プリメーラ -PREMERA- | ナノ


...assembly 4 [reminiscence]








…最初の十刃がまだ十刃として形を成す前。


藍染の下に集った者達は
現在の十刃からしてみればそれはそれは脆弱なモノだった。

中級大虚が大半であり自分の様な最下大虚だって交じっていた。

最上大虚なんて皆無と言って等しかった。





…だが、イアンだけは違った。





彼女はある日

自分の前に藍染と共に現れ
その圧倒的な強さを見せ付けた。


今まで出会った誰よりも強いのでは無いかと

本能で恐れた。





ニコニコと満足そうに
常に藍染と行動を共にする女。

アーロニーロは最初この女が好きでは無かった。



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『…アーロニーロー!!

アーロニーロってば!!
…ちょっと!!聞いてんの!?』


『うるせえな…聞こえてるよ』
『イツモ騒ガシイネ』


『何よ、聞こえてるなら返事しなさいよね!!


ところであんた達、今暇でしょ?』


『暇じゃねえよ』
『全クダヨ』


『まあ良いから良いから!!

ちょっとお茶飲んで行きなさいよ!!』


『…話聞イテナイネ』
『なんでてめえに付き合わなきゃなんねえんだよ』


『私が暇だからよ!!』


『『…………』』





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…いつも彼女は強引で

俺達をちゃんと二人として扱った。


いくら逃げようが抵抗しようが
いつの間にかいつも彼女のペースで。




藍染サマが言っていた『彼女の進化』の後だって

自然に同じ事を繰り返してこの女は笑ってた。



…そうして気付けば俺達は

この女に気を許していたんだ。




なぜだか思い返す
懐かしき情景。


確かに

きっと、満たされていた。




…あの日彼女が突然消えるまでは。









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