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「5人揃ってるわねー。明日は早いから寝坊しないでね。」
先生がそう言って電気を消して部屋を後にすらと少ししてからまた電気がついた。
「なに寝てんの」
「修学旅行の夜っていったらこれからが本番でしょ」
そう言いながら狐坂さんとさるるんはお菓子をひろげ始めガールズトークを始めた。
「あ、私1点大神嬢に質問があったのよね」
「何?」
「どうして3組の竜生君ふったの?」
さるるんの突然の質問にカンナは顔を赤くして久実は跳び跳ねるほどびっくりして狐坂さんはびっくりしてジュースを吹き出した。
『うわ、大丈夫!?狐坂さんタオル!』
その辺に置いてあったタオルを狐坂さんにわたした。
竜生君、告白したんだ。すごいな。
「ふったというか、私誰とも付き合いたくないし。男はいらないから。」
「本当にそれでよかったの?」
さるるんがじっとカンナを見つめおもむろに手をとった。
「あんなに受けてよし、攻めてよし、いじってよし、ツナギも白衣も裸Yシャツもいけちゃう男子そうそういないのに。もったいないとおもわない?」
「ごめん。言っていることよくわからない。」
さるるんって揺らがないよね。すごいな…
そんなことを思っていたら狐坂さんとカンナがバリボリとせんべいを平らげながら言い合いを始めて、さらになぜかあったアルコールを飲んだ久実が泣き出した。
「転校してひとりぼっちだった私に竜生君が声をかけてくれたの。ニコニコまっすぐに笑いかけてくれて、私嬉しかった。カンナちゃんと真希ちゃんと友達になれてもっともっと嬉しくなったよ。みんなと出会えて、恋もして、今すごく楽しくて幸せで…だからカンナちゃんにもまた恋をしてほしい……」
『ふふっ、久実らしいね。』
「…そうね。」
カンナがすっと立ち上がった。
『カンナ?』
「少し頭冷してくるわ」
カンナはそう言うと部屋から出ていってしまった。
「さて、兎塚嬢はどうなんです?」
『え?』
「恋してるかだよ。」
さるるんと狐坂さんが楽しそうに覗きこんでくる。
「けっこうモテるのに付き合ったって話は聞かないし、気になってたんだよね。どうなの?」
『どうなのって…』
「ズバリ、好きな人はいるのですか?」
『……います。』
「ひょーー!誰誰誰!」
『言わないよ。ヒミツ。それに…きっと片思いで終わるから。』
「兎塚嬢……禁断の恋とかですな!愛してはいけない、階級の違う恋!とか百合とか!?」
『ごめん。言っていることよくわからない。』
そのあと逃げるように布団に入り狸寝入りしていたらいつのまにか本当に眠っていた。