ベッドが軋む音で目が覚めた。隣を見てみればそこには愛おしい人がいる。寝息を立てて縮こまるように眠っている姿を見て、私はほっと安心した

(今日も私の隣にいてくれてる)

時計を確認すると朝方で。今の時期は雪が降っており特に朝が1番冷える。嫌だなぁと思いながらも布団の中で寝返りを打つと

「、、、今日はヤケに早いな」
「ごめん、起こしちゃった?」
「問題ねぇよ」

露草が起きたようだ。モゾモゾと起き上がってベッドの背もたれに寄りかかると露草も同じ体勢になった。お互いの肩が触れるか触れないかのギリギリで。

「冷えるね」
「お前ちゃんと厚着してんのか?」
「え?下着にキャミに服1枚だよ」
「馬鹿じゃねーの?それは当然寒いに決まってらぁ」

そう言う露草の顔を見るとそれはもう呆れ顔で。私はベッドから降り、クローゼットを開けて着れる服がないかどうか探していた。

10分くらいは探しただろう、寝間着に使っても大丈夫な要らない服を私は着込んだ。そしてまたベッドに戻る。露草は眠そうにアクビをしていた

「もう少し寝る?」
「少しだけな」
「じゃあ私も少しだけ寝ようっと」

再びベッドに潜り込むと、布団は冷えていてブルブルと身震いをする。露草も同じなのか、頭ごと布団に被っていた

私は暖かそうだな〜なんて思いながら露草の体に抱きつくとその背中に顔をうずめた。うん、いい匂い。

「そうやられると寝れねぇよ」
「でも暖かいよ」
「ったく、、、」

露草がこちらの方に寝返りを打つと、逞しい両腕で抱きしめられた。

「何?露草のサービスの一種?」
「んなわけねぇだろ!お前が俺を抱きしめて暖かいって言うんなら、その逆でも同じだと思ったんだよ」
「ふふ、確かにさっきより暖かいよ」
「んじゃあ、とっとと寝るか、おやすみな」

それはごく自然だった。露草が私のおでこに口づけをしたのだ。そう、露草にとっては普通のことなんだろうけど私は突然のことに心の準備ができてなくて、思わず露草の胸に顔を伏せた。

「ん?どうしたんだよ」
「い、や、なんでも、ない」
「?変なヤツ」

、、、しばらくして露草の寝息が聞こえてきたが私は眠れる状況ではなかった。あの時口づけされたおでこが頬とともに熱くなってる気がする。私はいてもたってもいられなくなり、露草が起きないように、お返しのつもりで私も露草のおでこに口づけをした

「なっ」
「あれ、起きてたの?」
「お前何してんだよ!」
「露草がしてくれたじゃん、お返しだよ」

露草は髪の毛をくしゃっとかき上げ、そのまま掌で顔を隠した



「そういうのはやばいってぇの」




寒い時、抱き合って寝ることが当たり前、たまに見せてくれる優しさに溺れないように私はその幸せを噛み締めていく。




Fin


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