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あれよあれよと決まってしまった千鶴さんのお店でバイトの日
小鳩さんからきた(一方的な)待ち合わせ時間の時間に駅で待っていると千鶴さんがきてお店に向かった
ついて理解した。
お店とはキャバクラで、千鶴さんはママさんだった。
『あの、無理です!私高校生ですよ?』
「大丈夫。お酒は飲ませないし、夜遅くまで働かせるつもりはないわ。」
『それだけじゃなくて…』
「お化粧とかしちゃいましょうね。服は小鳩ちゃんと見たなかから選んだから似合ってるわ。やっぱり高校生の肌は綺麗ね、やりがいがあるわ!」
『…』
ダメだ。小鳩さんもだけど千鶴さんも話聞いてくれない…
「はい、出来た!かわいいわウサギちゃん。じゃいきましょ」
ズルズルと引きずられで店内に入った私。
履いたことのない高さのヒール、ここまできらきらで華やかでスリットの入った着たこともないドレス、そしてガッツリセットされたヘアーメイク。恥ずかしい…
「あら、いらしゃいませー」
「ママ、今日レイナちゃんは?」
「ごめんなさい、ちょっとお休みで…でも今日入店したかわいい子いるから!」
ポンと背中を千鶴さんに押され前に出された私。
『う、うさぎです…』
おどおどしていたのが余計お客さんに兎を連想させたのか…モテた。
「うさぎちゃん!かわいい!プレゼント!」
『あ、ありがとう、ござい、ます…』
「名前のとおり兎みたいだ!ママ!ドンペリとニンジン!」
いや、ニンジンはいらない…
後ろでも今日入店したらしい人がモテモテだった。どんな人なんだろうと後ろを向くと黒髪ロングのモデルみたいな人がいた。
「ち…ひよこ…です」
ひよこさん…綺麗な人だな…と見つめてしまった。それにあのドレス見覚えがある…。見つめすぎたのかひよこさんと目が合ってしまった。ハッと驚いた表情をみせるとツカツカとこっちに向かって歩いてきて私の腕をつかんだ。
『えっ!あ、あの、ひよこ、さん!』