「銀ちゃん」

「あ?んだよ神楽」

「定春散歩連れてって欲しいアル」

「あん?やだよそんなん。あの犬銀さんの事噛むんだもん。絶対かみかみボーンとかに見えてんだよ」

「何アルかそのはみはみボーンて」

「何でそう聞こえる訳!?思春期の耳は恐ろしいなあオイ」

「あ、銀さん」

「あんだよ。もみもみボーンとか無いからな」

「何ですかそのいやらしい感じのもの!!濡れ衣ですよ!!僕はただお豆腐頼もうと思っただけです!!!」

「あんだよー銀さん便利なお手伝いロボとかじゃないんだかんな」

しかもよりによって今日、今日頼まなくてもよ!

「おーい旦那あー」

「オイオイなんだよ今度はサド太郎くんかよー」

「ちょっと焼きそばパン買って来てくだせえ」

「何っっで俺が君にパシられなきゃいけねんだよオイ!」

「俺ァ今凶悪な魔王に命狙われてんでィ。ちょっとかくまってくれィ」

「お前なんかさっさとその魔王に捕まっちまえ青二才が!」

「チンゲンサイはあんまり好まないんでホウレン草のお浸しにして下せェ」

「お前はダイエット中の思春期女子か!」

「アンタん所の娘っ子よりはまともにお年頃でさァ」

「あんだとテメェサドヤロゥウ!」

「よっ猛獣」

「良い度胸じゃねェかサドヤロゥ!ちょっとこっち来るアル!」

「言われなくとも行ってやらァ!」

「あーこら!ちゃんと靴揃えていきなさーい」

全く、真撰組までこんなちゃらんぽらんの家に来るようじゃあ世間は末期だねェ。あ、自分で言っちまったじゃねえかしかも今日!こりゃロクな日になんねえな。こりゃこち亀か?

「邪魔すんぞー」

「げっ何々今度は多串くん!?勘弁してくれよー。銀さん白髪増えちゃうよー」

「これ以上どう増えんだよ」

「それはお前、」

「解った。言わなくて良い」

何だよー、言わせてくれたってねえ。

「邪魔っしゃーす」

「ちょ、お前誰だか知らねーけど俺がまだエントリーしてねんだよ!」

「ちょっと…何で君来たの?しかも何でそんな親父臭いの?」

「あ、君侍?奇遇だねー。ちょっと俺とイッパツかまさない?」

「な、何だお前」

「んでー?お二人は何で来たわけ?」

「総悟来てるだろ?」

「さあね」

「押し入らせて貰うからな」

「もういいや、勝手にどうぞ」

「俺はねえ、今日がキ」「わーわーわー!!」

「?」

「まあとりあえず入るぞ!お前も来い!」

「もー何だヨー」

「もー。揃いも揃って皆お行儀わりぃなあ。銀さん困っちまうよ」

「ホラ何してるアル銀ちゃん!早く散歩行って来るアルよ!」

「へいへーい」

「銀さーん!お豆腐はあのスーパーで買って下さいね!あとうどんもお願いします」

「あーん?別に良いじゃねえか手前の豆腐屋と突き当たりのうどん屋で分けて貰えばよー」

「旦那ァ、焼きそばパンはあのスーパーの奴じゃねェと認めませんぜィ」

「あー…?」

「おい、俺のタバコも買ってこいよ」

「行ってきまーす」

「オイ!」

と言う訳で、俺は追い出されるみたいに家を出た。空は見事に灰色に曇っていた。空すら綺麗な色を見せてくれないとは。これはこち亀か。
まあ別によ、この年になって誕生日とかぶちぶち抜かす気は無いんだけどよ。でもこの1年銀さん頑張ったんだよ?ちょっと位プレゼントとかあったって良いじゃねェか神さんよ。

「あ、銀ちゃんやっと来た」

「ああ?何で此処にお前がいんだよ」

「銀ちゃんを待ってたんだよ」

「は?」

「まあ良いじゃん。お使いも終わったんでしょ?帰るよ」

「……あーはいはい。解った解った」

「は?おっさんくさいよ銀ちゃん」

「ひっでえ!銀ちゃんはまだまだ健在だよ!」

「はいはい。早く帰るよ」

解った。解ったぞ。これはあれだ。わざとだ。そうか。こう言うことか。

「わあー綺麗な夕焼けー」

「そうだな」

「適当だな!…って銀ちゃん?」

「何でもねえよ」

「ああ、そう?」

「おう」

やだねえ。銀ちゃん、もう歳だわ。銀ちゃんも卒業かもしんねえなあ。

「ただいまー」

「お邪魔しやーす」

「おかえり!銀ちゃん!ちか!早くこっち来るアルよ!!」

「はいはい」

「神楽ちゃん今日も美人だねえ」

「何いってるアル!あたぼーよ!」

「何だよお、知ってるよ!」

「えへへ」

「ふへへ」

「そこー。俺差し置いていちゃつくなー」

「そうだ銀ちゃん!定春連れてくの忘れたでショ!」

「あんな歩く機関銃連れて歩いたらいくら身があっても足りねェよ」

ふすまを開けた途端、鍋の臭いが食欲をくすぐった。やっぱりか。こいつらほんとベタだなあ。

お誕生日おめでとう!

「なんでマダオがいるアル!せれぶりてぃーな空気台無しネ!」
「そう言うなよォ。俺だって人間だァ。腹も減るさ」
「マダオはサングラスだロ?ちょづいてんじゃねェヨゥ!」
「古いねェチャイナ」
「黙りやがれサド馬鹿」
「良い度胸じゃねェか」
「やるかァ?あぁん?」
「やってやんよォ!」
「こら総悟!ちゃんばらはどっか遠くでやげふっっ」
「あああ僕の大根!」
「ふべっ」
「ああああお妙さんごめんなざい!責任取って嫁に貰いまーす!!」
「ふざけんなこの発情ゴリラ。私に他に貰い手がないとでも?」
「虚しいわねお妙さん」
「ぶべふっ」
「何の事?猿飛さん」

「うるせぇぇぇぇ!」




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シルバー侍サイトじゃないのに銀ちゃん誕生日おめでとうとか言ってみる。
おめでとう銀ちゃん!貴方のたまにちょっっと親父臭いとこ大好きよ!

20101010!




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