:: インプット
2022.10.02 (Sun) 22:20

●結果が出るまで
私は病院を恐れている。よほどの用事がなければ絶対に行きたくない。腰を悪くして以来通っている整骨院すら初回は相当の覚悟で臨んだ。
つい先日、一生分の勇気を振り絞って婦人科へ行ってきた。産婦人科ではなく婦人科。数年単位でとある事情を放置してきたが、この年になってやはり心配になり一度受けてみようと己を奮い立たせた。まぁ大丈夫だろうけど、大丈夫なんだろうけど、うざったいし無くせるのなら無くしたい。震える指で近所のクリニックをネット予約して、その日の午後及び翌日の午前中までずっと震えながら昼前に医院へ向かった。股を開いて見せるくらいはどうってことないが(もちろんそうせずに済むならそれに越したことはない)、とにかく怒られるのが恐かった。数年放置したんだから怒られなければむしろおかしいくらいだが、食事も喉を通らないままスカートを履き、へろへろな体を引っ張っていった割には先生も看護師さんもみな丁寧で優しく、全く責められることはなかった。口コミのクールで冷たいという評判には戦々恐々としていたものの、論理的で淡々とした先生に私はどちらかというと好感を持った。症状を聞き、一応の内診と検体を採取してから「問題ないとは思いますが一応細胞を観察しますので後日結果を聞きに来て下さい」と述べてくれた。
懸念は二つ。ひとつは検査結果を聞くまでは完全に安心できないこと、もうひとつは件の症状を治したいならば薬を使うに他ならないこと。あれの副作用と現在の症状を天秤にかけた場合どちらに傾くかはわからないにしろ、できれば使いたくないので今のところは耐えるしかないようだ。
いずれにしてもまず前者の結果がはっきりしてから考えるので、それまではなかなか創作に身が入らないかもしれない…かもしれない。
書きたいものはあるけどアウトプットはしばらく控え、読書の秋らしくインプットに専念する。我が家は未だにテレビが存在しないので見るものはスマホか本しかない。
最近読んだもので一番面白かったのが『儚い羊たちの祝宴』。古典部シリーズで有名な米澤穂信氏の短編集で、(なんで私すら知らない私の好みがわかるんだ…?)というくらいストライクだった。最後の数行で背筋が凍るような話がいくつかまとめられていて、主人公がお嬢様または旧家に仕える女性というのもあり、ブラックな耽美サスペンスといった感じ。
同著の『本と鍵の季節』も読んだ。男子高校生二人の推理もの――と聞いてわかるように完全にそっちが目当てで買った。探偵と助手コンビではなく、あくまでどちらも探偵役だ。主人公はおおよそ平凡、相手役がちょっとシニカルなイケメン。こちらも短編集で読みやすい。二人は順調に(清い)仲を深めていくが、最後の最後で切ない……!と思ったらなんと11月に続刊が出るらしい。よかった、また仲良くなれるのね!とひと安心。問題はそれがハードカバーということだ。文庫化まで待てるだろうか。



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