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「ひゃほー海だー!」

狐坂さんがテンション上がりまくって駆けていくのをカンナとゆっくりついていく。

カンナはワンピースを来ていて、私はビキニショーツタイプで腰にパレオを巻いている。


『カンナの服かわいい。でも水着は?』
「なかにそれっぽいものは着てるけど脱ぐつもりはないわ。真希の水着かわいいわね。パレオとっちゃえば?」
『無理。恥ずかしい。』

カンナはもったいないといっていたが狐坂さんに絡まれている久実を見つけたとたんダッシュで行ってしまった。

カンナの久実への弱愛、強くなってきたな…

「真希チャン」
『竜生君、柿木園豹。』
「ちょうどよかった。報告したいことあって探してたんだ。熊倉サンは?」
『あっちにいるよ。一緒に行こう。』
「うん。豹も!」
「そーだね。ところで、兎塚さん。なんでフルネームで呼んでるの?」
『…なんでだろ?危なそうだから?』
「あははは!あながち間違ってないよね!」
「…柿木園でいいよ?あ、名前でもいいよ?」
『覚えてたらね?』
「熊倉サン、カンナサン!」

竜生君が久実たちのもとへ駆けていくのでそれに続けてついていった。


「会えてよかった。最終日だしみんなで遊びたくてさ。それと熊倉サンと真希チャンに直接報告したくてさ。」
「報告?」
「このたびオレ日吉竜生とカンナサンはおつきあいすることになりました!」
「みんなの前で…バカッ」

ぐいっと肩を引っ張った竜生君を真っ赤になったカンナが海へ突き飛ばした。

そこからはみんなで水の掛け合いがはじまった。

『はー疲れた』
「本当に」
『ねぇ、カンナ…』
「なによ?どうかしたの?」
『おめでとう。私、カンナが恋愛しようって思ってくれて嬉しいよ。』
「真希…」
『お祝いに飲み物おごってあげる。まってて!』
「美味しいヤツにしてね!」
『考えておく!』

自販機にいきペットボトルを買って戻ろうとしたら、千隼くんが前から歩いてきた。

『千隼くん!』
「?あーお前か。」
『千隼くんは水着じゃないんだね。』
「遊んでると写真とられるからな。」
『写真ニガテ?』
「まぁ。」

じゃあ、修学旅行の写真もあまり映ってないんだろうな。こっそり買おうと思ってたのに…

「水着、似合ってんじゃん。」
『あ、ありがとう!新作だよ!本当はカップルようなんだけど、かわいいから買っちゃった。って…どうでもいい話だったよね。』
「…本当くるくる表情かわるな。見ててあきない。」
『褒め言葉として受け取っとく…』
「じゃあな」

千隼くんは笑って歩き出し軽く手を振った。
寂しいな…と思っていたら無意識に『千隼くん』と呼び止めていた。

『あーえーと、その写真!一緒にどうかな!?』
「…」

さっき写真ニガテって聞いたばっかりなのに質問チョイス馬鹿すぎる私。

案の定、無言の千隼くん…
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