俺だって(ロー視点) 


※短いです。



最初はただの好奇心だった。
異世界から来たと言った、女性とかいう女は、最初こそクルー達に警戒され遠巻きにされていたが、ベポを筆頭に段々とクルーの中に溶け込んでいった。あのペンギンさえも早々に絆されるとは思いもしなかったが。

「あ、ローさ……船長!」
「……なんだ。」
呼び方が気にくわない。思わず寄った眉間に、ビクリと女性が竦んだ。自分が俺の機嫌を損ねたと思って二の句が継げないでいるのだろう。もう1度先程と同じ言葉を投げかける。
「え、と、あの、ペンギンが航路の事で相談したい事があるらしく……」
操舵室で待ってます。という声は尻窄みになり良く聞こえなかった。ペンギンは呼び捨てするのに俺はしないのか。酷く不愉快だ。
「分かった……。あと、」
ローでいい。思わず口が滑った。そう言うつもりは無かったが、女性に名前で読んで欲しい。そう思っただけだった。女性の顔を見ると、何を言っているのか分からないという顔をしていたが、次第に笑顔になった。
「……っ、分かりました!ロー!」

敬語も要らないと言い、操舵室に向かうと後ろから「分かった!!」と大きな声が響いた。


俺だって名前で呼ばれたい







夢主さんは名前呼ばれてない……;



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