もう無理だ、と諦めたころには空が明るくてベランダに出て朝焼けを楽しむことにするしかなかった。

「(なんかわたしの体、ヘンだ)」

ほんとうに。困った体である。







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