泉孝介の好きなもの。野球とカレーとご飯と甘いものとこおり鬼と休み時間。 私の好きなもの。ベビースターラーメンとリプトンのアップルティー、オムライスと漫画とゲーム、野球、それから泉孝介。 「こーうっすけー!」 「わあっ!」 「へっへっへー。おはよー」 どーんと背中にタックルするのが今や毎朝の挨拶。孝介の背中は暖かいのだ。寒暖関係なくいつもくっつかせて貰ってるけどね。童顔だから体温高いんだきっと。 「ちかか。はよっ。(もう三校時だけど)あとあんまくっつくなよ」 孝介は何時くっついてもこう言って引き剥がそうとする。照れ屋さんだね。 「何か言った?」 「離れなさい」 「それよりさあ、この後の授業なんだっけ?」 「すーがくだよ」 「えええええー何でよー」 「鬼の高原だぜー」 「て言うか閻魔様だよね」 ふははっと笑う孝介。孝介の百面相は面白いんだよ。ポーカーフェイスに見えるけど割りとね、表情豊かなんだよ。 あ。 「こううううううすけえええええ」 「今度はなんだよー」 「昨日の中継見るの忘れてたあばばばばば」 私と孝介は元々は野球友達だ。そうこう仲良くしてる間に私が孝介に惚れたと。向こうも惚れてくれたと。そう言うノロケ話。 「……ふうううん」 「うわ」 「うわってなんだよ」 だって孝介が悪い顔をしたよ。いつもの可愛い顔じゃなくてこう、にやあって。そうそう、試合中の阿部みたいな感じ。 「お前さ、」 「なーに?」 「お前って…さっき来たよな」 「うんそうだね」 「昨日も途中で帰ったよな」 「あー…、ごめん。昨日はCD屋行く約束だったのに…」 頑張って五校時までは居たのになあ。私自身がっかりだったし。 「良いよ。気にしてない」 にぱっと笑う時の孝介って最高だと思うんだ。まじまじまじまじまじ可愛い。最最最最最最上級。 「…な、じゃあさ、ダビングしてきてやるよ。録ったから」 「えっ…まじで!?」 「おう!だからさ、今度マックおごってくんない?」 「えええー?うーーーーーん…」 ちょっと最近金欠気味なんだよなあ。 「お願いしますっ!今限定のハンバーガーと新しいシェイクだけで良いんだ!あれだけは味わっときたい!」 「むーーーーん」 ちょっと焦らしてみる。多分この後オマケがつくから。 「あっっともしかしたらプチパンケーキが入るかもッ」 やっぱし。孝介ほんと甘いの好きだよなあ。うちも結構好きだけど、孝介には負けるね。 「ま、良いよ!払ってあげる!!」 「やった!」 「その代わりさ、ダビングじゃなくて孝介の家で一緒に見ようよ!マック食べながらさ!」 「うっしゃ完璧!じゃあ明明後日決行で良いか?」 「うん!」 「うっっっっし楽しみ!!」 「でも夜食にマックて凄い不健康だね!」 「だな!」 まあ孝介の笑顔が一番のビタミンだけどね! 「ところで宿題やったか?」 「……………………ん?」 「やっぱし。ほらよ」 孝介がパン、とノートを開いてこっちに向ける。 孝介の字は綺麗で、ノートも結構頑張ってて、だから孝介って大好きだ。 「いいの?」 「いいよ。その代わりシェイクはMサイズな」 「えーどーしよっかなあ」 「えっっっ」 「うそうそ!写さしていただきまーす」 私も自分のノートを開く。あと三分くらいしかなくて手が焦る。ノートに字を描くシャーペンが滑って、何かミミズがいっぱい居る見たいに成ってきた。まあ良いよね。 「早く写せよー。あと三十秒くらいしかねーぞ」 「うををっはいはいはい今やる今やる」 「返事は一回」 「はいっっっ」 泥酔者被泥酔者 どちらにしても相思相愛相愛相思 「ちか、今日は待ってなくて良いから早く帰れよな」 「えっ」 「絶対九時十分には寝ろよ!そして完璧に治せ!わかったな!」 「っうん!」 九時十分に指定したって事はお疲れメールが欲しいって事ですね了解! ‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 心配してるように見せない泉くん好き! 多分このヒロインはらーぜと帰ったりしてるとか裏山(( 20101115 [#まえ]|[つぎ*] |