朝起きたら着信メールが20件以上来てた。
送り主は全部充。チョコが欲しいってメールが1件ずつ顔文字を変えて送ってきてる。
うぜぇ…そっか、今日はバレンタインか。
つか俺も男なんだからチョコ欲しいんだけど。チョコ嫌いじゃないし。
あ、そういや俺にもチョコくれそうな奴いるじゃん!
「京っ!」
「うぉっ!いきなり叫んで出てくんなっ」
部屋を出て朝飯作ってる京を見たら私服だ。今日は平日で学校あるのに。
「サボり?」
「ああ。今日はバレンタインだからな」
「何で?」
「貰う気ねぇしいちいち断んのが怠ぃから行かねぇ」
「……貰えよ。俺が食うから」
貰えるもんを断るなんて気がしれない。タダなんだし貰っときゃいいのに。お返しもセックス一発とかにしたらヤれるしチョコ貰えるしいいじゃんか。
「お前、チョコ欲しいのか?」
「欲しいから頂戴」
「んなもんねぇよ」
そんなの嘘に決まってる。
あんな言い訳してるけど本当は学校をサボって俺の為に特大チョコを作る予定のくせに。
「今日は俺もサボろっと」
「あ?何で…」
「居ちゃ困りますか?」
よし、確信した。やっぱりこっそり作るつもりだったんだ。
何だかんだで京は俺が好きだしね。
好きな人にチョコをあげる日なんだから京は俺にチョコをくれるに違いない。
「困らねぇよ。さっさと飯食え」
「はーい。あ、今日は鮭だ。いただきます」
早くチョコ食べたいなー。
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