amabile β

一周年の「amabile」β版
所謂没ネタです。
勿体ないので載せました。




※ 未来から帰ってきたよ
※ 何人かがちょっとおかしいです注意
※ ひらがなばっかりもちゅういちゅうい!
※ すぴるべ役得!




ぼふん、と煙が舞った。
それからしゅるりと衣擦れの音がして、かちゃん、と金属が落ちた音がする。
え、と思ったら、煙が消えた。

「………綱吉?」
「え。───えぇえ!」

記憶の中の静玖が、服を着崩してちょこりと座っていた。




☆ ☆ ☆ ☆




「故障だな」
「故障って、」

ふむ、と冷静に呟いたリボーンに呆れつつ、俺は上着を脱いで静玖の肩に掛けながら抱き上げる。
すると静玖はきゃっきゃと楽しんでいた。
小さな静玖が現れた事に驚いたのは、俺の守護者達もヴァリアーのメンバーも一緒。
そう、今日は九代目の計らい(と、言うより静玖に関しての腹いせな気がする)で、ヴァリアーとの食事会をやっていた。
そんな中、ランボが放ってくれたのだ、バズーカを。

「ランボ!」
「っ〜〜〜! ランボさん悪くないもんね!」
「あのなっ!」
「綱吉、小さい子をおこっちゃだめ」
「静玖」
「ね?」

べち、と小さな手で俺の頬を両手で叩いた静玖は、こつ、と俺の額に額を合わせてきた。
じいっと目を見て言われ、俺はこくりと頷く。
すると、静玖をひょいとベルフェゴールに持って行かれた。
あ、と静玖を手で追うと、はしりと静玖に手を掴まれる。

「お姫、ちっちゃーい」
「ふぇ」
「ふにゃふにゃじゃん、へぇー、いくつぐらい?」
「やっ!」

知らない人間に抱えられたことが気に入らないのか、俺の手を掴んだまま身体を捻る。
や、や! と子供らしい嫌がり方をする静玖に、思わず苦笑した。
自己主張できてるから、そこまで幼くはない。
ベルフェゴールが言うように、今の静玖はいくつなのかな。

「───あ、」

ぴたりと静玖の身体が動かなくなった。
───んんん?
静玖の視線を辿ると、スクアーロがいる。

「すぴるべ!」
「───はい?」
「すぴるべだー」

静玖は俺の手を離して、スクアーロに手を伸ばす。
ぱちくり、と目を瞬いたスクアーロは、静玖が望んだようにこちらに歩いてきて、その手を取った。

「どうしたぁ」
「すぴるべ、髪長い!」
「あ゛あ」
「ティモのお手紙はー?」

しっかりと抱っこされ、スクアーロを見上げる静玖は、ちょっと安心した表情を浮かべていた。
え、ええ………?!

「カス鮫テメェ………!!」

響いたザンザスの声に、俺も同意した。
うんうん、その気持ち、良くわかる。
ってか、俺が言いたかった。

「ねーえ、ティモのお手紙はー」
「今日は預かってねぇぜぇえ゛?」
「む、」
「スクアーロ、静玖、パスなのな」
「は?」
「やっ!」

山本が静玖に手を伸ばせば、静玖はむっと口を尖らせて、スクアーロの首に抱きついた。
あ、こら!

「易々と男に抱きついちゃ駄目だろ、静玖!」
「???」









と、ここまで書いたけれど、最終的にやっぱりすぴるべが不憫になりそうだったので没。
リクエスト、ありがとうございました!



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