学校帰りに夕食の材料を買い込み家に戻る。
『カレーが食べたいな…沢山作れたら雪兎におすそ分けしよう』
そんな思いつきでサクサクと夕食を作っていくと部屋中にカレー臭がこもってしまった。換気扇をつけてはいるけどこれは窓も開けておかないとダメだなと部屋の窓を開けると見知った姿が見えた。
さくらちゃんと知世ちゃんが雪兎の家の前にいた。何かプレゼント的なものを持っていたさくらちゃんに微笑ましくなった。
『さくらちゃん、雪兎のこと好きっぽいもんなぁ。頑張れ』
影ながら応援した時だった。目の前に巨大なクマが現れた。クマといってもぬいぐるみのテディベア。
『またこの気配…』
巨大なクマはさくらちゃんを目掛けて手を振り下ろした。それは雪兎から月に変わり、ギリギリで救い、空中に逃げた。
月はクマに攻撃したがクマにはいっさい当たらない。しかも月の翼が消え、2人は真っ逆さまに落下した。
『 力を秘めし鍵よ 真の姿を我に示せ 契約者名前が命じる 封印解除
【包】』
風呂敷のようなものが現れ2人を包み込んで地面に当たることはなかった。
さくらちゃんは不思議な顔をしていたが今はそんなことを考えている暇はなく、クマを倒す為戦っていた。
さくらちゃんは【フライ】と【ソード】を使いクマの魔力の源である耳部分を斬り落とし、クマは普通のぬいぐるみへと戻っていったようだった。
『月…限界は近いよ…』