46
ーーー4月
桜が満開な季節
私たちは高校2年生となった。


「柿木園先輩と喋っちゃった!」
「王子様みたいに超キラキラしてた!」

「知ってる?2年の和泉先輩。ちょっと怖そうだけど素敵な先輩なんだぁ。」
「でもよく一緒にいる兎塚先輩と付き合ってるらしいじゃない?」
「ほんわか美人よね。和泉先輩、兎塚先輩の前だと笑顔見れるらしいよ!お似合いよね。」

「美人だよなー。大神先輩。」
「ムリムリ。いっつも隣にいてガードしてるの彼氏だろー」

「そういえばさ、あの先輩たちみんなおそろいのクマもってるよね。ああいうのなんか、憧れちゃうよね。あの中にはいってみたいなー」


クラスのまえに着くと竜生くんはやや涙目になった。

『た、竜生くん。授業だけだし、お昼とか休み時間とか遊びにいくから』
「真希チャン〜…」
「じゃ、オレらこっちだから。」

今にも抱きついてきそうな竜生くんから守るかのように私の首に腕を回した千隼くん。

私たちは奇跡的にみんな同じクラスだったが、竜生くんだけ離れてしまった。

「なんで俺だけ男子クラスなんだよー!!」

竜生くんは泣きながら自分のクラスへ走って行った。


『なんだか可哀想になる……』
「竜生だから大丈夫だろ。」

日直だから、と千隼くんは久実と職員室へ向かったので私たちは先に教室に入ることにした。
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